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おっとり令嬢の社交掃除 〜姉御肌の親友と、学院の悪意を上品に片づけます〜  作者: 平八
第一章 席札の嘘と、淀んだお茶会

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第7話 お掃除の噂は、紅茶より早く広がる

噂というものは、紅茶より冷めるのが遅い。


そして、広がるのは紅茶より早い。


学院長補佐の執務室での確認から、わずか半日。


王立アストリア貴族学院の廊下には、すでにいくつもの囁きが漂っていた。


曰く、礼法委員の文面が差し戻されたらしい。


曰く、ベルモンド家の令嬢が、学院長補佐の前で礼法委員に意見したらしい。


曰く、フォルクレア家の令嬢が、伝統に「カビの匂いがする」と言ったらしい。


曰く、ロザリンド・ハートレイ様の白い手袋が、ほんの少し汚れていたらしい。


最後の噂に関しては、誰がどこまで見ていたのか、クラリス・ベルモンドにも分からなかった。


だが、噂とはそういうものだ。


誰も見ていないはずのものほど、なぜか一番よく広がる。


「……どうしてこうなるのかしら」


クラリスは、東棟の回廊で額を押さえた。


隣では、リディア・フォルクレアが楽しそうに窓の外を見ている。


中庭では、下級生たちが昼休みの短い時間を過ごしていた。


そのうち何人かが、ちらちらとこちらを見ている。


視線に怯えはある。


好奇心もある。


そして、それ以上に。


何かを期待するような色があった。


「クラリスさん」


「何?」


「今日は、廊下の空気が少し乾いておりますわね」


「乾いている?」


「はい。湿った布を少し日に当てた後のようです」


クラリスは、返事に困った。


たぶん、リディアなりに褒めている。


学院の空気が少し良くなった、と言いたいのだろう。


ただ、その比喩がいつも通り独特すぎる。


「……それは、良いことなの?」


「はい。カビは、少し乾かした方がよろしいですもの」


「その話、もう少し声を落としなさい」


クラリスが小声で制した時、向こうからマリア・エルシェンが歩いてきた。


控えめな制服姿。


胸には、数冊の教本。


以前と同じように背筋は伸びている。


だが、少し違うところがあった。


歩きながら、彼女は時々、周囲の席や扉を確認しなくなっていた。


いや、完全になくなったわけではない。


それでも、歓迎茶会の直後のような怯えは薄れている。


マリアは二人に気づくと、足を止めて丁寧に礼をした。


「フォルクレア様。ベルモンド様」


「ごきげんよう、マリア様」


リディアが微笑む。


クラリスも軽く頷いた。


「昨日は、よく話してくださったわね」


マリアは少しだけ視線を落とした。


「まだ、うまく話せたとは思えません。でも……自分の写しを持っているだけで、少し落ち着きます」


彼女は教本の間に挟んだ紙を、そっと押さえた。


ベルモンド家の実務用紙。


飾り気のない、少し厚手の紙。


それは高級でも美しくもない。


けれど、マリアにとっては、自分が何をされたのかを誰かに勝手に書き換えられないための、小さな盾だった。


「よい紙ですわね」


リディアが言った。


「え?」


「折れても、まだ読めます。少し強い紙です」


マリアは一瞬きょとんとしたあと、小さく笑った。


「はい。そう思います」


クラリスは、その笑みを見て、ほんの少しだけ肩の力を抜いた。


救えた、などと思うつもりはない。


マリアの傷は、まだ消えていない。


ヴィオラの謝罪も、まだ受け取られてはいない。


それでも、マリアは自分の席に座り直し始めている。


その事実は、悪くなかった。


「マリア様」


リディアが、ふと首を傾げる。


「今日のお茶は、美味しく飲めそうですか?」


マリアは少し迷って、それから答えた。


「……たぶん、昨日よりは」


「それは何よりですわ」


