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デビルの王子はとどのつまり…。  作者: 葡萄
入学前

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1/13

心の声が聞こえる悪魔

悪魔城の謁見の間にて———。


「王子、ご機嫌麗しゅう」

《くそ。こいつさえ生まれなければ。俺様が…》


「クラウス様、今日も一段とお美しい」

《こいつを煽てておけば魔王様にもきっと…フフフ》


「クラウス王子、お荷物、私めがお持ちしましょう」

《黒い髪に、真紅の目……怖い、怖い、怖い。魔王様の息子なんて…》



こいつの声も…こいつの声も。こいつも、こいつもだ。


物心がついた時からだ、心の声が聞こえてしまう。おそらく、生まれた時からだったんだろう。


目の前の玉座に座っている魔王である父の、そしてそばにいる母の声でさえも聞こえる………。



———「コツコツコツ…」


クラウスが廊下を歩く音。


《後ろから驚かしてやろう》


「おい、ハインツ。後ろにいるの聞こえてるぞ」


「あれ。また聞かれちゃったか〜クラウス様っ」


「クソッ…やめろよ。その呼び方は」


「ごめん、ごめん。クラウス。今日もまだ仕事が残ってるのかい?」


「あぁ、いつものことさ」


「ふーん」


《最近、働き詰めだ。少し休んだ方が良いのに》


「フッ…。お前に心配される筋合いはない」


「また心の声聞いたな?

だってクラウスってば最近、全然遊んでくれないんだもーん。ハインツ寂しーいー」


「気持ち悪いぞ……お前」


「ハハハ…冗談だよ、仕事もほどほどにね。じゃ!」


「あぁ」


ハインツは幼馴染の上級悪魔だ。

こいつと話している時だけは、自分が自分でいられる気がする…。

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