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八
草々の中に身を潜めている若い衆。
そこに辿り着いた四名だったが、この時、破近が懐から取り出した物で――これまた、父親の形見である望遠鏡だ。
「どれどれ……うん、女将が見えたわ。お、岩場の陰に猿ちゃんも」
しかし――
「もうかれこれ小一時間経ちますが、猫一匹現れませんね?」
この主人の言葉に、破近も
「ホンマやね。何でやろ?」
だが、一番顔色を失っているのは
「まさか、猿公の気配が感じ取られた?」
そう、親分である。
草々の中に身を潜めている若い衆。
そこに辿り着いた四名だったが、この時、破近が懐から取り出した物で――これまた、父親の形見である望遠鏡だ。
「どれどれ……うん、女将が見えたわ。お、岩場の陰に猿ちゃんも」
しかし――
「もうかれこれ小一時間経ちますが、猫一匹現れませんね?」
この主人の言葉に、破近も
「ホンマやね。何でやろ?」
だが、一番顔色を失っているのは
「まさか、猿公の気配が感じ取られた?」
そう、親分である。
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