心の声が聞こえる悪魔2
口には出さない本音が、ずっと勝手に聞こえてくる。
16になった今でも、慣れることは無い。
気づけば俺は、16歳にしてすでに父である魔王の半分の仕事を、難なくこなすまでになった。
仕事詰めにして、誰とも関わらないようにした。
そうすると、自然と誰とも関わらなくなっていった。
…それで良かった。
幼い頃からずっと聴き続けてきた。
自分へ向けられる嫉妬と憎悪。媚びへつらう、聞くに耐えない醜い心の声。
俺にだけではない。
父へ向けられる家臣の憎悪の声も…。
母へ向けられる使用人の嫉妬の声もだ…。
幼かったクラウスを仕事詰めの運命へ追い込むには、それらは十分すぎるものだった。
俺から見れば、父と母は優しすぎる。
ずっと、そいつらが何を思っているか伝えても、ほとんどのことは許してやりなさいと言う。
優しさなどいらないのに…父と母は俺の能力をずっと褒めてきた。
「心の声が聞こえるなら、お前の方が支配者に向いているな、クラウス」
「すごいわ、クラウス」
両親の言うことは全てが本心だった。
両親の愛と存在が、幼い俺にとっての最大の心の支えであり、幸運だっただろう。
実際、父へ向けられる害意のある存在は全て俺が消してきた。
当たり前だ。魔王に対する忠誠が無かったんだ。死罪に十分、値する。
この世界は、どいつもこいつもゴミばっかりだ。




