16話 原価ゼロ実働1時間で日給の倍稼ぐ方法
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コネなし元手なし身元なし。そんな彼女が頼るものは一つしかありません。ダンジョン生成能力です。
勝利の鍵はみなさんご存知、あの「魔法の粉」です
隠し土蔵を、現地側の拠点にする。
そのために私がまず着手したのは穴から出る方法の確保だ。ここから出られなくなったら終わりだからね。
一応隠し土蔵だけあって棚とか木箱なんかはそれなりにある。それらを壁際に押し付けて足場を作りなんとかよじ登る。
うん、なんとか行けるね。
ただ、流石に外にいる人に気をつけながらよじ登るのは無理そうだ。
なので、ここから顔だけ外に出しても人目につかないように、瓦礫の位置を移動する。それと私がさっと隠れられる場所をいくつか見繕った。これなら、いざという時も臨機応変に対応できそうだ。
さあ、ここからは作戦タイムだ。
拠点の問題は片付いた。そろそろ本格的にこの世界での生き方、金の稼ぎ方を考えていこう。
とはいえ先行きは暗い。何をしようにも、身元不明というハンデがまとわりついてくる。
「宝探しすらアウトなんだもんなぁ」
この場所は隠れ家としては大成功だが、金策としては換金できない以上完全空振りなんだ。
「…本当になんもないのかな?」
諦めきれず、ちょっと家探ししてみる。現金とかがあれば嬉しいんだけどなぁ。
しかし、骨折り損だった。
出てくるのは、掛け軸とか壺とか刀剣とか。美術品ばっかだ。身元不明の私にどう売れっちゅうねん。
あ、有価証券がある!これなら…ってダメだね。名前がバッチリ書いてある。こんなん、出した時点で捕まるね。
着物の切れ端みたいなものもあったんだけど、こっちは見事に土に埋もれちゃってる。これは、掘り出しても換金は無理そう。
くそー!目の前に金になるものがあるのに手が出せないこのもどかしさ。相変わらず神様は私のこと嫌いすぎる。
「あと、確実に金になる方法…、株とか?あと相場関係?」
これらの情報は未来の新聞でバッチリカバーできる。だから、確実に金にはなる。
でも、身元がなく元手もない私が買えるわけがない。為替くらいなら何とかならないかAIさんに聞いてみたが、やっぱり銀行が相手にしてくれないそうだ。
「あとは……まあ、あれだよね。ばくち」
例えば競馬。
これは新聞で勝つ馬はばっちりわかる。株とかと違って、馬券なら身元不明でも買えるだろう。
ただ、なんというか、これは割と禁じ手な気もするんだよなあ…。未来知識でばくちって、完全アウトローじゃん。
じゃあ、宝くじとかどうだろ。それなら少しはセーフな気もするし。そう思って調べてみるも、この時代、ギャンブル禁止ってことで宝くじなかったみたい。
おい!競馬がよくてなんで宝くじがだめなん?!
「うー。思ったよりうまくいかないもんだなあ…」
もう少し、未来知識無双できそうに思ったのに、結構壁は厚い。
未来知識無双と言えば、あとは、商品開発系だろうか?
