人間界の街
「ブォーーン」
「プーーー」
「パッポー、パッポー、パッポー」
多くの車が走り、人が行き交う交差点。
「おい、ハインツ。なんだあの乗り物は」
「僕も初めてなんだよ?分からないよ」
「人間はこんなに多いのかっ……」
広い…こんなに広いのか。
《どけよ、ババア。 クソッ、お前が先に行くなよ。 うっせえなあ。この前のガキ。》
街中で聞こえる人の心の声。
しかも…人間の心の声までっ…。
「ハハハハッ…楽しくなってきたっ。あれ?クラウスッ。大丈夫?…あそこへ入ろう」
「あぁ」
クラウスとハインツは百貨店に入り、店内の椅子に座って休んでいた。
「声かい?」
「あぁ、人間の街は人が多すぎる」
「そうだね。ここもいるけど落ち着いた?」
「当たり前だ。行くぞ」
「おぉ〜。元気になった」
クラウスとハインツは店内の洋服を見て回る。
「一応、服を持ってきたけどクラウスこういうのが似合うと思うんだよな〜」
「黒い服なら俺はなんでもいい」
「じゃあこれにしよ」
女性の店員たちが少し離れたところで騒いでいる。
「あの人たちカッコ良すぎない?」
「あなたが話しかけなさいよ!」
クラウスとハインツはそのまま歩いて店を出ようとする。
「あ、お客様!お会計を…」
「なんだそれは…」
「えぇ?」
《えぇ、何!?これどういうこと!?払わないの?》
「ハインツ、何か払うらしい」
「んー、今日はダメだね。何も分からないし、はじめちゃんに聞こうか」
「あぁ」
2人はそのまま店を後にした。
「ありがとうございました〜」
《あ、買わないんだ。でも、カッコよかった〜》
「ドスッ」
商店街を歩いていると、クラウスにぶつかる男性。
「あ、すみません」
《くそ、どけよ。まだ高校生かそこらのガキが》
「おい、待て、貴様。殺されたいのか」
「ちょっと、クラウス…ここは…」
「このおじさん謝ってましたよ!!!」
このやりとりを聞いていた 1人の爽やかな少女が声を上げた。
ぶつかった男性は何も言わずに足早にその場を去っていった。
「フッ……」
クラウスは少女を見て、どこかバカにしたように笑った。
《何?……感じ悪っ…》
「あっちゃー、ごめんねぇー。悪気はないんだよ〜。
「あ、いえ」
《この人は優しそう》
「さぁ、行くよ!黒宮くーん」
背中を押され、歩き出すクラウス。
「おい、その呼び方やめろ」
その後、道に迷ったクラウスとハインツは夕食の時間を過ぎ、20時になってようやく城に到着した。
そして、皇に優しくお叱りを受けたのだった。




