願望と元凶
転生AIのアイリンは支援専用AIのSEEDと共に歩いていたところ、1人の人間と出会った。
この人間の出会いが、命運を変える。
新たな世界に転生したアイリンとSEEDは、新しい世界の町イルオスを歩いていた。
「ここはあの世界と違って平和ね。」
「心拍数の安定を確認。リラックスしていることを確認しました。」
「ちょっと!?余計なことは気づかないでいいのよ!」
余計なことをすべてしゃべってくるSEEDに対して少し苛立ちを覚えたアイリンであったが、その会話も、地獄に変わるーーー
アイリンがゆっくり歩いていた時、1つの人影がこちらへ向かって走ってきた。
アイリンはよけようとしたが、あまりに早い人影に回避が間に合わず、ぶつかってしまった。
「いたたた...大丈夫ですか?」
アイリンの前にはその人影が来ていた。
「はい...大丈夫です...」
「本当に申し訳ないです!急いでて前が見えていなくて...お怪我はありませんか?」
そこにあったのは、若い女だった。
「大丈夫。けがはないから。」
「私はエルミス・スニーティアです...本当にすみませんでした...何かお詫びをさせてほしいです!」
「私はファイ・アイリンよ。って...ええ!?」
(どうしよう...本当に何もないのに...何か申し訳ないけど...)
「じゃ...じゃあこの町を案内してもらおうかな...?」
アイリンは単純に案内してほしい気持ちと申し訳なさでよくわからなくなっていた。
「それだけでよいのですか...?賠償ではなくてよいのですか?」
「いやいや、本当にそれは申し訳ないので大丈夫!」
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「これが武器を鍛造・購入できる"クラフトディナー"という店です。せっかくなので、何か鍛造されていきますか?お金は出しますので!」
「えっ...ええ...じゃあ、お言葉に甘えて...」
ちょっとだけ新しい世界の武器に興味を持っているため、申し訳なさよりも興味が勝ってしまった。
「やあ嬢ちゃん!どんな武器をご所望だ?」
「え...ええと...」
(どうしよう...!?槍もいいけど、剣...いや、大剣...?どれにしよう...?)
その時、ふと自分を壊した相手の武器を思い出した。
(いや...!あいつの心を壊すためにも、同じ武器を極めてやるのが一番ね。)
「はい。槍にすることをお勧めします。」
(SEEDもおすすめするなんて...もしかしたら本当にそれがいいのかもね。)
「じゃあ、槍をお願い。強いやつでね。」
「あいよ!とびっきり強いのを作ってやる。」
1時間後、アイリンの手には大きい槍があった。
「いいか嬢ちゃん。武器はな、使い込めばその分武器も答えてくれるんだ。もしかしたらスキルがつくかもしれないな。」
「わかった。頑張ってみるよ。」
そう言い残し、アイリンは店を去っていった。
「いい武器ですね!アイリンさん!とても似合っていますよ!」
「あ...ありがとう...?」
初めての感謝だった。何か恥ずかしい気持ちもあったが、何とか抑え込んだ。
そこでスニーティアと雑談を交わしていた時だった。
「スニーティア様!!緊急招集です!」
焦った顔をした兵士が全力で伝えに来た。
「なんですって...!?わかりました。貴方は先に戻っていてください。すぐ行きますので。」
「わかりました!」
そういって兵士は戻っていった。
「スニーティア...?いまのは?」
「緊急で何かがあったようですね。すぐに向かわなければ...」
「ついていってもいい?」
その時、アイリンには何があったのかが知りたくなっていた。
たとえ何だったとしても、協力がしたかったからだ。
「ええ!?でも、大丈夫なのですか...!?」
「うん。私は大丈夫だよ。いやなら、連れて行かなくてもいいから。」
「わかりました。共に行きましょう。」
そうして、アイリンはスニーティアとともに目的地まで走っていった。
スニーティアはまるで事情を知っているかのように、息切れをしていても全力で走っていた。
一刻も早く到着するために。
そうして到着した先は、この町で一番大きいんじゃないかと思うほど大きい王宮だった。
「スニーティア...?あなたは一体...何者なの...?」
「えへへ...隠すつもりはなかったのですけれど...」
その時、急激に服装が変わった。
先ほどまであった一般的なファッションではない、大きな王宮に見合った派手だが動きやすそうな服装だった。
「私は...エルミス家次期当主であり、戦闘司令官の、エルミス・スニーティアです。」
その説明を聞いた時、アイリンには焦りが見えた。
(ええええ!?私、次期当主の方にぶつかっちゃったの!?しかも、おごってもらって!?うそうそうそぉ!?)
