アバズレ
「こらっあぁ~!! うちの奴隷を何からかってんだぁ~!! この腹グロ女!!」
ルルーシカの怒鳴り声が響く。
「ああ、ボンボン娘ね・・・それにしても腹グロ女とはひどい言われようね。私にはミアって名前があるの。ミア様って言いなさい」
この子、ミアって名前なんだ、とタクは思った。
にしても、すごい変りようだな。
表情も口調もさっきまでと、全然違うし。
「ミア様なんて言うか。ボケ。腹黒雌豚女で十分よ」
ルルーシカの怒声にクラスがざわついている。
「あら、あなたの品のなさじゃあ、ミア様なんて言えないわよね。ごめんなさいね。にしても、いつ見ても、ああ~かわいそうね、あなたの制服。胸なんかすっかすかで・・・ほんと、ぺっちゃんこでぺちゃぱいで・・・実に、みじめよね」
ミアは、んふふふふと笑う。
「・・・ぺ、ぺちゃぱいなんかじゃないわよ」
ルルーシカは心なしか寂しい胸を触る。
「あら、ごめんなさい。あなたにとって、その絶壁はぺちゃぱいじゃいのよね。あなたにとってはね。ふふふふふ」
「あぁ~もう頭に来た!! なんで、この私が腹グロアバズレ女なんかにこんなこと言われないといけないのよ!」
ミアは体をビクリと震わせる。
「ア、ア、ア、アバ、アバズレ・・・この私がアバズレですって!! あ、あなたに私の何がわかるっていうのよ」
「あら、もしかして図星だった?」
「ち、違うわよ・・・・これでも・・・まだ・・・しょ、しょ、しょ・・・」
「まだ何よ」
「・・・お、お子様にはまだ早いことよ」
ルルーシカとミアは、その後、しばらく睨み合い、チャイムが鳴るまで、くだらない言い合いをしていた。
そして、チャイムが鳴ると、お互い、よかったわねと言い、それぞれの席に戻っていった。
いったい何だったんだ。あの二人。
前の席のレーラは二人の騒々しい馬鹿なやり取りなど気にせず、ずっと本を読んでいた。
タクは、ある意味、すごい精神力だなと思った。