リディアは心から嬉しそうに笑った。


マリアも、今度は少し自然に笑った。


その様子を、廊下の端で見ていた下級生たちが、小さく顔を見合わせる。


その視線に、クラリスは気づいた。


来る。


そう思った瞬間、ひとりの少女が、おずおずと前に出た。


まだ一年生だろう。


制服も新しく、リボンの結び方が少しぎこちない。


「あ、あの……」


少女は、リディアとクラリスを交互に見た。


「フォルクレア様、ベルモンド様」


クラリスは警戒を隠して微笑んだ。


「何かしら」


「その……お二人に、ご相談すれば……汚れを、片づけていただけると聞いて」


クラリスは、心の中で頭を抱えた。


早い。


早すぎる。


噂の熟成が足りない。


「誰から聞いたの?」


「み、皆さまが」


一番困る答えだった。


リディアは、きょとんとしている。


「汚れ、ですか?」


「はい」


少女は必死に頷いた。


「まだ、汚れかどうかも分からないのですが。でも、私の友人が、最近お茶会に呼ばれるたびに、帰りに泣いていて……でも、本人は何でもないと言うのです」


クラリスの表情が変わる。


話が急に軽くなくなった。


「名前は?」


「そ、それは、まだ」


少女は慌てて口を押さえた。


「本人が、知られたくないかもしれなくて」


クラリスは、そこで少しだけ評価を上げた。


この少女は、ただ噂に乗って騒ぎに来たわけではない。


友人の名を勝手に差し出さない程度には、相手の席を守ろうとしている。


「よろしいですか」


リディアが穏やかに言った。


少女が顔を上げる。


「汚れているか分からない布を、無理に洗うと傷んでしまいますわ」


「は、はい」


「ですから、まずは、そのご友人がお茶を飲めているかだけ見てさしあげてください」


「お茶、ですか?」


「はい。泣いた後でも、お茶を一口飲めるなら、まだ席は残っています。飲めないほど苦しいなら、その時は……」


リディアは少し考えた。


「窓を開ける必要があるかもしれません」


少女は、完全には分かっていない顔をした。


クラリスも半分くらいしか分からなかった。


ただ、少女の表情は少しだけ緩んだ。


「分かりました。まず、聞いてみます。お茶を飲めるかどうか」


「ええ」


リディアは微笑む。


「無理に連れてきてはいけませんわ。席は、勝手に動かしてはいけませんもの」


少女は、はっとした顔をした。


そして深く礼をすると、走らず、けれど急ぎ足で戻っていった。


クラリスは、その背中を見送る。


「……リディア」


「はい」


「あなた、今、相談窓口を開いた自覚はある?」


「窓は、開けた方がよろしい時もありますもの」


「そういう意味じゃないわ」


クラリスはため息をついた。


だが、否定はしなかった。


あの少女は、きっとまた来る。


あるいは、別の誰かが来る。


噂は広がった。


それは、リディアとクラリスにとって都合の良い風だけではない。


助けを求める声が届きやすくなる一方で、隠していた者たちもまた、二人を警戒するようになる。


「……面倒なことになってきたわね」


「そうですか?」


「ええ。とても」


「でも」


リディアは中庭を見た。


「少し、空気は乾きましたわ」


クラリスは、その横顔を見る。


この子は、学院を良くしたいと思っているのだろうか。


いや、違う。


きっと、そこまで大きなことは考えていない。


ただ目の前の茶器の曇りが気になる。


席札の染みが気になる。


泣いて帰る誰かのお茶が冷めていることが気になる。


その小さな違和感を、放っておけないだけだ。


それが結果として、学院の空気を動かし始めている。


「本当に、あなたは危ないわ」


クラリスは小さく呟いた。


「まあ。今日もですか?」


「今日もよ」


二人が談話室へ向かおうとした時だった。


廊下の向こうから、ヴィオラ・ランスフォードが現れた。


彼女は一瞬ためらったが、二人の前で足を止める。


