男にはわからない日って、どんな日?
四限目の放課、ルルーシカは暇をもて余しているらしく、タクのところに来た。
「ねえ、何か面白いことない」
ルルーシカはタクの机の上に座る。
「ない」
タクはそっけなく言う。
「何よ、使えないわね」
脚を組み、何か面白いネタはないかと、教室を見回すルルーシカ。
「ねえ、人形。あんた、何か面白いネタを、このあたしに提供しなさいよ」
前の席のレーラは、本を読んできた。
かなり古い本で、ページがかなり黄ばんでいた。
「ちょっと、無視しないでよね。というか、聞こえていないの?もしかして、人形、あんた、本を読み出すと、集中しすぎて何も聞こえなくなるタイプなの?」
「・・・ちゃんと聞こえているわよ。でも、面白いネタなんてないから、答えなかっただけ」
「でしょね。最初から、期待していなかったけどね」
ルルーシカは両手を広げて、呆れたというポーズをとっていた。
「なあ、あの子・・・かなえさんどうしたんだ。体調悪そうだったけど・・・」
タクは早退したかなえについて訊く。
「うん、まあね・・・」
気まずそうにルルーシカはタクから顔をそむける。
「何なんだよ。その気のない返事は」
「うるさいわね!もとはといえば、あんたのせいなんだからね!」
とルルーシカは犬歯を剥き出しにして叫んだ。
「俺・・・俺のせい?」
ハッとした顔をするルルーシカ。
「・・・ち、違うわよ。言葉の言い間違え。あんたの、あんたのせいなんかじゃない」
どうしたんだよ。こいつ。
急に怒鳴ったと思ったら、バツが悪そうに目なんか伏せて。
言い間違い?いや、そもそも、なんで、かなえさんを心配しただけで、
俺は怒鳴られないといけないんだよ。
「なら、なんで、怒鳴ったんだよ」
「もう、うるさいわね。かなえはね・・・」ルルーシカは口をもごもごと動かす。「きょ、今日はそう言った日なの。男のあんたにはわからない日。そんなことを私に訊くなんて、少しは気をつかいなさいよね」
そういった日?
男の俺にはわからない日?
いったい、どんな日のことを言っているのだろうか?




