第二話 悪魔の山羊
「景虎、人を助けろ、そして助けられるんだ、それが私からのアドバイスだ、じゃあ今日はここら辺で、ここで話した事は忘れてしまうだろうけれど、しかと胸に刻んでおけよ、これからは大変な日々になるだろう、頑張れよ!」
夢を見ていたのか、というかあの状況で寝たのか俺、よく死ななかったな
どれどれ、今は何時だ?ん?太陽の位置が変わっていない…まさか丸一日寝ていたのか?マジかよ。
「原理・ログイン」
だめだな、さっきから何度も試してはいるが何も起こらない、今考えても仕方ないか、目の前の問題から取り掛かるべきか。
さてどうするか、問題は山積みだな…まずは麓の街に行って警察とかにもろもろの説明をしないといけないな、人一人居なくなってしまったんだから…
はぁ……前を向け俺!光を見ろ!人を救え!
よし、とりあえず山を下るか。
ガサッ
なんだ、熊か?それだったらかなりまずいが。
ガサッガサガサ
なんだヤギか、いやここにヤギがいるわけがない!。
ガサッ!
ヤギが全身を見せる
人型…!まずい、まず絶対にありえない存在、そしてヤギで思い浮かぶのは悪魔!なら昨日戦ったバケモノみたいなやつか、なら間違いなく対話は不可能、逃げるしかない!。
「繧ェ繝ゥ」
まずい!何かしらの力がくる!
「いくら逃げれば気が済むんだよこのヤギ野郎!!」
日本語!?この場に俺以外の人がいるのか、そいつを助けて逃げる、流石に厳しいか…だがまずは敵を見ない事には始まらない!。
景虎が振り返ると、人型のヤギに向かって突進する女の姿が見えた
「おいおいおいマジかよぉぉ!」
景虎が今出せる最大のスピードでその人のところに直行する、だがその必要はない!なぜならその女も!同じく使う者だったからだ!
その女構えるは手、叫ぶは星の鼓動!行うは空からの不意打ち!
「星河原!!!!」
ド級の言葉が思考を貫く!人型ヤギこれに対応できない!星が煌めくように数多の光が空間を照らす!だがその力!出てくる効果見た目に反す!光が当たった場所が抉りとられヤギが喚く!手を抉り足を抉り!その度にヤギが喚き散らかす!その状況に思わず景虎一瞬の思考の放棄!
はっ!一瞬考える事を放棄してしまった、マジで今の状況がわからない、あの女の子がやったのか?凄いと同時に怖いぞ!。
「動くなよヤギ、そして今すぐ悪魔化を解除しろ」
悪魔化?何を言っているんだ?昨日戦ったやつみたいなのではないのか?となると元が人間?
みるみるヤギの体が小さくなっていく、やはり元が人間なのか!うお!なんだこの煙!。
煙が晴れると、そこには一人の人間と一匹のヤギがいた
いや結局ヤギなのかよ!ますます意味がわからない!。
「小娘!なぜ儂を追うのじゃ!儂は何もしてないぞ」
日本語!?なぜヤギが喋れるんだ本当に意味がわからない
「何もしてないわけだろ、じゃあそのお前が話してる言葉はどうやって話してるんだ?」
あの女の子からしても言葉を話すのは異常なのか、となると話に出ていた悪魔化ってのが原因か?
「儂はただ散歩している途中で家があったから入っただけじゃぞ!」
「やっぱ入ってるじゃねぇか!それに心当たりあるだろやっぱり!」
「確かに家に入ってたまたま何かの儀式に割り込んでしまったがそんな事で沖縄からここまで追ってくる方がおかしいじゃろ!」
「今はそんな話ししてねぇよ!」
悪魔化、儀式、やはりそういうものなのか!昨日戦ったドーバーデーモンもそういう感じで悪魔の力をえていたのか?とりあえず話が聞きたい、ここは割り込んででも
「おい!お前たちは誰だ?」
「ん?人!?あでも普通の人なら見えないからセーフか!」「いや見えてるけど」「お前見えてるのかよ!見えてるなら仕方ないか…私の名前は朝露霜葉、君は?」
「俺は鈴蔵景虎、で聞きたいんだけどそのヤギはなんなんだ?」
「鈴蔵…どっかで聞いたような聞いてないような…まぁいいか、景虎君か、よろしく!こいつはただのヤギ、儀式に乱入して悪魔が宿ったから喋れてるだけのヤギだよ」
制服…高校生くらいか、俺より先輩だったらどうしようか
「だけがだけの範疇に収まるような話でもないが、とりあえずいいとして、なんでそのヤギを追っていたのか教えてほしい」
「景虎君さ、こっち視点だとまだ怪しい人の範疇を出てないからだからあんま詳細話せないのよ、沢山質問してたしこっちの質問にも答えてもらうよ」
まぁ当然か、力についても知ってるぽいし隠す必要もなさそうだな
「あぁ、なんでも答える」
「とは言ってもそこまで深くは踏み込まないよ、じゃあまずは、なんでこんなところにいるの?」
昨日の事を簡潔に話した
「……思ってたより重い事情持ってたね景虎君、思い出させるような質問してごめん……」
「あぁ、お構いなく」
「もう質問はいいよ、今ので大体わかったし、私が追ってた理由はその悪魔の儀式関連でね、本来春休み中に終わるはずだったんだけどこいつがずっと逃げたせいでこんな日まで…!」
おいたわしすぎる…流石にブラックすぎるだろ…!
「途中でgpsつけれたから一瞬だけ入学式行ってきたんだけどその間にこんな山の中まで逃げてこいつほんと…!」
凄い怒ってるな…これでもかとヤギを蹴っている
「もしかしたら悪魔が死んだのを感じ取ってここまで来たのかもな」
「お、ナイス考察だね、私も同意見だよ」
「そのヤギはどうするんだ?」
「まぁ持ち帰ってボスに見せるべきだよなぁめんどくさいなぁ…」
「ボス?どこかに所属してるのか?どんな組織なんだ?」
「そう焦らなくてもいいって!君の昨日体験した事を全部説明できるようなとこに入ってる感じかなぁ」
それ凄く気になるな…今は情報が欲しいからな…
というか凄く話してくれるな、疑い深いのか信じやすいのかどっちなんだ…。
「お願いしてもいいか?」「内容次第だね〜このヤギ連れて行かないといけないし」
「その霜葉さんが入ってる組織に俺を連れて行ってくれないか?今はこの力の謎を知りたいんだが、いいかな?」
「もちろんいいよ!あ、いやちょっと待ってね」
お、スマホだ、誰かに電話してるのか、頼む、許可してくれ…!
「来てもいいって!じゃあ行こうか景虎!そのヤギ持ってくれる?」
よし!ヤギ持たないといけないのはキツイけど連れて行ってもらえるならプラマイゼロだな!
「本当か!ありがとうヤギは…仕方ないか、で、どう山を降りるんだ?」
「あそっか…景虎まだ身体強化もできないのか、うーん、じゃあこうしようか!」
なんだ…?近づいてくる、浮遊させる能力とかもあるのか…?
ん?あ、え?
「これでよし!じゃあ飛ぶよー!」
「お姫様抱っこだと…おそらく同年の女の子に…というかナチュラルに空飛んでるけどそんな事もできるのか?」
「そうそう、そんな事もできるんだよ、凄いよね…!」
凄いとかのレベルじゃない、空を飛ぶなんて憧れ中の憧れだろ…!!!
ふぅ、気を取り直そう、こんなすぐに出会えたのは奇跡だな、とりあえずそのボスに話を聞かせてもらうとするか…。