昨日よりも顔色は良い。


しかし、周囲の視線を気にしているのは明らかだった。


グランヴィル派から距離を置き始めた令嬢。


責任を被せられかけた令嬢。


そして今は、リディアとクラリスの近くに立つ令嬢。


その立場は、決して安全ではない。


「ヴィオラ様」


クラリスが声をかける。


「ごきげんよう」


「ごきげんよう」


ヴィオラは礼をした。


そして、少しだけ迷ったあと、リディアを見る。


「フォルクレア様。昨日は……ありがとうございました」


「わたくしは、あまり何もしておりませんわ」


「いいえ」


ヴィオラは首を横に振った。


「謝る相手を間違えると、汚れが広がるとおっしゃいました。あの言葉が、ずっと残っています」


リディアは、少し困ったように瞬きをした。


「残ってしまいましたか」


「はい」


「では、綺麗に残っているとよろしいのですけれど」


ヴィオラは小さく笑った。


「たぶん、少し痛い形で残っています。でも……必要な痛みだと思います」


クラリスはヴィオラを見る。


この少女も、ほんの少し変わった。


まだ弱い。


まだ怖がっている。


だが、昨日までのように、誰かの文面の中で息を止めてはいない。


「ヴィオラ様」


クラリスは言った。


「今日からしばらく、あなたの周囲は少し騒がしくなるわ」


「はい」


「イザベラ様の派閥に戻るか、距離を置くか。無理に決める必要はない。ただ、署名する紙だけは、必ず自分で読みなさい」


「はい」


「それと、何か書かされたら、写しを取ること」


「写しを」


「ええ。紙はね、持っている人間の味方をすることがあるの」


ヴィオラは頷いた。


「分かりました」


リディアは、にこりとする。


「紙も、きっと喜びますわ」


「紙が?」


「はい。ちゃんと読まれるために書かれた紙は、幸せですもの」


ヴィオラは、少しだけ肩の力を抜いた。


その時、遠くの階段の方から、数人の上級生が歩いてくるのが見えた。


イザベラの取り巻きだった令嬢たちだ。


彼女たちはヴィオラを見て、一瞬だけ足を緩めた。


声はかけない。


近づきもしない。


ただ、距離を取った。


歓迎茶会でイザベラから半歩離れた者たちが、今度はヴィオラからも半歩離れている。


クラリスは、それを見て目を細めた。


社交の半歩は、時に刃より冷たい。


ヴィオラの顔がわずかに強張る。


だが、彼女は逃げなかった。


リディアが、そっと言う。


「ヴィオラ様」


「はい」


「今日は、足元の床が見えておりますわ」


ヴィオラは驚いたようにリディアを見る。


「転びそうになったら、先に床を見ればよろしいと思います」


「……はい」


ヴィオラは、今度はきちんと前を向いた。


上級生たちは、何も言わず通り過ぎていった。


ただ、そのうちの一人が、ほんの小さく呟いた。


「お掃除組」


クラリスの眉が動く。


聞こえないふりをした。


だが、リディアは首を傾げた。


「お掃除組、ですか」


「拾わなくていいわ」


「でも、少し分かりやすいですわね」


「絶対に名乗らないで」


リディアは、残念そうにした。


本気で残念そうにした。


クラリスは頭が痛くなった。


お掃除組。


クラリスは、その言葉を胸の中で転がした。


冗談ではない。


それは、学院に「掃除されるべき汚れがある」と認める名前だ。


助けを求める者には、灯りになる。


けれど、派閥を守る者たちにとっては、秩序を乱す反乱分子の名になる。


名前は、時に噂より重い。


商売でも社交でも、名づけられた瞬間に値がつく。


そして、値がついたものは、買われもすれば、潰されもする。


「……リディア」


「はい」


「その名前は、絶対に自分から使ってはいけないわ」


「なぜですの?」


「掃除される側にとっては、喧嘩を売られているように聞こえるからよ」


「まあ。わたくし、喧嘩は売っておりませんのに」