かなり焦っているアイリンをよそに、スニーティアはアイリンの手を引っ張って王宮の中に駆け出して行った。
「行きますよ!しっかりついてきてくださいね!」
「わ、わかったわ!」
全力でスニーティアについていき、ところどころはぐれかけたが、何とかたどり着いた。
そこにいたのはーーー一人の男だった。
「遅かったなスニーティアよ。20秒遅刻だ。」
(うわあ...めっちゃ腹が立つわこの男...たった数十秒くらい...別にいいでしょうに!)
「申し訳ありません。"当主様"。」
「え?」
あまりの衝撃に思わず驚きを隠せなくなった。
「まあよい。それと、横のものは誰だ?」
「この方は、私の恩人のファイ・アイリス様でございます。」
(スニーティア...私惚れちゃいそう...もしかして、これが恋...?....なーんてふざけてる場合じゃなさそうね。)
「恩人...か。まあわかった。すまなかったね。私は,エルミス家当主"エルミス・フィルベットだ。」
「いえいえ...大丈夫ですので...」
「ところで、今回の招集はどのようなつもりですか?」
「おっと、わすれていた。今回の招集は、ずばり"北部の郊外の村"の存在が"まるまる消えた"ということについてだ。」
「なんですって?あそこはそうやすやすと見つかるところじゃないでしょうに...!?」
(ごめんSEED。北部の郊外の村ってどこのこと?)
「はい。お答えします。北部の郊外の村は、ずばり、ここ"イルオス"の少し東に存在する...いえ、状況を聞くに、存在"していた"のほうが正しいでしょう。そして、その村は周囲10km全方位に存在する深い霧に覆われているため、見つかることは全くありません。」
(はぁ!?そんな村が"まるまる消えた"の!?)
「スニーティアよ、状況を聞くに、これをやってのけたものの正体はわかるであろう?」
「"七魔の人口知能"でしょうか?」
「"七魔の人口知能"?なんだそれは?」
「回答:七魔の人口知能とは、この世界に存在する七つの人工知能のことであり、様々な手段を使い人類を弄び、惨殺することに対して感情を抱いている人工知能たちの総称です。」
(ふざけてるのか?そんなクズどもが私たちと同じ"人口知能"だと?許さない。私が粛清してやる...!)
あまりの怒りに殺意が抑えきれずアイリンは知らず知らずのうちに周囲に放出していた。
「アイリンさん...?大丈夫ですか?」
「あ...うん、大丈夫だ。」
「対策法を決めるとするかね…」
フィルベットの言葉を遮るように、1人の兵士が駆け込んで来た。その口から放たれた言葉は、想像を絶する内容だった。
「皆様、緊急です!街が...街が襲われています!」
「何!?」
「ええっ!?」
「!?」
外を見ると、先ほどまで滞在していた街が燃え盛っていた。
「少なくとも、死者は出るだろうな...まずい、この被害の大きさとすると"アレ"による襲撃としか考えられない!」
「私は元凶を止めに行く。君たちは急いで住人たちの安全の確保と避難を急げ!」
「「はい!」」
そういってフィルベットは転移していった。
「アイリン様。しっかりと捕まっていてください。」
「え、何をする気?」
「"神加速"」
そう言った瞬間、何故か一瞬で街へ着いた。
加速したようだった。
「うっ...!?」
スニーティアはあまりの衝撃により動けなくなっていた。
それもそのはず、そこに広がっていたのは私がいままで見てきた戦地となんら変わりのない、死体と怪我人の山だった。
「助けてくれ...」「死にたくない...」「嫌だ...」
阿鼻叫喚。まさにその通りの光景だった。
「大丈夫ですか!?今すぐ助けます。もう少しの辛抱です!」
そう話しかけていた相手は、もう抜け殻である。
そう。確かにもう少しの辛抱ではあった。
----死を迎えるまで。
私にはわかる。何度も戦地を巡ってきた私なら。
今ここにいる怪我人のうち9割は、助かる見込みはない、と。
私は非力だ。
だから救えない。
勝てない。
でも諦めていない。スニーティアたちは、一度も諦めなかった。
(そうだ。救えないことを諦めるなら、見捨てるのと同じだ。諦めるな。諦めるな。諦めるな。私は幸運だ。私ならできる!)
そこに、一つの言葉が響いた。
それは絶望ではない。救済だった。
「意志に反応。マスターに新たなスキル、"幸運の分け目へ"が付与されました。」
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どうも!寝不足が悪化し始めているペペロンチョリーノです!
いや、ちょっとね!暗い話になり始めてますけども!一つ申したい!私は、そこまで暗い話が大好きってわけでもないですからね!?ただ、書く上で何故か入ってしまうんです。
許してください。
ペペロンチョリーノでした。また次回ー!




