突風
ミリアが召喚します
三人が話し込んでいる間も他の生徒による召喚は行われている。部屋の中央にある台座にはめ込まれた宝玉に触れて魔力を流すだけなのだから時間がかかるものでは無いのだ。しかし、三人が話している間スムーズに進んでいるのは集まった他の生徒たちが何も召喚できなかったからである。
「それではミリア、宝玉に触れてください。」
「じゃ、先に行ってくるわね。私の伝説の1歩目をそこでしっかり目に焼き付けておきなさいよ!」
教師に促され前へ出るミリア。彼女の顔にはいつも通り自信が浮かんでいたが、それと同時に不安も見え隠れしている。
「いいから召喚してくれないと俺の番が遅れる。なんなら召喚できなくてもいいぞ。その方が早い。」
「こんな時までアンタは、黙って見てなさい!」
目敏くミリアの異変に気付いたレクスの軽口に対していつもの調子で返すミリア。そのおかげか不安が少し軽くなったようだ。
宝玉に触れ魔力を流す。ミリアの魔力に反応して光り輝く宝玉に他の生徒たちとは違う異変が起きた。ミリアと宝玉を中心にエメラルドグリーンの突風の渦が吹き荒れ、周りの生徒は飛ばされないように姿勢を低くするしかない。対してミリアは風の中心のせいか綺麗な髪を揺らすだけに留まる。
周りが目も開けられない程風の勢いが強まった瞬間ミリアの傍から力強く恐ろしい遠吠えが聞こえた。
「伏せ」
ミリアの短いながらも有無を言わせないその言葉に召喚の間に充満していた風が霧散した。そこには床に手を着く生徒と教師、そして見上げるほど大きく、ため息が出るほど美しい白い毛並みの狼が佇んでいた。
「私の得意属性は風。神話世界のフェンリルを従えるなんて決まっていた運命かしら。にしても大きいわね、撫でやすい大きさになれないのかしら?」
主人の声に応じるためフェンリルはミリアの腰の高さくらいまで姿を縮めた。
無事召喚できた喜びと思いがけない大物を呼び出せた興奮から彼女の頬は薄ら赤く染まる。そして確信していた。この瞬間に学園首席と次席の力の差は逆転したことを。
「さあ、レクス。あなたはどんな魔物を召喚するのかしら?」
フェンリルの毛並みを堪能しつつ、勝ち誇った態度で挑発するミリアの言葉にようやく立ち上がるレクス。
「神獣を召喚するなんてなかなかやるじゃないか。だが見ていろ!学園首席は伊達じゃない!」
実は毎日1話ずつ19時に予約投稿してます
2時間ほどで最初の3話分書いて予約投稿して余裕あるからしばらく書かなくていいや〜
なんて思ってたらストック切れ当日の12時過ぎになってました
時間の流れる速度遅くしてくれないかな




