掃除
ガリムの索敵を頼りにダンジョンに足を踏み入れた三人はその異様な光景に目を見開いた。
「すごい、入ってすぐこんなに広い領地を展開できるなんてかなり力のある魔王様だったのですね。」
遠くに建つ城はもちろん、広大な城下町が広がる様にアルトは感嘆した。これだけの景色を具現化させるには相当な魔力が必要だからだ。
「感心している暇は無いぞ。生きているか分からないが早く冒険者たちを探そう。」
「よし、こっちだ。着いてこい。」
ゴブリンの索敵を頼りに周囲の警戒をしつつ先頭に立つガリム。戦闘を回避するためにアンデッドがいない道を進んでいく。
「それにしてもなんで今までアンデッドが外に出てこなかったんでしょうか?」
「恐らくここを管理していた守護獣がおかしくなったんだろう。魔王がいなくなって長い孤独の中に閉じ込められたら気が狂うのも仕方ない。それだけ魔王と守護獣は強く結ばれているからな。」
「たしかに私とご主人様は硬く結ばれていますから納得です!」
レクスの説明を都合よく解釈して笑顔になるアルトだが、一方でガリムの顔色は悪くなった。
「まずいな、どの道を進んでもここから先はアンデッドだらけだ。どうする?」
「やるしかないでしょうね。ここは任せてください。」
ガリムの言う通り少し進むと城下町の住人を模したアンデッド達がこちらに歩いていた。レクスはそれを確認すると右手を前に突き出して魔力を練る。
「こんなところに囚われて哀れな奴らだな。せめて一瞬で仕留めてやる。」
そう言うとレクスの周りに炎の槍が複数顕現し、アンデッドに向かって一直線に飛んでいく。
炎の槍の直撃を受けたアンデッドはその身を貫かれて、傷口を広げていくように燃えて灰になると風に吹かれて消えていった。
「こんな低位のアンデッドなら何百体押し寄せてきても余裕だな。」
「何百って、簡単にそう言い退けるお前が異常だって理解してるか?」
「まあまあ、この程度なら余裕です。アンデッドを避けるのではなく全て倒して城下を綺麗にしてやりましょう。」