でも調べた感じ昭和初期って結構いろいろちゃんとあるんだよね…。単純なアイディアだけで金になるなんてものはほぼなくて、結構しっかりとした技術開発ができて初めて実現できるようなものばっかりだ。
飲食系はそれでもまだ活路がありそうではあるが、今の私からレシピを大金で買ってくれるところなんていないだろうし、協力者なんてホイホイ見つかるわけないし、自分で店を開くには元手がなさすぎる。
「やっぱり、ダンジョン生成能力かな」
金なし、コネなし、信用なしの私ができるとしたらこれしかない気もする。
すなわち、ダンジョンで作ったものを売ることだ。これなら、オーバーヒートしないよう量を調節したら、元手なしでも商売ができる。
ただ、何でもホイホイ売っていいかというと、そんなことはない。
ただ服や時計を売るだけであれだけ苦労したんだ。ダンジョンにある商品はどれもこの時代からしたら超未来からのオーパーツである。そんなもん売りさばけるくらい優しい世界なら、私はこんな苦労はしていない。
それにダンジョン由来のものがどうなるか、わからなくて怖いというのもある。
つい一昨日、ダンジョンに充電器を置き忘れたせいで、ひどい目に遭ったばかりだ。また、予想外の事態が起きてさらなる問題を引き起こす可能性は十分ある。
「そうなると、食べ物関係が一番かな。私はアレ食べても何ともないわけだし」
そう考えると方向性は、だいたい決まってくる。
売るとしたら、店を構えるのも卸すのも難しいだろうから、露店になる。
ぱっと見で明らかにおかしい、となるようなものを除く。ビニール包装とか論外だ。
「あと、あんまり騒ぎにならなくて怖くない相手となると…子供かな」
そう考えればおのずと商品は絞られてくる。
まずはこの時代でものを売る感覚を得るためにも、ちょっとした小遣い稼ぎといこうじゃないか。
ということで、準備開始。
まずは売り場のあたりを付ける。できれば、他の露店があんまりないとこがいい。
多分、露店商って、暗黙のルールとかコミニティーがあると思うんだよね。そんなところと揉める展開は勘弁だ。
AIと相談ししてみると、購買層的には公園とか小学校の近くがいいと勧められた。でも多分そこには他の売り手がいる。うーん、どうするかな…。
ま、こういうのは実際のイメージもなくただ考えてても埒が開かないよね。
なので、私はその日いくつか学校近くとか公園とかを回ってみることにした。流石に日本橋近辺で騒ぎになって拠点に帰れなくなると困るので、少し遠出。
なんとね。ついに、この時代の電車に乗ってしまいました!
結構この時代から電車網は発達しているみたいなんだよね。おまけに、市電の場合、どこまで乗っても7銭。使うしかないでしょ。ま、朝方とか馬鹿じゃないのってくらいすし詰めだったから、空いた時間に乗ったけどね。
結構面白かったね。乗ったのは市電なんだけど、これ料金システムはバスのイメージに近い。切符を買うんじゃなくて、車掌さんに支払う感じだった。で、電車なんだけど、床とか天井とか木製なんだよね。椅子まで木製。窓の下にベンチがある姿は現代の電車と同じ感じなんだけど、それが木製となると途端にクラシック!って感じするよね。
あと、現代と違うところとして、この車掌さん、現代ではやらないことも結構いろいろやっているということ。乗客と料金のやり取りはもちろん、ドアの開閉までやってるんだよ。現代で機械でやっているのは全部人力。頭が下がります。
て、ごめん。話がそれたね。
で、露店を開く場所の候補について、小学校近くを少しうろうろしながら探してみました。
確かに学校近く、公園とかは子供たちが結構集まって商売はしやすそうだった。でも、露店を開くにはぺけだね。人目が普通にある。
ほかに子供たちが集まる場所として、神社近くとかも候補地には上がりそう。でもこれもバツ。ネカフェの一件以来、私は神社には近づきたくない病に罹患している。あんな場所に腰を据えて商売とか、いつあの謎の男たちに見つかるかもわかんないもん。論外論外。
一応、人気がない場所もそれなりにはあった。この時代、空き地が結構あるんだけど、中途半端な広さで材木置き場的に使われている場所はねらい目だね。だけど、今度は子供があんまりいない。
あちらが立てばこちらが立たず。もどかしいなあ。
