最弱
ミリアがフェンリルを召喚したことに内心かなり驚いていたがそれと同時にレクスは心が踊るのがわかった。次席の彼女が神獣を召喚したのだ。首席の自分は一体どんなものを呼び出せてしまうのか。次第にレクスはそのことしか考えられず宝玉から目線が外せなかった。
「先生、次は僕が召喚します。」
教師の返事も待たずに宝玉に触れ魔力を流し出したレクス。召喚に難しい手順も無いため教師は彼を止めなかった。いや、神獣を目にした驚きに止める余裕がなかった。
「さあ!俺も神獣か!?悪魔か!?なんならドラゴンでもいい!学園首席の俺なら何を召喚しても最強なのは確実だ!!」
「なによこの魔力量は!?レクスはここまで膨大な魔力を持っていたの!?」
「ハッハッハ!ミリアは知らなかったか!レクスの魔力量は学園が創立されてから十の指に入るほどだからな!」
何も考えずに全力で魔力を流し続け、宝玉に見入っているレクスには二人の声は全く聞こえていなかった。そんなレクスに呼応するかのように宝玉にも変化が現れる。レクスの魔力を吸い続け、怪しく鈍い光を放ったかと思えば突然召喚の間から宝玉以外の全ての光が消えた。
「なんだこれは!?」
「何が起こっているの!?」
召喚の間にいた人は皆戸惑っていた。何度も召喚に立ち会ってきた教師ですら何が起こっているのか理解出来ずにいた。ただ一人、慌てふためくこともなく一心に宝玉を見つめていたレクス。彼だけはこれから起こることがなんとなく理解出来た。
「来い!俺の最強の召喚獣よ!」
鈍い光から眩い光に変わり誰の例外もなく目を覆う。レクスも自分から魔力が吸われる感覚が無くなり、召喚が終わったことに気付いた。次第に宝玉の光が弱くなり召喚の間の明かりも元に戻った頃皆が目を開け、フェンリルとは違う衝撃を受けることになった。
「おいおい、これはなんの冗談だよ……」
レクスの目の前には直径十五センチ程の水色の塊が台座の上でプルプルと揺れていた。それは誰もが知る存在であり、それ故に誰もが目を疑っていた。
「アッハッハッハ!レクス、あなたスライムなんか召喚してこれからどうして行くって言うのよ!あ、ダメお腹痛い。フフッ。」
ミリアの大笑いにより皆が正気を取り戻していく中レクスだけは熱心に目の前のスライムを観察していた。自分が召喚したスライムがただの最弱の魔物なわけが無いと思ったからだ。
「なあ、お前、実は言葉が話せたりとかそういう特殊な技能を持ってたりしないのか……?」
どれだけ観察してもただのスライム。撫でても指で突いてみてもただのスライム。もちろん話しかけても返事は無い。やはりただのスライムである。
「まさかレクスの召喚獣がスライムとはな。いやいや相変わらず予測ができない男だな!」
イグニのその声にようやく悟った。否、現実を突き付けられた。自分は最弱の召喚獣を手に入れたのだと。
今日の分書くの忘れてて1時間前に急いで書きました
誤字脱字等あったら申し訳
ちなみにこのスライム、ほんとにただのスライムです




