私と彼の相性
運悪くも、一限目の授業は引き続き担任の女教師である――お色気先生の授業だった。
タクはスクールバックから教科書を探し、机の上に置いた。
幼稚園児の落書きのような絵が表紙の本だった。
『誰でもわかる基礎魔法2』と書いてあった。
「ずいぶんと使い込んであるよな」
表紙の色が薄れ、ところどころ破れていた。
「彼と私って、最初から相性が悪かったの」
お色気先生は教卓に足を組んで座っていた。
露出した太ももだけでも、かなりの刺激的なのだが、
時折ちらっちらっと顔を覗かせる黒のレースが、さらにエロさを際立たせていた。
「だってね、彼ってすごくアレが・・・ちいさ・・・おっといけないわ。18禁ね。・・・いえ、下手というか、未熟だったの」
お色気先生の話にクラスメイトは息を飲む。
そわそわしているクラスメイトすらいた。
「でね、そんな彼の下手さには、私は我慢した。技術なら訓練すればある程度向上する。だから、私は彼のために沢山研究したわ。恥を忍んで、『やさしい夫婦生活』といった本も読んだ。でも、彼は一向に上達しなかった。体質だったのよ」
「何が?」とある女子生徒が訊いた。
「魔法体質ってあるでしょ。生まれついた性質によって、魔法の得意不得意が決まるあれよ。血統によってしか使えない魔法すらある。
それと同じように、彼・・・」
お色気先生は口を結び、間を作る。
クラスメートのほぼ全員が、お色気先生の話に耳を傾けていた。
「早かったのよ」
クラスの張りつめていた空気が、急速にしぼむ。
クスクスと声に出して笑っているクラスメイトすらいた。
「こればかりは、どうしようもないわね。たくさんのことをした。
薬も使ったり、道具も使った。魔法ももちろん試したわ。彼のために、私はいろんな技術を試した。
でもダメだったの。・・・でね」
お色気先生は教卓から降りた。そして、
「あいつ、まじでうぜ~んだよ。私のことを好き好きって言っていたのに・・・こっそりと浮気なんてしやがって!! ばれないようにしやがれ!! それも、私よりも若い女と・・・ふざけんじゃないわよ!!」
お色気先生は、バンと黒板に回し蹴りを入れた。
おいおい、これは何の授業なんでしょうか?




