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首席魔王の召喚獣は最弱の種族  作者: 成れの果て
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開会

決闘当日、ピリンキのほとんどの住人が冒険区に集まっていた。冒険者たちはダンジョンに潜るのをやめ、武器や防具を売る者たちも店に戸締りをして皆がこの決闘に注目していた。


「さあさあ!どっちが勝つか予想していきなー!魔王同士の決闘なのに賭けないやつはいないよなー!?」


「ご主人様、あれは何をしているのですか?」


「俺とガリム先輩のどっちが勝つか金を賭けて予想してるんだよ。」


「なるほど、なら私も参加してきますね!もちろん勝つのはレクス様ですから!」


「行くな、恥ずかしい。」


はぁ、とため息をついて額に手を当てるレクス。そもそも当事者が賭けることはできない。そしてアルトは当事者の一人なのだ。賭けに参加したくてもできないのが目に見えていた。


「これはこれはレクス様。調子の方は如何ですかな?」


「悪くは無いですよ。ロバートさんの方は絶好調に見えるけど。」


「ホッホッ、魔王同士の決闘は我々にとって一大イベントですからな!盛大に盛り上げてガッポガッポですぞ!」


ご機嫌に笑うロバートの言う通り、今日のために作られた出店がたくさん並んでおり、決闘を中継する水晶の映像を見るためのステージも仮説されていた。そのほとんどをロバートの商会が出資しており、今では彼がピリンキで一番の商人と呼んでも過言では無いだろう。


「それではレクス様、ご武運を。」


「ああ、ありがとう。さて、俺達もそろそろ行こうか。」


ロバートが去った後、レクスはアルトを伴って開会式が行われる壇上に向かった。今日はどうせ沢山のヒトの目に晒されるためアルトは変装しておらず、辿り着くまでに何人ものヒトに応援されていた。


「アルトちゃん頑張れよー!」


「制服もいいけどメイド姿も素敵!」


「こっち向いてー!」


アルトの姿を晒すのはツバキと闘って以来だが、その人気は未だに絶大でおうえんもくてきかと思えば単純にその姿を観たいだけの者までいた。そんなヒトの歓声に背中を押されながら壇上に向かうと既に魔王ガリムとピリンキの領主ドルムルがいた。


「魔王レクス様、お久しぶりです。魔王ガリムさま同様、本日はご健闘をお祈りしております。」


「お久しぶりです。期待に応えられるようがんばります。」


ドルムルと短く挨拶を済ませるとガリムも近付いてきた。


「逃げずにここまで来たことは褒めてやろう。その余裕が長く続けばいいけどな。」


「ガリム先輩、もしかして心配してくれてるのですか?敵を思いやるなんて優しい方ですね。」


「お二人ともお揃いですので開会させていただきます。どうぞこちらへ。」


嫌味に対して嫌味で返すとガリムのこめかみに血管が薄ら浮出すがドルムルが制止したおかげで爆発せずに済んだ。


「ピリンキの町に住む皆よ。今日は魔王同士の決闘が行なわれるためこのような催しをさせてもらった!魔王様方への感謝を忘れずに、存分に楽しんでくれ!ここに魔王ガリム様と魔王レクス様の決闘を開会とする!」


ドルムルの開会宣言を受けて民衆が一斉に歓声を上げた。それは地面を揺らしているのではないかと錯覚するほどで、壇上にいたレクスとガルムはその勢いに内心驚いた。


開会宣言の後二人の魔王はそれぞれのダンジョンまで馬車で送られ、正午になるのを待機していた。レクスはダンジョン内のスライムの配置を確認し、アルトはダンジョンの入口からすぐの場所で開始の時を待っていた。


『アルト、聞こえるか?』


「ご主人様!バッチリ聞こえてます!」


『そうか、それなら良かった。俺は奥の部屋でゆっくり待たせてもらうからサクッと終わらせてこい。何かあれば今みたいに念話で知らせろ。』


「はい!かしこまりました!アルトにお任せ下さい!」


フンッと鼻から息を吐き出し、気合い充分といったアルトは既に各種スライムを召喚し、戦闘準備は終わっていた。そしてレクスとの約束である上級魔法の件を忘れていないため、出来るだけ早く終わらせようと気合いが入っていた。


時刻は正午。太陽が一番高い位置に登った時、アルトは自らの守護するダンジョンとガリムのダンジョンが繋がったことを感じ取った。


「さあ行きなさい!」


アルトの指示に従い、スライムたちが一斉に外に飛び出して行った。それに続いてアルトも歩みを進める。魔王の決闘がついに始まったのだ。

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