2話 一章 始まりの街【ビーギニング】と、二人の少女 9
俺は嫌な予感がし、耳を側立てて話を聞いてみた。
「それでだね、…アルフォンス。…君にお願いしたい事があるんだ。」
「…はい、…何でしょう?」
「実は、ヒルフェ君に冒険者になる為の試験を受けさせてみせたいと思っているんだよ。…近い内に、空きはなかったかな?」
「それならば、…三日後の午前中に予定されています回がありますね。急な欠席者が一名出ており、他に希望者もいませんから、入れ込むのは可能です。」
「そうか!!…なら、支度を整えてくれるかい?…彼も冒険者に興味があるそうだから。」
「なんと!…左様でございますか!」
「あぁ。…ヒルフェ君なら合格は間違いなしだろうさ。…なんてったって凄いぞ。…出会った宿場町でも、少し事件に巻き込まれたんだ。…そこで彼はボルドー・ボアも、やっつけちゃったんだよ。」
「おぉ、…新米冒険者達の最初にぶつかる難関をですか?!…しかもランクを所持していない状態とは、素晴らしい身体能力ですね。…承知しました。…すぐにでも、準備に取り掛からせて頂きます。」
どうやら彼等は、俺を試験に入れようと画策していた。
すぐにアルフォンスは返事をすると、踵を返して、駆け出していく。
リキッドは笑顔で、「頼んだよ。」と言いながら、見送っていく。
(不味い!!)
と俺も後を追いかけた。ただ慌ててしまい、爪先を床に引っ掛けて、転びそうになる。なんとか踏み止まって、よろけながら前へと進む。
少しばかり、距離が開いてしまう。
その間にアルフォンスは、もう二階に続く階段に差し迫っている。




