謁見の間にて
テーブルの前に顎を乗せてこちらを見つめるハインツ。
「ねー、遊びに行こうよ」
「ダメだ」
「もー、今日で6日目だよ?誘ってからさー」
「飽きもせずに…お前は暇なのか?」
「まだ16歳なのに仕事してるクラウスが珍しいんだよ」
「……当たり前だ。次期魔王なんだ…」
「きゃー、かっこいいー」
「おい、バカにしてるのか?」
「してないよ。すごいけどさ…今しか作れない思い出が、作れないじゃないか」
「……」
ハインツはそれだけ言うと、少し寂しそうに笑った。
「まぁ、明日も来るから。じゃあね」
「バタン」
書斎の部屋の扉が閉まる音。
あいつが口に出す言葉は…たまに妙に心に残る…。
「コンコン……」
くそ……誰だ……
最近、妙に城が騒がしい。
城の者になるべく会わないように、ほぼ毎日書斎に籠っているというのに、外では何やらバタバタしている。
ノックをしないハインツは例外として、
書斎に誰かが訪れるのは、月に1度ザルバスが来るくらいだ…。
なのに、今週はザルバスを除いて、4回も扉がノックされている。
正直言って不愉快だ。
「入れ…」
「クラウス様…ヴァルキリアムス様とリノラ様ががお呼びです」
「父上と母上がか…?」
夜になれば会うというのにか…珍しい。
いや、こんな事は初めてだな。
「コツコツコツ…」
城の廊下を歩くクラウス。
呼ばれた先は謁見の間である。
到着した謁見の間で玉座に座る父。
その傍らにいる母。
跪くクラウス見える。
部屋ではなく…謁見の間で…
何事だ…。
それに、ハインツも呼ばれたのか…。
そして、謁見の間には大勢の悪魔たちが集まっている。
「お待たせしました…父上、母上。
お呼びにより、クラウスが馳せ参じました」
「ハハハッ、突然呼び出して悪いな。
よしっ……
クラウス・アレクサンドラ…並びに
ハインツ・グラドネート
貴殿らに命ずる———




