操作魔法の一例
タクは教科書をぺらぺらとめくった。
すると、適当に開けたあるページが目が留まった。
陽に焼けたそのページには魔法について書かれていた。
そこそこ高度な内容のはずなのに、
スポンジが水を吸い取るが如く、タクはその内容を吸収していった。
思いのほか、記憶力が良かったことにタクは驚いた。
いや、もともと知っていた内容を、思い出したといった感覚に近い。
「「「あははははははははははははは」」」
クラスメイトの笑い声が聞こえてきた。
お色気先生のエロ話に笑ったらしい。
あるクラスメートが「また新しい彼氏を見つけなよ」と言う。
男子生徒だった。
それに対して、お色気先生は「私の彼氏になってくれる?」と訊き返す。
その男子生徒は俯き、まんざらでもなさそうだったが、
「好きな子がいるんです」と真面目に答えていた。
赤い髪をした色白の男子生徒だった。
やけに身振り手振りが多い。
その男子生徒は誰かに似ていた。
ふと、タクの視界に、Mの文字がちらついた。ついでにハンバーガーもちらついた。
そして、メイクをしたマスコットキャラクターもちらついた。
艶やかな服装をしたそのキャラクターと男子生徒はどこか似ていた。
「えっと・・・そうだ、そうだ、ドナ○○・・・じゃなくて、ピエロだ!!」
「好きな子がいるんです」と言われ、間接的にも振られたお色気先生は「あんたには興味はね~よ」と声に怒りを滲ませていた。
あんたはいつ授業をやるんだよ・・・。
そんな、くだらないやり取りから目を切り、
タクは教科書をパラパラめくった。
違うページで手が止まる。
「禁止魔法・・・・・・・」
そこには、手と人が重なった黒色の紋様が描かれていた。
その紋様を見ていると、手が人を支配しているかのような印象を、タクは抱いた。
操作魔法の一例とのこと。
「なになに・・・禁止操作魔法『ミゲルスティ』
代償は―――――――臓器。
・・・・・・げっ!!」




