2話 一章 始まりの街【ビーギニング】と、二人の少女 7
すかさずキッドが全体を見渡しながら、補足説明をしてきた。
「此処は、主だって冒険者達の仕事の受注や斡旋を促す場所でね。…我々はメインフロントと総称している。ああしてカウンターで整理券を発行し、順番で仕事の受注や報告を済ます仕組みを導入しているんだよ。」
「ふ~ん。」
と俺は相づちを打った。
「リキッド様!…お戻りになられたのですね!!」
その直後に、誰かが此方に声を掛けてきたようだった。
俺を含めた全員が、声がした方に視線を向けた。
そこには、人が居なくなったテーブルがある。
その近くで執事服の中年男性が、周囲を片付けていたようだ。此方の存在に気がつくと、急いで側に駆け寄ってきている。
真っ先にリキッドが返事をして、出迎える。
「あぁ、…アルフォンス。…留守中に仕事を任せっきりで、大丈夫だったかい?」
「はい。…こちらは特に変わりはなかったです。」
と執事服の中年男性、ーーアルフォンスも側まで辿り着くと、報告している。
そのまま彼等は握手を交わして、お互いを労っているようだ。
「あぁ、そうだ。アルフォンス、遂に私は見つけたぞ。…」
さらに続けてリキッドは、俺の肩に手を回しながら、アルフォンスの目の前に立たせて紹介する。
「この子だよ。…私の孫のヒルフェ君だ。」
「おぉ!!…」
とアルフォンスも目を輝かせながら、此方の顔を覗き込んでは、感想を述べだす。
「いやぁ確かに。…リキッド様と比べれば、鼻筋や口元は似ておりますな。」
「そうかい?…私は、顔の輪郭や目元はマーサさんと似ていると思うが。」
「左様ですか。…それにしても、念願が叶って良かったですね。」
「あぁ、本当にだよ。」
それにリキッドも頷きながら、感極まって泣いていた。
間髪入れずに、アルフォンスも目に涙を浮かべていた。