何か作戦を考える必要がありそう。
そして次の日。
前の日一日を下見と計画立案に費やした私は、いよいよ、商売を開始した。
と言っても、いきなり露店を広げたりしない。まずは客引きからだ。
「こんにちわ」
私は公園で遊ぶ小学生と思しき子供たちに声をかけた。
さっきまでチャンバラごっこをしていた男の子たちは、声をかけてきた私に少し戸惑いながらも遊ぶ手を止め、あいさつを返してくる。この時代の子供って礼儀正しいんだね。
「みんなはこの近くの小学生かな?」
「はい。ここにいるのはだいたいそう。たまに、隣町のやつらとか来ることもあるけど」
そう答える子どもの目には、戸惑いと好奇心が灯っている。これが警戒心にならないうちにと、私は考えてあった設定を口にした
「実は、私が務めている店の旦那様から、海外の製品のモニターを探してくるよう頼まれててね」
「もにたー?」
「向こうの言葉で、売り出す前に試してくれるお客さんのこと。
ここら辺の子たちは、味の違いが判る子だって話を聞いて、ちょっと、外国のお菓子を日本で売っていいかどうか、試食してもらいたいんだよね」
そう言って私は荷物から紙コップに入ったお菓子を取り出した。
「なにこれ?この器、紙でできてるの?」
「外国だとこんなの使ってるの?」
あ。そうか。紙コップも珍しいのか。
思わぬところで注目を集めてしまったが、これくらいならちょうどいいかもしれない。周りの子供たちも手を止めて、興味ありげにこっちを見てきている。
その視線を感じながら、私はコップからチョコをひとつかみ取り出して見せる。
「ほら、これが最新のチョコレートだよ」
「えー。ちがうよ」
「チョコレートはそんな丸くないよ。四角いんだよ」
よしよし。いい反応だ。やっぱYoutuberとしては、反応があるのはうれしくなるよね。私はにんまり笑って続ける
「これもチョコなんだよー。ほら。みんなが知ってるチョコとは違って外国産の最新のものだから。さ、いくつかあるから試食してみて」
「え?そんな、チョコレートなんて食べちゃっていいの?」
「お祭りじゃないのに?」
目をぱちぱちしている子供たちに私はチョコを一粒ずつ押し付けていく。
「あ、いいなー」
「私たちも食べたい」
次第に子供たちが集まってくる。私はその子たちにもチョコを配っていく。
ここではお金はとらない。どうせ元手はただなんだ。まずは味を知ってもらうためにも大盤振る舞い(大げさだけど)といこう。
子供たちは、そうやってチョコを受け取ったものの、なかなか食べようとしない。やはり見たこともない物をすぐに口に入れるのは勇気がいるのだろう。
私はコップに最後に残ったチョコを取り出すと、お手本を見せるように食べて見せる。
「ん~、甘い~」
オーバーに美味しがってみせると、好奇心がかったのか、男の子の一人が思い切ってチョコを口の中に放り込んだ。
「ん!!!すごくうまい!」
目をこれ以上開きようがないくらいに大きく見開いて、そう叫んだ。
様子見をしていた子供たちは、その言葉に次々にチョコを食べていく。
「なにこれ!」
「こんなの食べたことない!」
子供たちは口々にそう叫んだあとは、みんな黙り込んで必死に口を動かして味わっている。想像以上に良い食い付きだ。
とはいえ、どんだけ必死に口の中にとどめようとしても、もともとは一口で食べられる小さなグミチョコだ。食べ終わってしまった子供たちは途端に物足りなげな表情を浮かべ始める。
「あ。もう溶けてなくなっちゃった」
「お前、まだ食べないないなら僕にくれよ!」
「やあよ!これはもっとゆっくり食べるの!」
「ねえ、お姉さん!もっと食べたい!」
そういって騒ぎ始める。
流石に、これを放置していくとそのうち大騒ぎに発展してしまいかねない。今のうちに次のステップに進んでしまおう。
「みんな、気に入ってくれたみたいだね。でもごめんね。今日旦那様からもらってきたのはこれしかないの。でも、明日のこの時間にもっともってきてあげるよ」
「ほんとに!」
「やった!」
「あ。ただ、流石にこれ以上ただで配っちゃうと旦那様に怒られちゃうから、次からはちょっとだけお金をもらうけどいいかな」
「え…。やっぱり高いんですか?」
