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首席魔王の召喚獣は最弱の種族  作者: 成れの果て
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死ぬほどの

物凄い勢いでアルトに向かって突き進むゴブリンロードを魔法や自らの身体で止めようとするが、魔法は避けられスライムは殴り飛ばされて全く妨害できていなかった。


「さすがにまずいですね。」


油断はしていなかった。しかし、アルトの想定よりもゴブリンロードの突破力が高いせいで傷を負わせるどころが足止めすら難しい状況である。


「オレ!ダレニモ、トメラレナイ!!」


ゴブリンロードの叫びと同時に配下のゴブリン達も雄叫びを上げ、更にその勢いを増していた。


「眷属召喚も眷属を分裂させても手が足りませんね。なら奥の手を披露しましょう!全員死力を尽くして時間を稼ぎなさい!」


迫り来るゴブリンを止めるべくアルトも眷属を鼓舞しつつ数歩後ろに下がる。するとメイド服を着た少女の姿は消え、代わりに水色のスライムがそこに佇んでいた。


アルトがスライムの姿に戻る間もゴブリン達の猛攻が止むことはなかったが女王の命令に従い、必死に時間を稼いでいた。


一匹が飛び上がって体当たりを繰り出すと素早く丸太のような腕に殴り飛ばされるが、その瞬間に頭を狙って魔法を放つ。ゴブリンロードが屈んでそれを交わすとまた他のスライムが顔に体当たりを繰り出す。


とにかく倒すことより相手に時間を使わせることに徹底したお陰でアルトの奥の手は発動された。


「「ふぅ、分裂成功!それにしても戦場にメイド服って違和感がすごいですね。」」


スライムの姿に戻ったアルトは周りの眷属に紛れて自らも分裂をしたのだ。一つの細胞が二つに増殖するかのように分かれ、それらがメイド服を着た水色の少女の姿になり、ゴブリンロードの目の前に現れた。


「「さ〜て、ここからはこちらが攻めさせてもらいます!」」


二人のアルトがフレイムスライムを召喚していく。いつもの二倍の速度で召喚されるスライムは更に分裂を繰り返して、最深部に辿り着いた時と比べて僅かに少ない程度まで数を回復させた。


「あなたのフィジカルはかなり高いです。わたし達では格闘戦になればまず勝てないでしょう。」


「なので最大火力の魔法であなたを攻撃させてもらいます。卑怯なんて言わないでくださいね?」


二人のアルトは続けて言葉を紡いだ。突然二人アルトが現れてギョッとしたゴブリンロードは後ろに飛び退き、二人の話をほとんど聞いておらずただ睨み付けていた。


「フエテモ、オナジ!タタキ、ツブス!」


言い終わると雄叫びを上げてアルト目掛けて突進を始めた。配下のゴブリンもそれに続いて迫り来る。


「残念ですがそうはなりません。」


「フレイムスライム!全員魔法の用意!私たちに合わせなさい!」


二人の命令に従い眷属召喚と分裂によって増えたフレイムスライムが一斉に光り出す。ダンジョンの中で生まれたその光は神々しささえ感じるほど眩い輝きを放つ。


「「魔法レクス様の守護獣アルトが命じる。全てを飲み込み全てを灰燼に帰せ!炎渦!!」」


二人のアルトによって生み出された二つの炎の渦は重なって更に大きなものになり、それに向けてフレイムスライムたちが炎の槍を放った。それは渦の流れに沿って回り、ゴブリンの体を貫いても回転が止まることは無かった。


「グゥオオオオオオオ!!!!」


ゴブリンロードは渦に飲み込まれその中を無数に流れる炎の槍に刺し貫かれた痛みと熱に苦悶の叫びを上げた。その中から抜け出そうと藻掻くがそれは叶わない。その身が灰になるまで炎渦の発動は終わらず、アルトはそれをただ眺めていた。


「やはりご主人様の魔法には遠くお呼びませんね。」


「いつか本気の魔法を受けてみたいです。文字通り死ぬほどの快感が得られそうです。」


二人は顔を見合せてニヤリと笑い、既に灰に変わったゴブリンロードのことなど頭の片隅にも存在していなかった。

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