私の幸運に勝るもの
ひょんなことからエルミス家の次の当主であるスニーティアと出会い、招集により会議に参加した。
その時、街では悲劇が起こっていた。
その悲劇を解決するため、エルミス家とアイリン達は戦地は向かって行った。
「え...?」
その時、今まで全く喋っていなかったSEEDが喋っていた。
「意志に反応。マスターに新たなスキル、"幸運の分け目"が付与されました。」
そう。あの時まさに武器職人が言っていた"スキル"が付与されたのだ。
まるで、あの時、決意を固めたときの"幸運"に反応したかのように。
「え...?でも私は武器を全く使ってないぞ...?」
そう。まだアイリンは1度も武器をふるっていないのだ。
武器職人の言っていた"武器を使い込む"という条件を満たしていないのに。
「いいえ。その解釈は間違っています。正しくは、"武器を使い込む"または"強い意志があること"が条件であり、マスターの"諦めない意志"と"幸運を信じる意志"に反応し、スキル獲得に至りました。」
「強い意志...?」
強い意志に反応したが、いまだに獲得したスキルの内容がわからないとき、都合よくSEEDが説明を加えた。
「はい。そしてあなたの獲得したスキルである"幸運の分け目"の能力は条件を設定し、1~100の数を決め、数値によって能力の内容などを決めることができます。ですが、失敗した場合は発動しないため、注意が必要です。」
「運ってわけね。」
ここからはスキルの強さは関係なく、アイリンの運によって決まる。
「じゃあ設定するわ!成功はーーーここにいるすべての人間を復活させてやるわ。」
「了。内容を設定完了。1~30の数値の出現で成功でございます。では、始めてください。」
その時、アイリンの脳に詠唱の内容がインプットされた。
そしてアイリンは戸惑いながら、詠唱を始めた。
「"決まった結末"よ!私の運にひれ伏し、結末を改変せよ!」
アイリンは決意を決め、力強くダイスを振った。
この結末は吉と出るか凶と出るか。アイリンは強く願った。
結果はーーーーー
「"5"の数値の出現を確認。これより、死亡及び負傷した生物をすべて復活いたします。」
結果は5の目だった。アイリンの振ったダイスは、幸運を呼んだのであった。
その瞬間、先ほどまで脈のなかったもの、重傷を負っていたもの者たちの傷が治り、意識が戻り始めた。
スニーティアは驚きを隠せなかった。
それもそうである。先ほどまで死亡していた者たちが目の前で立ち上がり始めたのだから、奇跡としか言いようのないことである。
「アイリン様...?いったい何をしたのですか...?」
その時、スニーティアは目撃した。ダイスを持ったアイリンの姿の後ろに、強い光が差していたのを。
「スニーティア...これは...その...」
アイリンが起こったことの説明をしようとしたとき、先ほどフィルベットが向かっていった方角から大きな爆発音がした。
その時、その場にいた誰もが察した。
「向こうで何かがいるのだ」と。
「スニーティア...!説明は後!今すぐフィルベットのほうに行くよ!」
「はい!わかりました...!」
そうして持っている力を使い、全力でフィルベットのいる場所に向かっていった。
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フィルベットのいる場所に行ったとき、そこに広がっていたのは、
爆発の跡と激戦を繰り広げている2人の姿だった。
1人はフィルベットの姿だったが、もう一人には全く心当たりのない、厚着を着た若い男の姿だった。
その顔は、面倒であることを表現しているようであった。
「この街に手を出すな...!この薄汚い"偽物"が!!!」
フィルベットが厚着の男に対し叫んだ時、先ほどまでしゃべっていなかった男が口を開いた。
「ひどいなあ...人のことを偽物呼ばわりなんて...」
「口を閉じろ...人工知能に人間の気持ちがわかるものか!!!」
フィルベットがそういったとき、スニーティアが何かに気が付いたようだった。
「まさか..."七魔の人口知能"...!?」
「!?」
そう。フィルベットと戦っていたのは、先ほどフィルベットたちと話していた北部の郊外の村を消した人工知能であった。
「おっと...君たち...戦闘の邪魔だね...めんどくさいし、ここで消しておこうか。」
そういい、男はこちらに向かって1つの光線を放った。
その光線は今までで見たことないはずだが、既視感があった。
「まずい...!」
光線よりも早く、フィルベットがこちらへ向かっているのが見えた。
その時、フィルベットの持っていた件によって、あと少しのところで光線の軌道が変えられた。