そう不安げに聞いてきた女の子に私は笑顔で答える。子供相手の商売だ。単価を吊り上げてもしょうがない。
「今のお菓子なら、一粒一銭でいいよ」
「よかった!」
「それなら僕でも買えるよ」
「他にもいくつか外国のお菓子を持ってくるね。高いのでも三銭くらいで買えるからみんなお小遣いもってきてね」
「はい!」「わかった!」
さて、ここからが大事なところだ。私はちょっと真剣な顔をして、声を潜める。
「でもね。これは本当は後になってちゃんと大人向けに売り出すものだから、こうやってみんなに先に売っちゃうのは本当はいけないことなの」
「え…。そうなんですか」
「でも、僕、弟にも食べさせてあげたい」
「うん。私も皆に食べてほしい。
だから、できるだけ内緒にしたいんだ。
ほら、この公園から離れた大きな栗の木がある空き地があるでしょ?あそこでコッソリ売りに出すから、大人には内緒だよ?バレちゃうと、もう売りに来れなくなるから。良いね?」
その言葉に、子供たちは目を輝かせた。そして頬を赤くして一生懸命真面目な顔をすると、小さな声で、はい、と声をそろえて応えてくれた。
いつの時代だって、子供たちは秘密の約束が大好きなんだ。
さて次の日。
私は見繕っていた空き地の物陰で今度こそ露店を開いた。
すぐ近くにコンビニが出せる場所で、なおかつ人目の届きにくい場所ということでなかなか条件は厳しかったが、何とかおあつらえ向きの場所を見つけ出せたのだ。
これで、商品を最短距離で持ってこれるうえ、何かあった時にはすぐに逃げ込める。
コンビニはずっと出しっぱなしだと頭痛がしてくるので、場所だけ何度も確認して、スマホでストリートビューを眺めなくてもすぐにピッタリの場所に思い浮かべられるよう練習しておく。これで、臨機応変に対応ができそうだ。
そして、店を開いて待つこと1時間程度、昨日公園にいた子供たちがお小遣いを握り締めてやってきた。
「いらっしゃい。昨日のお菓子だけじゃなくて、いろいろ取り揃えてみたよ」
この紙でできたコップの中に入っているのは、全部一粒一銭。紙の皿に並んでいるのは一個三銭だよ」
商品は、どれも個装をはがしてむき出しの状態で並べている。紙コップに入れているのは、昨日のチョコのほか、飴とグミ、紙皿にはチョコパイと〇ッピーターンを並べている。これらすべて、元手ゼロ円。ダンジョン生成能力様様だ。
子供たちは目をキラキラとさせると歓声の声を上げる。
「あ、静かにね!大人に見つかったら売れなくなっちゃう!」
そういうと、子供たちははっとした顔をして口をふさぐ。
こんなことで、本当に真剣な顔をしているから、なんだか本当にほほえましい。
「あ、あの、子供だったら、おしえちゃってもいいですか?友達にも食べてもらいたくて」
「それなら勿論OK!」
「おーけー?」
「あ、大丈夫ってこと。どんどん教えてあげて。ただ、私がここで店を開いていることは絶対大人に内緒ってのはちゃんと伝えておいてね」
「わかりました!」
その返事を聞くやいなや何人かがパッと駆け出していく。きっと友達に大急ぎで知らせに行ったのだろう。良いことだ。何せ子供のお小遣いなんてたかが知れている。頭数は多ければ多いほどいい。
残った子供たちは見慣れないお菓子を必死に見比べて、どれを買うか相談しあっている。
まずは手堅く美味しいとわかっているチョコを買いつつ様子を見る子、チャレンジャー魂で見慣れないグミに手を出す子、安いものを一個ずつ買って行く子、様々だ。
でも、何を買った子であっても、その反応は本当に最高だ。
「グニグニしてる!面白い、これ!」
「見て見て!これ光にかざすととってもきれい!」
これがグミを買った子たちの反応。かなり人気があるみたいだね。あっという間に用意していた分は空になってしまった。
一方〇ッピーターンは、始めはせんべいと思われて人気がなかったが、一度口にした途端みんな目をむいて黙って必死にかぶりついている。食べきったら残りかすの付いた手を必死でぺろぺろ舐める始末だ。興奮度は一番高いかもしれない。
やっぱり未知の味はかなり子供心に刺さるみたいね。
飴やチョコパイなんかも大喜びだ。この時代にもある食品ってことでモノ自体への驚きはそこまでないのだろうけど、味の方は段違いだ。甘い味をずっと味わうかのようにゆっくりゆっくり食べている。