「あなたが売っていなくても、向こうが値札をつけるの」


リディアは少し考え込んだ。


「では、名前もお値段がつきますのね」


「そうよ」


クラリスは静かに言った。


「だからこそ、扱いを間違えると危ないの」


リディアは、真面目な顔で頷いた。


「分かりました。では、お掃除組とは名乗りません」


「ええ」


「心の中だけにしておきます」


「それもできればやめて」


ヴィオラが、小さく笑った。


さっきまで強張っていた空気が、ほんの少しだけ緩んだ。


その日の午後、噂はさらに形を変えた。


フォルクレア様とベルモンド様は、困っている者の味方らしい。


いや、違う。


あの二人は、嘘をついた者を逃がさないらしい。


いや、違う。


フォルクレア様は匂いで悪意が分かるらしい。


ベルモンド様は紙を見ただけで家格を当てるらしい。


あの二人に相談すれば、綺麗に片づくらしい。


あの二人に近づくと、隠していたことまで片づけられるらしい。


噂は、助けを求める者には灯りになった。


隠したい者には、火になった。


そして、火が向かう先は決まっていた。


その日の放課後。


クラリスは、ベルモンド家の商会から届いた封書を受け取った。


差出人は父の筆跡ではない。


商会の番頭の手でもない。


学院経由で届けられた、正式な照会文書だった。


「……何かしら」


封書を開く前から、クラリスの指先は冷えていた。


頭の中に、父の顔が浮かぶ。


商会の帳場で計算を続ける番頭。


朝早くから荷を運ぶ下働きたち。


茶葉の香りを確かめる母。


ベルモンド商会は、古い貴族から見れば成り上がりの商家だ。


けれどクラリスにとっては、そこにいる一人ひとりの手と声と汗の積み重ねだった。


学院との取引は、金額だけなら大きくない。


けれど、信用は違う。


「王立学院に納めている」


その一言が、どれだけ多くの扉を開けるか、クラリスは知っていた。


逆に言えば。


「王立学院から品質確認を受けた」


その一言が、どれだけ多くの扉を閉じるかも。


それを止められる。


たった一枚の紙で。


クラリスは封を切る前に、紙を見た。


厚い。


冷たい手触り。


ルブラン工房の高級紙ではない。


もっと固く、事務的で、情緒のない紙。


王都商業組合が用いる照会用紙に似ている。


文面を開く。


そこには、短くこう書かれていた。


――ベルモンド商会による学院納入品について、一部品質確認の申し立てがありました。


――当面、次回納入予定の茶葉および紙類について、再審査のため納入手続きを保留いたします。


クラリスは、しばらく黙った。


手紙の最後には、学院購買係の印がある。


形式上は正しい。


だが、唐突すぎる。


そして時期が良すぎる。


学院購買係。


クラリスは、その担当者名を見た瞬間、喉の奥が冷えた。


ハートレイ家の分家筋と同じ姓。


直接の親族かどうかまでは分からない。


けれど、王都の社交界でその姓がどの席に座るか、クラリスは知っている。


ロザリンド・ハートレイは、礼法委員の席を一時的に外された。


だから今度は、別の席から手を伸ばしてきたのだ。


礼法ではなく、購買。


文面ではなく、信用。


綺麗な手袋ではなく、冷たい印で。


クラリスは、封書を握る手に力を入れた。


指先が、わずかに白くなる。


リディアは、その手を見ていた。


「クラリスさん?」


「……何でもないわ」


声が少し硬くなった。


リディアは、封書をじっと見つめる。


「この紙……少し冷たいですわね」


クラリスは笑わなかった。


「そうね」


声は、自分でも驚くほど低かった。


ベルモンド商会は、学院に茶葉や紙類を納めている。


大きな契約ではない。


だが、学院との取引は信用になる。


新興貴族であるベルモンド家にとって、その信用は重い。


それを、止められた。


まだ正式な処分ではない。


再審査。


保留。


品質確認。


どれも丁寧な言葉だ。


