二章 ギルドの屋敷のあれこれ 1
俺達は廊下を歩いて移動している。
その都度に、俺だけは周囲の様子に目移りしていた。
このギルド全体の内装は、予想していたのとは裏腹に、飾り気の少なく簡素で落ち着いていた。
だが何気なく置かれた家具等は、非常に高価な物である。
さらに天井のシャンデリア、白い壁紙や真っ赤な絨毯、薔薇の花柄のカーテン等にも、一切の汚れは無い。
建物の中では、メイド達や従業員達が齷齪と清掃しており、常に清潔に保っているようだ。
やがて場所は移り変わり、目的の場所へと辿り着く。
ここはギルドの二階。長い廊下を抜けた先にある広い広い食堂である。
室内は静寂に満ちていた。さらに張り付く様な緊張と、異様な雰囲気が立ち込めていた。
その中央では、真っ白なクロスの掛かった長テーブルがある。
俺達は対面する形で机を囲んでおり、各々の座席に腰かけている。
因みに入り口側に俺とリキッドがおり、すぐ後ろでダフネが控えている。
対して窓側の席に再従妹の少女がおり、アルフォンスと勝ち気そうな女が側で立っている。
互いに座席に腰かけてから、一向に喋っていない。
ふと出入り口から三人の若いメイド達が姿を現した。各自で食器の乗ったカートを押しながら、中央の長テーブルに辿り着くと、抜き手も見せぬ動きで作業に移る。
次々と天板の上には、ポットや菓子の乗った皿や、湯気立つ茶を注いだ人数分のカップが並べられ、各自の席へと置かれる。
次第にメイド達は仕事を終えると、姿勢正しく御辞儀をする。顔を上げたら、俺と目が合ったようだ。
すると三人も気がついた途端に、頬を赤く染めてにやけだす。また囁やく様な音量で、かん高い様な声をあげると、そそくさとテーブルを離れて壁際方へと下がって行った。