それにしても、みんなすごい興奮してるな。
静かにって言ってるのにすぐに大きな声を出し始める。ここら辺が子供相手の商売で難しいところだね。
おかげでというかなんというか、子供が子供を呼び、あっという間に大繁盛。並べていたお菓子はすぐになくなってしまった。
「ごめんね。今日は商品がなくなったしここまで」
「えー!」
「僕もあのせんべいみたいなやつ食べたかった!」
「今度はいつ来てくれるんですか?」
ボルテージがすっかり上がり切ってしまった子たちを必死でなだめる。流石に声が大きすぎる。そろそろ本気で危なそうだ。
「そうだね。じゃあ、一週間後に」
「えー!そんなに先?!」
「やだー!もっと早くがいい!」
「わかった、わかったから。じゃあ三日後にまた来るから。ね。だから落ち着いて」
そういって何とか納得をしてもらうと、私は早々に片付けをするとその場を後にした。
念のためちょっとコンビニに隠れておこう。子供たちがしっかりはけないうちは危ないかもだからね。
で、その場で今日の成果を確認だ。
「わー、小銭が大量!これはだいぶ良い線言ったんじゃない?」
全部一銭玉なので計算が大変だが、何とか集計をしていくと、なんと300枚とちょっと。つまり、三円稼げたということになる。いきなり私の所持金の半分が稼げてしまった。
確か、この時代の日雇いでの給料は一円とかで、行っても一円五十銭くらいだった。それが一時間そこらでその倍以上の稼ぎを得られた計算になる。
「しかも、これ原価ゼロでしょ?ウハウハじゃん!」
勿論、下見のための交通費とか準備にかける時間、大人たちに見つかるリスクとかを考えるとぼろもうけってわけじゃない。チートというには少々しょぼいかもしれない。
しかし、安定して稼げるなら、今後の算段はだいぶ見えてくる。少なくとも、あっという間に資金が尽きてダンジョン作れなくなった時点で即死みたいな状況に陥ることはなくなる。
「よし。一旦これで稼いでいこう」
同じ場所で何回も店を出すのは多分リスクが高いだろうし、何か所か同じような商売を行っていきながらそれをローテーションする感じになるだろう。手間はかかるが、それを繰り返していけばいざというときのためのまとまったお金も溜められそうだ。
衣食住を基本ダンジョンで賄える私は出費が少ない。それだけで多分一息つける。
「そうしたら、もっと本格的に企画を考えていろいろ動画投稿しなくちゃね」
生きるのに必死で、自分の動画の反応をちゃんと見れていない。それに撮りためているちょっとした動画もそれなりにたまってきている。おちついたタイミングでそれらをいい感じにまとめてみるのもいいかもしれない。
「せっかく過去に来たんだし、ゆっくり旅行するのもあり?あ、そうだ。店長まだ心配しているかもだし、一応、かるーく連絡入れとく?一応。一応ね」
やりたいことが次から次に浮かんでくる。
気持ちが沸き立ってきているのを実感する。
ま、そんなことより、だ。余裕ができたらまずやるべきことがあったよね。
「改めて冴子さんに会いに行って、お礼がてらゆっくりお話ししたいな」
きっと冴子さんのことだ。なんだかんだ心配をかけているだろう。
安心してもらうためにも、こちらの世界で私がやっていけてるのをちゃんと伝えておこう。
そんな未来を思い浮かべれば、自然と笑顔がこみあげてくる。
未来。そう、未来だ。
私はようやくこの世界で、未来を思い浮かべらえるようになったんだ。
私は、ここで、生きていける。
その実感が私の心をじんわりと温めていった。
お読みいただきありがとうございました。
使いづらかったダンジョン生成能力ですが、ようやくチートとして面目躍如を果たしました!
三円と言われてもピンとこないかもしれませんが、例えば当時のエリートである大卒サラリーマンの初任給が五十円です。これを考えると、一時間で三円を稼ぐことのすごさ、わかっていただけますでしょうか。
しかし、その成功は強烈な毒と引き換えです。
彼女はまだ「未来」のもつ恐ろしさを理解していませんでした。次回、陽菜はそれを思い知ることになります。
「陽菜、うまいな!」「ハッピー○ーンなら仕方ない」と思っていただけましたら、ブックマークや下部の【☆☆☆☆☆】(評価)で応援いただけると、とても嬉しいです!




