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首席魔王の召喚獣は最弱の種族  作者: 成れの果て
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馴染みの二人

ミリアはイグニと別れ、既に自分のダンジョンに転移して戻っていた。レクス同様ダンジョンに侵入出来ない部屋を造り、普段はそこで体を休ませている。


「流石にスライムなんか召喚しても学園首席ってわけね。あの魔法は脅威だわ。」


レクスが見せた炎の上級魔法はもちろんミリアも使用できる。しかし五つもの炎の渦をコントロールすることは難しかった。終盤のアルトの分裂はもちろんだが、あの決闘の勝利の鍵は間違いなくレクス自身の能力による物だと考えていた。


「はぁ、魔王同士の決闘をするとなればあの力は厄介ね。それでも私が勝たせてもらうけど。」


一人で呟くとその場に風が集まり、その中心から一匹の狼が現れた。


「我が主よ、帰還していたのなら呼んでくれないと困る。何かあってからでは手遅れなのだからな。」


「何かあるわけないでしょ。あなたが護るこのダンジョンは最強なのだから。」


そう言うと近くに寄ってきたフェンリルの毛並みを楽しむために手を伸ばす。召喚されたとき同様今は小さくなっているため部屋に現れても窮屈さを感じさせていない。


「魔王の決闘はどうだったのだ?一人は主の知り合いだったそうだが。」


「少しは楽しめたわよ。いつか戦う時が来ても今の私たちなら余裕で勝てる相手ね。」


「油断はしない方がいい。あの場に我もいたがあの魔王に呼び出された時点でただの矮小で無力なスライムでは無くなったのだ。」


「あなたがそこまで言うなら気には留めておくわ。確かにスライムにしては異質だったのは認めるし。」


ミリアは以前のレクスと同じくプライドが高い人物だったが、目の前の守護獣の言葉は無視していいものでは無いと感じていた。百戦錬磨の魔物が注意を促すなら用心するべきなのだろう。


「でも今はそんなこと考える必要は無いわ。新しい侵入者のお出ましよ。」


フェンリルを撫でる手をその美しい毛並みから離して指示を出す。


「行ってきなさい。狩りの時間よ。」


フェンリルは主の指示を聞くと現れた時と同じく風を纏うと最初からその場にいなかったかのように消えた。







「よう!レクス!!いい勝負だったな!お疲れさん!」


「イグニ!?来てたのか!久しぶりだな!」


魔王ガリムとの決闘を終え、心地良い疲労感を覚えてダンジョンに帰ろうとするレクスはイグニと出会った。


「お前が決闘をすると聞いてな!さっきまでミリアもいて二人で観戦させてもらったぞ!」


「さっきまでってことはミリアはもう帰ったのか。あの上級魔法の自慢でもしてやりたかったんだかな。」


「ハッハッハ!相変わらず仲がいいな!」


「そんなことない。気に食わないから俺の方が上だって理解させてやりたいだけだ。」


イグニはミリアとレクスの仲が悪いのが不思議でしょうがなかった。どちらかがあと一歩歩み寄れば互いに研鑽し合う良きライバルになれるのに勿体ないとさえ感じていた。


「まあその話はいいだろう。まだ残ってるってことはしばらくピリンキに留まるんだろう?」


「そのつもりだ。踊る子馬亭という宿にしばらく泊まるから何かあれば訪ねてくれ!」


「あそこか、俺もこの街に来て最初に泊まった宿だから場所はわかるし丁度いいな。」


ピリンキに辿り着いた日が既に遠く昔のように懐かしんでいるレクスにイグニが声をかけて現実に引き戻す。


「おい、ぼーっとしてるぞ。今日は宿に戻るからレクスも休んだらどうだ?」


「そうだな。何かあれば連絡をくれ。それじゃあまたな。」


レクスは転移で早々にダンジョンに戻ってしまったがイグニはそういう訳にも行かない。


「歩くのは嫌いでは無いが目の前で一人転移で帰られると少しずるい気がしてならんな!ハッハッハ!」


レクスがいなくなっても大きな声で独り言を言うイグニは周りの住民から不審な目で見られたが本人はそんなことに気づかず宿に向かって歩き出した。

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