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2話 一章 始まりの街【ビーギニング】と、二人の少女 11
「むぎゅう。」
と黒い帽子とローブの人物は、目を回していた。怪我もなく無事なようだ。
やはり予想した通りに、目の前にいるのは少女だった。
彼女はパッと見て幼い子供のようで、小柄な可愛らしい美少女と呼べる部類である。栗色の髪は肩口で揃えられ、白く透き通る様な肌と、くりくりとした両目が特徴的だ。さらには触れている箇所から察するに、身体は細く華奢のようだと思う。たぶん背丈は小さくて、立っていれば目線がやや下を向く程だろう。
「おい!…お前。」
と俺は、強い口調で呼び掛ける。
ようやく少女も気がつき、目をしばしばさせると、
「およ?」
と此方の顔を、まじまじと覗き込んでくる。なんとも能天気な表情をしており、未だに現状が理解に出来ずに、きょとんといているようだ。さらには、ーー
「…え、誰~?」
と、首を傾げながら呟いてきた。今も、のし掛かっている状態にも関わらず、此方に興味の対象が移ったようである。両目がキラキラして、まるで吸い込まれそうになるようだった。
なんだか、俺は頬が熱くなるのを感じると、「いいから、どけよ。」と強引に、彼女の肩を掴んで、すぐさま引き剥がした。先程までとは違い、急に恥ずかしくなってきた。