けれど、その下にある意図は分かる。


――娘を慎ませろ。


悔しい。


腹立たしい。


そして、少し怖い。


自分がリディアの隣に立ったことで、家に火が飛んだ。


その事実が、喉の奥に苦く残る。


「クラリスさん」


「何?」


「今のお茶は、美味しく飲めなさそうですわね」


クラリスは、少しだけ笑った。


「ええ」


悔しい。


腹立たしい。


そして、少し怖い。


けれど。


リディアは、封書の折り目を指さした。


「この紙、冷たいですけれど」


「ええ」


「少しだけ、誰かが焦って折った跡がありますわ」


クラリスの目が細くなる。


「焦って?」


「はい。端が、ほんの少しずれています。丁寧に見せようとして、急いだ紙です」


クラリスは、封書を改めて見た。


確かに、折り目がわずかにずれている。


きちんとした照会文書としては、珍しいほど小さな乱れ。


担当者が急いだのか。


あるいは、急がされたのか。


冷たい紙。


正式な印。


だが、折り目は焦っている。


誰かが急いだ。


こちらが動く前に、急いで圧力をかけた。


つまり、向こうも余裕がない。


クラリスの胸の奥で、冷えたものが少しずつ熱に変わっていく。


まだ、終わっていない。


まだ、読める。


まだ、返せる。


商売は、信頼を紙にして積み上げるものだ。


誰かが一枚汚せば、全部が傾く。


だからこそ、その汚れがどこから来たのかを、最後まで確かめなければならない。


クラリスは顔を上げた。


「リディア」


「はい」


「次のお掃除は、少し商売臭くなるわ」


リディアは、ぱちりと瞬きをした。


「商売の匂いですか」


「ええ」


クラリスは、封書を丁寧に畳んだ。


「私の家にまで布をかぶせようとするなら、その布の値段を教えてあげないとね」


リディアは、少し考えてから微笑んだ。


「では、次はお値段のお掃除ですわね」


「たぶん違うけれど、だいたい合っているわ」


廊下の窓から、夕方の光が差し込む。


学院の空気は、確かに変わり始めていた。


だが、綺麗になり始めた場所には、別の場所から埃が舞い込む。


礼法委員の白い布は、一時的に取り上げられた。


ならば次は、取引の帳簿と、商会の信用に手が伸びる。


クラリスは、そのことを理解した。


リディアは、封書をじっと見つめていた。


「クラリスさん」


「今度は何?」


「この紙、まだ燃えていませんわ」


「……燃えて?」


「はい。焦げてもいません。ただ、冷たいだけです」


リディアは、穏やかに言った。


「冷たい紙なら、温めれば少し読みやすくなりますものね」


クラリスは、ゆっくりと笑った。


「燃やさない程度にね」


「はい」


夕方の鐘が鳴った。


噂は紅茶より早く広がる。


そして今度は、噂より早く、冷たい紙が届いた。


学院の汚れは、茶会の卓上から、商会の帳簿へ移ろうとしている。


クラリスはそれを見つめ、静かに息を吸った。


ここから先は、リディアだけの掃除ではない。


ベルモンド家の娘としての、自分の戦場だった。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


第7話は、学院に「お掃除」の噂が広がる回でした。


マリアは少しずつ自分の席を取り戻し、ヴィオラも首輪から外れた後の一歩を踏み出そうとしています。

一方で、「お掃除組」という呼び名は、助けを求める人には灯りでも、隠したい人には反乱の合図にも見えます。


そして最後に届いた、ベルモンド商会への照会文書。

ロザリンド側の反撃は、礼法ではなく商会の信用へ向かい始めました。


次回は、クラリスの家と商売に踏み込む回です。

リディアの「汚れを見る目」と、クラリスの「商人の目」が、今度はどこを見抜くのか。


続きも読んでいただけると嬉しいです。

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