「何をしている!?ここは危険だ!早く戻れ!!!!」
フィルベットは声を荒げてそういった。
「当主様...あれはいったい...?」
「あれはさっき話した北部の郊外の村を消した張本人、"七魔の人口知能"の"殺戮魔:エイド"だ!!」
そう発言したときだった。
エイドと呼ばれていた者が、すでにフィルベットの目の前にいた。
「戦闘中によそ見...?君、なかなか余裕だね。」
その瞬間、フィルベットの胸をエイドの拳が貫いた。
「うっ...!?」
「な~んだ。君も大して丈夫じゃないね。じゃあ、最強の君が消えたことだし、勝率は99.9...いや、100%まで上がったね。」
戦場に冷酷な声が響いた。
「当主様...!?」
その時、SEEDが焦りを見せ報告してきた。
その内容は、現実とは思えない、冷酷なものだった。
「緊急。フィルベットの心拍数が低下。このままでは死亡します。」
対処は必須であった。しかし今、目の前には"七魔の人口知能"がいる状況である。
「じゃあ、まずはこの2人から処理しようかな...」
そういって、こちらを殺そうと拳をふるったとき、アイリンはとっさにダイスを振り、防衛をしようとしたものの、戦力の圧倒的な差を見せられることになる。
「注意。戦力の圧倒的格差を確認。成功率が大幅に低下します...確認、成功数値1~3です。」
その結果、出た目は9であった。
その瞬間、防衛でいなかったアイリンの腹部をエイドの拳が無慈悲に貫いた。
「うぐぅ...!?」
アイリンは崩れ落ちた。
そのとき、SEEDはアイリンが死亡することを察した。
「緊急。緊急。回復スキルの発動命令を確認...スキル未所持のため失敗しました。再度実行を確認。未所持のため失敗しました。」
SEEDはマスターを死なせないため、全力を尽くしたが、帰ってくるのは無慈悲な返答だった。
SEEDは、自分の無力さを思い知った。助けられないことの絶望に打ちのめされていた。
----------その意志は、スキルの獲得するには充分であった。
「確認。SEEDに対し、特殊スキル"超幸運"及び"超回復"の付与を確認。」
「SEEDからの要請を確認。特殊スキル"超幸運"及び"超回復"の所有権および使用権をアイリンへと移行。」
その時、貫かれたはずの腹部は完全に元に戻っており、傷一つない状態へ戻っていた。
「否定。だってありえないでしょ...?殺したはずなのにさぁ!」
そう言ってこちらへ攻撃を仕掛けるが、その攻撃は全て空振りであった。
「僕の力が"幸運"なんてものに負けてるだと...?」
そう言ってずっと否定し続けているエイドであったが、突然立ち上がり、力を溜め始めた。
「そうだ...!幸運なんてものでも、物量には勝てない...!」
その時。死んだはずのフィルベットから声がした。
瀕死だったが、その声はどこか力強かった。
「おい...俺はまだ死んでないぞ..."ありえない"ではない。お前の力が足りないのだ...」
その時、エイドの怒りの矛先はアイリンではなくフィルベットへと変わった。
「死に体が...雑魚のくせにうるせえんだよ...!」
そう言ってエイドがフィルベットへ向かった時、スニーティアはアイリンの手を引っ張り、全力で退避し始めた。
「スニーティア!何するの!?私は行かないと!!!」
その時、アイリンへのスニーティア返事の声色は焦りと悲しみであった。そう。自分の無力さを恨んでいるように。
「いいえ...!ダメです!当主様は...エイドもろとも"自爆"しようとしています!!!」
「え...?」
衝撃の一言だった。フィルベットは、自分を犠牲にしようとしていたのだ。
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エイドがフィルベットに向かって行った時。
「引っかかったなぁ...!エイドォ!!!!」
「何!?」
フィルベットは自分の腕にあったボタンを強く押し、体内の至る所にある爆弾を起動した。
「さぁ...!殺人魔様...!一緒に地獄に落ちましょうか...!」
煽りを含めた言葉。それはエイドにも理解ができた。
「君は...僕が今まで殺した人間の中で狂人だな...」
そう言った。
その瞬間。辺りを眩い光が覆った。
そうして、フィルベットの1度きりで最大の"賭け"が発動した。
その"賭け"の代償の重さは、アイリンの能力を超えるものだった。
どうもペペロンチョリーノです!
休日記念で二話連続投稿です!
皆様休日はどのように過ごしましたか?
私は何もできませんでした笑
来週の休日はゆっくりしたいですね〜
ということで!寝不足のペペロンチョリーノでした!また次回〜!




