前の席のレーラ
ルルーシカは体についた埃を払い、床に落ちていたスクールバックを手に取った。
そして、ルルーシカを見ていたクラスメイトに怒鳴った。
「お前ら、見てるんじゃないわよ!!・・・無差別スズメバチを教室にはなって、酷い目にあわせてやるわよ!!」
ざわついていた教室が静かになる。
注目を浴びるのは好きって言っていたけど、
悪い意味での注目は嫌いなのね、とタクは思った。
ルルーシカは廊下側一番後ろの席に、
スクールバックを叩きつけ、ドスンと座った。
タクは脇腹の痛みをこらえ、立ち上がるとレーラがタクをじっと見つめていた。
「・・・何?」
「・・・・・・・」
レーラからの返答はない。
けれど、レーラは視線をずらすことなく、じっとタクを見つめていた。
観察しているようだった。
何だよ。じっと見つめて・・・。
まさか、俺のことが好きだとか。
「というより、俺はどうすればいいんだ?」
ルル―シカにヘッドリッジ魔法学園に連れてこられたのはいいが、
タクは何も聞かされていなかった。
どのクラスに所属しているかも。
ルルーシカは、腕を組んで、椅子に座っており、
明らかに顔を上気させている。
雷を落とされたくないタクは、ルルーシカには訊きにいきたくなかった。
しかたがなく、タクは周囲を見回す。
「あなたの席は、ここよ」
レーラは自分の後ろの席を指さした。
「あ、ああ・・・ありがとう」
タクは窓際一番後ろの席に座る。
どうやら、ルルーシカと同じクラスだったらしい。
がらららら、と音をたて、
教室前面のドアが開いた。
20代後半くらいの女性が入ってきた。
「ん? んん!?」
タクはその女性を見て目を見開いてしまった。
なぜなら――――




