大三元
静かな夜。
広い部屋の中央に、一つの麻雀卓が置かれていた。
その卓の前に座るのは、ツモ姫・結咲。
向かいには、結咲の力を狙う者たち。
そして、結咲の隣にはあきらが立っていた。
「本当に、この子がツモ姫なのか」
敵は小さな結咲を見て笑う。
「まだ何も知らない子供だ」
彰は、結咲の前に立つ。
「結咲は一人じゃない」
敵は彰を見る。
「お前に何ができる」
その言葉に、彰は一瞬だけ拳を握る。
自分には、麻雀の知識もない。
強大な力もない。
それでも――
結咲を守る。
その気持ちだけは誰にも負けない。
結咲は牌に触れる。
小さな手で、一枚ずつ牌を引いていく。
周囲の空気が変わる。
誰もが息を飲む。
最後の一枚。
結咲が引いた牌。
それは――
白。
卓に並ぶ三つの牌。
白。
発。
中。
その瞬間。
結咲の瞳が輝く。
「ツモ」
小さな声。
しかし、その一言は大きな力となった。
大三元。
ツモ姫だけが起こせる奇跡。
麻雀卓から光が溢れ出す。
敵の表情が変わる。
「まさか……完成させたのか」
しかし。
その力はあまりにも大きかった。
結咲の小さな体が揺れる。
受け止めきれない力。
「彰……」
結咲の手が伸びる。
彰は迷わず駆け寄る。
「大丈夫だ」
「俺がいる」
結咲がツモった大三元の力が、彰へ流れ込む。
白。
発。
中。
三つの力が重なる。
その瞬間。
彰の中で、守護者の力が完全に目覚める。
結咲から受け取った中。
それは、ただの牌ではなかった。
結咲の想い。
守ってほしいという願い。
そして、信じる気持ち。
それが、彰の力になる。
敵が襲いかかる。
「その力を手にしたところで、お前はただの人間だ!」
強烈な攻撃。
しかし、彰は動かない。
結咲の前に立つ。
「そうだ」
「俺は特別な人間じゃない」
「でも――」
彰は拳を握る。
「守りたい人がいる」
大三元の力が、彰を包む。
白。
発。
中。
三つの力が一つになる。
敵の攻撃が迫る。
彰は、その力を受け止める。
そして押し返す。
守るための力が、敵の力を打ち消していく。
敵は驚く。
「なぜだ……」
「なぜ、そこまで強くなれる……」
彰は答える。
「俺一人の力じゃない」
「結咲がくれた力だ」
大三元の光が広がる。
敵の力は消えていく。
戦いが終わる。
結咲は、あきらを見る。
彰は優しく笑う。
「ありがとう」
「結咲が信じてくれたから、俺は戦えた」
彰の手には三枚の牌。
白。
発。
中。
光一が残した二枚。
結咲がツモった一枚。
そして、彰が守護者として受け取った力。
まだ謎は残っている。
光一はなぜ白と発を握っていたのか。
大三元に隠された秘密は何なのか。
戦いは、まだ終わらない。




