召喚の裏側
持病が悪化して数日更新出来ませんでした
今日からまたよろしくお願いします!
上級魔法の炎渦を受けたアルトは無事に上級炎属性魔法と耐性を手に入れることに成功した。
「ご主人様!もう一回だけでいいですから!お願いします!」
「もう使えるし耐性も獲得したんだ。これ以上は無駄だろ。」
「使えませんし耐性もまだだと思います!」
「嘘をつくな、ステータス見るぞ。」
魔王は召喚獣のステータスをいつでも確認する事が出来るため、ステータスについて隠し事をするのは不可能であった。それでも膨れっ面で駄々を捏ね続けるアルトに参ったのか、レクスは代案を思いついた。
「よし、それじゃあ明日の決闘に勝利したら炎渦と他の属性の上級魔法を見せてやる。それで我慢しろ。」
「本当ですか!?約束ですよ!!」
見開いた目は、キラキラと輝いているような錯覚をするほど嬉しそうにするアルトにレクスはほっとした。いつまでも我儘を言われ続けて相手をするのに疲れていたのだ。
「とりあえずこれでアルトの攻撃力はかなり上がったな。本当にDランクダンジョンの守護獣のステータスではなくなってしまったが。」
「強くなるのはいいことです!魔物は強い者が偉いんですからね!」
キリッとした顔で弱肉強食宣言をするアルトに、レクスはふと浮かんだ疑問をぶつけてみた。
「そういえば魔王よりも強い魔物を召喚した場合、そいつらはなんで魔王に従うんだろうな。知ってるか?」
今では優秀な学園の生徒は当たり前のように魔物を召喚し、ダンジョンを創っているが魔王と召喚獣の間の細かいシステムなどは不明なのである。
「う〜ん、魔物側も主を選ぶことは出来るのでなにか惹かれる物があったからじゃないでしょうか?」
「惹かれる物か……」
「あとは相性ですかね。レクス様は膨大な魔力を持っているので大変な騒ぎになっていたんですから!」
「そうなのか?アルトが呼び出される前のそっち側のことは何も知らないんだ。」
「それはもう凄かったですよ?色んな種類の魔物が我先にと召喚に応じようとしたせいでとんでもない争いになってたんですから!」
アルトの話を聞いてレクスは驚いた。今でこそアルトはスライムの枠を超えた強力な魔物だが、最初は何の変哲もないただのスライムだった。そんなアルトが何故争いに勝てたのか興味が湧いた。
「それで?どうやってその争いに勝ったんだ?」
「私は勝ってませんよ。だって最弱のスライムですからね。一歩間違えたらぺしゃんこです。」
「ちょっと待て。尚更分からなくなったんだが、それならどうしてアルトが召喚に応じたんだ?」
「ふふん。みんなが喧嘩してる間にそっと抜け出してこっちに来ました!」
胸を張って誇らしげな顔で説明してくれた。実はアルトには特別な力が宿っているのでは無いかと少し期待していたため、レクスは肩を落とした。
「なんだそれ……でも俺はお前が呼び出せて良かったと心から思ってるよ。」
「ご主人様……!」
珍しく素直なレクスにアルトは驚いたが、レクスはそんなことには気づかない様子で部屋の作りを通常通りに戻した。
「さあ、明日に備えて休むとするか。」
「ご主人様、その前に一つお願いがあります!」
「なんだ?上級魔法は明日勝ったらの約束だぞ。」
「いえ、私で良かったともう一回聞かせてください!」
「寝ろ。」




