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ツモ姫  作者: 耀
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カリスマ

光一が最後まで握っていた二枚の牌。

――白。

――発。

彰の手の中に残された、小さな牌。

麻雀のことを知らないあきらには、その意味は分からない。

なぜ光一がこの二枚を握っていたのか。

なぜ最後まで離さなかったのか。

ただ一つ分かること。

それは、光一が命を懸けて残したものだということ。

「あいつが残したものを、必ず守る」

彰決意する。

その夜。

結咲の前に、ツモ姫を狙う者が現れる。

黒い影。

狙いはただ一つ。

結咲の持つ力。

彰は結咲の前に立つ。

「近づくな」

敵は笑う。

「お前に何ができる」

その言葉は、彰自身が一番分かっていた。

麻雀の力もない。

特別な技もない。

強い戦士でもない。

敵が襲いかかる。

彰は必死に防ぐ。

しかし、力の差は大きい。

吹き飛ばされ、地面に倒れる。

それでも、あきらは立ち上がる。

「……まだだ」

「俺は、結咲を守る」

その時。

結咲が小さな手を伸ばす。

握っていたもの。

――チュン

三元牌の一つ。

結咲は、その牌を見つめる。

そして――

彰へ向けて放つ。

中の牌が、彰の手に触れた瞬間。

眩い光が広がる。

彰の中で眠っていた力が目覚める。

今まで感じ取れなかったものが分かる。

敵の動き。

攻撃の気配。

守るべき場所。

まるで、結咲の想いが力になって流れ込んでくる。

「これは……」

彰は驚く。

自分が強くなったわけではない。

でも、今までとは違う。

身体が動く。

迷いなく、結咲を守るための動きができる。

敵が再び攻撃する。

彰は一歩前へ出る。

そして、目の前に迫った攻撃を受け流す。

「なぜ……」

敵が驚く。

「さっきまで何もできなかったはずだ」

彰は答える。

「俺一人の力じゃない」

手の中のチュンを見る。

「結咲が託してくれた力だ」

そこへ、一人の男が現れる。

黒瀬。

彰とは初対面。

黒瀬は戦いの跡を見る。

そして、彰に問いかける。

「……お前は誰だ」

彰は答える。

「俺は、結咲を守る者だ」

黒瀬は目を細める。

この男は、強者には見えない。

麻雀の技を極めた者でもない。

それでも、何かが違う。

誰かの力を受け取り、それを守るために使う覚悟。

その姿には、人を惹きつけるものがあった。

黒瀬は呟く。

「力を手に入れたから変わったんじゃない」

「守る覚悟を持ったから、力が目覚めたのか」

彰は、三つの牌を見る。

白。

発。

中。

光一が残した二枚。

結咲が託した一枚。

まだ、その本当の意味は分からない。

光一を狙った者の正体も。

この三枚に隠された秘密も。

しかし、この日。

彰は覚醒した。

最強の雀士になったわけではない。

麻雀を理解したわけでもない。

結咲を守るための技。

誰かの想いを背負う力。

その力を手にしたのだ。

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