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首席魔王の召喚獣は最弱の種族  作者: 成れの果て
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上級魔法

ダンジョンに戻り、学園に決闘についていくつか質問を終えたレクスは明日の作戦を練ることになった。


「概ねルールなんかは理解できたがお互いのダンジョンに直接殴り込む訳には行かないのが面倒だな。」


ダンジョンを繋ぐ結界はその中間にランダムに決められたフィールドが生成され、まずはそこで勝利を掴まなければ相手のダンジョンに侵入することはできないのである。ここで勝てなければ攻めることはできず、防衛に専念する羽目になる。


「こちらに理がある地形になればいいですが相手の魔物が分からない以上対策を練るのは難しそうですね。」


今はダンジョンの中にいるため名付け直後の人型に戻ったアルトだが、メイド服を気に入ったのかここでもメイド姿で控えている。


「まあこちらができることは限られているし防衛について考えるのが妥当なところだろう。今のうちに眷属召喚でスライム達を増やしてくれ。それとやられた分だけ分裂して数を補うように指示を出しておけ。」


「かしこまりました!他には何かございますか?」


「体力が多いロックスライムを多めに頼む。そいつらにタンクをさせて他のスライムで攻撃させるのが最善だろうな。」


「なるほど。かしこまりました!」


レクスの指示を聞き、ダンジョン各所にスライムを配置するためアルトは動き出した。今まではランクが低いためそれに見合う冒険者が侵入するため手を抜いていたが相手は自分よりも多少経験を積んでいる魔王なのだ。手加減をする必要は無いだろう。


「ダンジョンの守りが抜かれることは無いだろうし、本番は敵地に侵入した後になりそうだな。」


レクスはダンジョンに篭っていたため他のダンジョンの情報を全く持っていないのに対し、ガリムはレクスの噂を聞いたことがあるような口ぶりだった。ある程度こちらの手の内を知られているのは確かだろう。


「とは言え、今できることはほんとに無いな……いやあるか。アルトが帰ってきたら喜ぶだろうな。」


そう言うとツバキとアルトが戦った部屋に行き、アルトの帰りを待つことにした。その間に上級魔法を放つため部屋の造りを五十メートル四方の部屋にし、端まで見通せるように明るくした。十分程で戻ったアルトは構造が変わったこと、レクスがそこにいることに驚いた。


「ご主人様?こんなところで何をしているのですか?」


「喜べ。今からお前に上級魔法を見せてやろう。しっかり耐えろよ?」


「わぁ!ほんとですか!?さあどうぞ!お願いします!」


プレゼントを貰った子供のように目をキラキラと輝かせて頬を赤く染めるアルトだが、重心を低く落として腕を胸の前で交差させて完璧に受け切る構えを取った。


「手加減は必要か?」


「不要です!それより早くお願いします!!」


不敵に笑うレクスにもう待ちきれないと催促するアルト。その返事を聞いてレクスはより一層笑みを深めた。久しぶりに上級魔法を放つ彼自身もワクワクしていたのだ。


「いい返事だな。我、魔王レクスが命じる。全てを飲み込み全てを灰燼に帰せ。炎渦」


レクスの詠唱に応え、彼の頭上に巨大な炎の奔流が現れた。次第にそれは渦を巻き出し、その勢いを強めていく。


「あっ、あの、ご主人様?それはさすがに私でも受け切れない気がするのですが……」


「大丈夫大丈夫。本気で魔力を込めた訳じゃないしやばそうだったらすぐやめるつもりだからな。それに、こういうの好きだろ?」


そう言うと巨大な炎の渦はアルトに向かって進み出した。渦が通ったあとはダンジョンの床が黒く焦げ付き、小さな炎が燻っていた。


「ええい!覚悟を決めるのです!さあ来なさい上級魔法さん!」


気合いを入れたアルトは正面から炎渦を受け止めようとするが、腕が炎に触れたと思ったらそのまま飲み込まれてしまった。


「あぁ、言い忘れたがそれを止めるには同じ上級魔法でもぶつけないと止められないぞ。って聞こえてないか。」


炎渦の中にいるアルトは全身を炎に包まれて焼かれている。その身に宿す炎属性耐性を持ってしてもダメージを軽減することは難しかった。


「ぐぬぬ。これはかなり厳しい特訓になりそうです!」


更なる耐性を獲得するためその場で耐え続けるが、ダメージが軽減される気配は一向に訪れなかった。


レクスはいつでもアルトの状態を確認することができるため、その場に椅子を置いて足を組んだまま学園の部屋から持ってきた本を読み出した。三十分以上経過したところでアルトに変化が起きたことを感じた。


「そろそろか。」


指をパチンと弾くと炎の渦はその勢いを弱め、掻き消えていった。そして問題のアルトだが、全身煤だらけでかなり苦しそうにしているがそれ以外に問題はなさそうだった。


「どうだ?上級魔法は堪能できたか?」


「はあ……はあ……ご主人様……少し休んだら……もう一回お願いします……」


蹲り、痛みと熱に喘いでいるように見えるがアルトの顔には満足感が見えた。涎を垂らしていないのは全て蒸発してしまったからだろう。


「お前は本当に規格外だな。いろいろと。」

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