2話 二章 ギルドの屋敷のあれこれ 11
それから俺と使用人達は、荷物を下の階数の指定された部屋の前へと運び、階段を駆け上がるのを繰り返していく。
俺は全く手を休めずに作業を行う。故に一番に運んだ回数は多かった。
他の皆も懸命にやっていくも、徐々に疲れてへばっていた。
だが互いに助け合い、励ましては己を奮い立たせて作業をこなしていた。流石に使用人の立場から、主の家族にやらせてばかりいるのは、良くないと力を振り絞って最後までやっていたようである。
暫くして、俺が最後の一箱を所定の位置に置いたら、再び階段まで戻って上の階へと登っていく。
アルフォンスも乱れた息を整えつつ、ゆっくりと付いてきていた。
また最後尾をメイド達は、くたびれ果てながら、追いかけてきている。
やがて全員がヒナの側に戻ってきた。
彼女の自室の前には、もう荷物は無くなって綺麗になった。
アルフォンスも辺りを見渡し、最後に懐から懐中時計を取り出すと、
「予想よりも早く、片付け終わりましたね。」
と文字盤を確認しながら告げてくる。
「…お、終わったの?」
「そうね。……」
「…疲れた~~!!」
さらにメイド達は、膝から崩れ落ちてしまう。
ほぼ同時に、ヒナが恐る恐る話しかけてきた。
「あ、ありがと。…」
「おう、…これで良いだろう。」
「…う、うん。…あの、大変だったよね、大丈夫?…疲れてない?」
「ん?…あぁ、別になんとも。…俺は疲れないんだよ。」
と、俺は素っ気なく返事をしていた。
此方のやり取りを、周囲の大人達は見て、呆けている。全員がポカンとした様になっており、両目をぱちくりさせて驚いていた。
「す、凄まじいですな。」と最後に、アルフォンスが呟くのが聞こえたのだった。




