Ⅰ-25:毒に頼らぬ術
気がついたら1000PV超えていてびっくりしています。
今日だけで半分以上……何はともあれ、ありがとうございます!
その後、ミーシャに教わらずに出てきてしまったことの反省から、ロセにいくつかこの世界の事を教えてもらった。
この世界の国のことや地理、人間のこと、連合のことなど。
驚いたことに、Bランクって思ってたよりも上のランクだった。何せ、連合で一番活動量の多いのはDランクで、次いでEランクなのだとか。うん、やっぱあの審査員のゴブリン悪くないわ。
そうして話をしていると、どんどん時間は過ぎていき、話し合いはお開きとなった。
ありがたいことに、ロセは「この船がハルマティーダに着くまでの間は、何か相談したいことがあれば、いつでも来るといい」と言ってくれた。
「ニシオギクボ。サーシャを、トシフのところに」
(了解)
いつの間にかそこにいたニシオギクボに抱きかかえられ、私たちの二等船室……ではなく、甲板の上に転移した。
(トシフさん、おとどけものです)
「誰だ? ……ってニシオギクボか。あぁ、きちんとサーシャを受け取ったぜ」
そして私はニシオギクボからトシフに手渡された。
ニシオギクボはそれを確認すると、すぐに音もなく消えた。
……うん、私いま小荷物扱いされていたな、完全に。
「随分と長く話してたようじゃないか」
(こっちとしては、強引に連れてかれて話が始まった感じだったんだけどね)
まぁ、今後の方針も決まったし、結果オーライだけど。
「はは、そうだったな。で、真面目な話だ、サーシャ。お前、ハn……毒以外で、自衛手段があるのか?」
おい、今ハニー・トラップって言おうとしただろ。
そりゃあ流石にテタニから情報行ってるよな。どう考えても人間をはじめとした動物にとっちゃシャレにならない毒だし。
私みたいな動物でもなさそうな奴には効かなさそうだけどな! ……言ってて悲しくなってきた。
まぁ、それは置いといて。
自衛手段の無さは自分でも課題だと思っていたところだ。
人間だったら周波数一万くらいの高い音を大音量でやりゃ逃げるだろうけど、万物に効くかは怪しい。
(無いねー。悲しいほどに)
「だろうな。でも、あの毒は常用すべきじゃないのはわかってるよな?」
(流石に知っちゃったらためらうけど……)
ただ、現状それしかないのも事実。
「そりゃ、歯切れ悪くなるのもやむを得ないだろうな。だから剣術でも教えてやろうかと思って。そうすりゃ、毒を使わなくても済むだろ?」
おう、突然どうしたよ。
「いや、さ。俺達もさっきロセさんと話してたのは知ってるだろ? そこで言われたよ。『お前らは、サーシャに対して恐れをなしているのだろう』ってな。あぁ、そうだよ。正直、怖いさ。剣や魔法と違って、毒なんて見てもよくわからん。だから、お前に毒をあまり使ってほしくない。これは、俺の我儘だ。あぁ、我儘だよ。それに……、どうせ船の中じゃ暇だしな」
あぁ、そうか。
この毒があまりにも残酷な毒で、私の強力な武器だ。
でも……仲間から見たとき、どう取られるのか。そんなこと、考えてすらいなかった。魔法のことはよく知らないけれども、毒と言うのは味方を気づかぬうちにむしばむ可能性がある。持ち主の、知らないうちに。
うん、トシフの言いたいことも、すごくわかる。
けれど、けれどね?
(何処をどう見たら私の体で剣を振るえると思うんだ)
「え? お前いつも錐体になってるけど実際は不定形だろ?」
そう言って模擬剣を差し出すトシフ。いや、無理だって……
試しに体を伸ばして模擬剣を持つ。
そして剣を持ち上げ……るより先に私の体が持ち上がる。
(だから無理って言ったのに……)
「うーん、軽いはずの木の奴でこれか……」
そもそも人間が使うこと前提で作られた武器をカビに使わせようとするのが間違ってると思うよ、私は。
(私の体、テタニが杖と一緒に片手で振り回せるほど軽いから、剣なんて無理だって)
「……そうか、重くすればいいんだな」
そう言うとトシフは何かを唱え始めた。
そして、次の瞬間。
べちゃり。体が、潰れた。
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