悪魔、私室を選ぶ
「うわぁー。すごい綺麗だね」
「そうだな。父上は一体、なんのために…」
「どうぞこちらへ…中を案内致します」
皇は中央階段を登って行く。
「コツコツコツコツ…」
クラウスとハインツもその後に続く。
「いや〜、クラウスの人間の姿。久々に見たよ〜」
「フッ…お前はよくその姿でイタズラしてるからな」
「みんな人間の姿を見たら一瞬びっくりするから好きなんだよね〜」
王宮に住む、上級以上の悪魔は幼少期に皆、人間の姿になれるようになるまで訓練させられた。
人間の姿になれなかったものたちは降級させられていく中、見様見真似でできたのが俺とクラウスだった。
「ガチャッ」
「ここは大広間になってございます。魔王様の言いつけで、食事は基本、揃ってここするようにとのことです」
「嬉しい〜みんなで食べられるね」
「いえ、私は料理をお作りしますので、クラウス様とハインツ様のお二人でということになりますよ」
「すめらぎ、貴様はいつ食べる」
「ハッハ…お気になさらず」
「他の人に任せて一緒に食べようよ〜はじめちゃ〜ん」
「この城におるのは私1人でございますよ?」
「何っ!?」
「えぇ〜!?」
「ハッハ…さっさ、次のお部屋へ」
次々に扉を開けて皇は部屋を紹介していく。
「こちらは…こちらは…こちらは…」
「俺はここがいい。香りもいい、すめらぎこの部屋は?」
「クラウス様お目が高い、こちらは『和室』というものです。厳選された素材を使い、人間国宝に造らせました」
「んん…よく分からんが気に入った」
「わ〜クラウスっぽーい」
「おい、荒らすなよ?」
「ハッハ…さっさ、次のお部屋へ…こちらは…こちらは…こちらは…」
「僕はここがいい!お花の香りと緑も多いし〜」
「ハインツ様もお目が高い、僭越ながら華道の最高職位を持つ私めが毎日、生花を交換し、もちろん観葉植物の手入れも欠かしておりませんぞっ。
ちなみにではございますが、クラウス様のお部屋の盆栽は私が手入れして苦節50年!盆栽モンドセレクションで18億円の値段がつけられましたぞっ!! ……ハァーハァーハァー」
「フフフ、すごい息切れしてるし、よくわかんないけど、はじめちゃんすごーい」
「何者なのだ、すめらぎ…」
部屋は合計で25部屋あった。
そんなこんなで人間界での3人の暮らしが始まった。




