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デビルの王子はとどのつまり…。  作者: 葡萄
入学前

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8/13

初めての人間界

人間界へ行く日、当日。


魔王の部屋にて…。


「おい、ハインツ。はしゃぎすぎだ」


「だって〜、楽しみじゃーんっ」


パンパンの荷物ぶくろを持ったハインツ。


「そんなに、何を持っていくんだ…まったく…」


ヴァルキリアムスとリノラがそれぞれ口を開く。


「ハッハッハ…クラウス、ハインツを見習えっ。せっかくの人間界なのだ。今日までよく働いてくれた。旅行と思って楽しんでだなぁ……」


「そ〜よ〜?3年会えないのは寂しいけど…」


「はぁ〜……もう腹は括りましたから、ご心配なく」


俺を人間界へ行かせるために、これから3年間の業務上のシステムを大幅に変える必要があっただろう。


かなり大変だったはずだ。


今更断るわけにもいくまい。


「ところでお前たち、そのまま人間界へなど行けぬぞ。はやく人間になれ」


「えぇ、後で変わりますよ」


「僕もクラウスと一緒に変わりまーっす⭐︎」


「うむ、よろしい。後のことは行けばわかる。準備は良いか?」


「かまいません」


「はーいっ⭐︎」


「では、いくぞ。クラウス…待っておるぞ…ハインツも頼んだぞ」


「父上……」


「御意!」


心配そうにリノラが見つめる中、ヴァルキリアムスが力強く呪文を唱える。


「ヴァル・エグゼディア・ラ・トランザ!」


クラウスとハインツが光に包まれる。


「チュン……チュン」


鳥の囀る声。


きらめく噴水と水の流れる音。


芳醇な薔薇の庭園の先に見える純白の城。


光が消えると、そこには人間の姿となったクラウスとハインツが立っている。


俺たちは、人間界へ降り立った。










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