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首席魔王の召喚獣は最弱の種族  作者: 成れの果て
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静けさ

「ドルムル様、冒険者による調査の結果が出ました。信じ難いのですが魔王がいなくなったダンジョンがまだ機能しているようなのです。」


「ダンジョンですか、これは厄介ですね。冒険者の手に余るようなら魔王様方のお力を借りるかもしれません。その旨を伝える連絡をお願いします。」


「かしこまりました。」


ドルムルの指示でアンデッドが出現した事件の調査が進められていたが原因が判明した。魔王が引退する時にダンジョンは封鎖し、崩壊させるのが通常だが、今回発見されたのは魔王不在で活動しているダンジョンだ。


良識ある魔王の統制の下だからこそヒトと魔族はダンジョンを通じて交流できている。秩序が存在せず、ダンジョンの外にまで影響を及ぼすとなればすぐに対処しなければならない。


「何事もなく終わってくれると嬉しいんですが、そう簡単では無いでしょうね。」


愚痴と一緒に溜息をこぼしたドルムルが今できるのは届いた報告書に目を通すことしか無かった。





「ご主人様!久しぶりに二人っきりですね!」


「そうだな。最近イグニとガリム先輩とずっと一緒にいたからな。」


水属性の上級魔法を習得した翌日、レクスとアルトは二人だけで街を散策していた。イグニはそろそろ自分のダンジョンに帰ると言い、最後に一人で街を見て回るつもりのようだ。


ガリムは領主ドルムルから要請を受けて自らのダンジョンで仕事をするため不在だ。突然一人になった気分のレクスにすかさずアルトがアプローチをしたのだった。


決闘前にガリムによって中断された街の散策の続きをするために宛もなく歩いているだけだがアルトはとてもご機嫌な様子だ。


「なあ、歩いてるだけで何がそんなに楽しいんだ?」


「ご主人様と二人で出かけているだけで私はとても楽しいですよ。」


「そういうものか?不思議なやつだな。」


「そういうものなのです!」


並んで歩く姿は主人とメイドだが、アルトがレクスの腕を組んで歩き出した。魔王と守護獣が仲睦まじく歩いている姿は傍から見れば恋人と勘違いされてもおかしくは無い。


二人だけの休日を過ごしてアルトは満足だが、静かなこの時間は悪くないとレクスも感じていた。

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