2話 二章 ギルドの屋敷のあれこれ 9
それから暫くの間、建物の中を移動していく。
ずっとアルフォンスが先導していた。
俺も後を付いて、歩いている。
やがて目の前には、突き当たりがあり、曲がり角を左へと進んだ。
すると廊下の奥が騒がしい様子だった。
「なんだ?」
と俺は、訝しげに視線を送る。
そこには、ヒナと若いメイド達がいた。廊下の途中で立ち往生しているようである。
真っ先にアルフォンスが声を掛けながら、急いで近寄って行く。
「どうしたのかね?」
「あ、…アルフォンスさん!」
彼女達も気がつき、振り返る。全員が揃って困った表情をしている。
俺も遅れながらも付いて行けば、ようやく理由を理解した。
ある部屋の扉の前に、大量の木箱が山積みの状態で置かれているのだった。
「これは?!…どうして、ヒナ様の部屋の前に荷物が置いてあるのですか?!」
とアルフォンスは驚きのあまりに取り乱すも、すぐに問いただす。
それに若いメイドの一人、ーーマアが代表して報告してくる。
「アルフォンスさん。…実はムゥの担当の仕事で不備があった様なのです。…どうやら雑貨屋さんの方々に荷物の置き場を、間違えて伝えてたみたいで。…」
「何?…では、次の試験で使う予定の物か。…二階の倉庫の部屋の前に置く様に指示した筈ですよ。…ムゥ、どういう事ですか?」
「ご、ごめんなさい。…いつもと違う雑貨屋さんだったから、置き場を聞かれた時に、普段の倉庫と間違えました。」
「何を馬鹿な事を!!?…普段の倉庫は生活雑貨の置き場の事だろう?……使っている倉庫は、同じ階でも、もっと奥の部屋ではないか。……どうしてちゃんと話を聞かないのですか。」
「うぅ。……すいません。……ご、ごめんなさいぃ。…」
さらには、ムウも泣きながら頭を下げて謝罪していた。凄く悔やんだ様子である。本気で間違えたのだと伺える。




