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首席魔王の召喚獣は最弱の種族  作者: 成れの果て
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変装

レクスとアルトは約束通りピリンキの街に繰り出していた。太陽が完全に登りきるには早い時間だが日差しが暖かく心地のいい日和だ。お互い魔王学園の制服で出歩き、アルトはレクスと腕を組んでご機嫌である。傍から見れば学生がデートしているようにしか見えないだろう。


「ご主人様!まずはどこに行きますか!?」


「そんなに焦るなよ。まずは受付に行って今日は休みだって伝えないとな。」


年中無休のダンジョンは存在するが、休日を楽しむ魔王も存在する。その際はダンジョンを一時的に封鎖するのだが、挑戦する冒険者に伝える役目を受付に任せるため、連絡は必須だ。


「おはようございます。ダンジョンへの挑戦をご希望ですか?」


「いえ、今日は休もうと思ってその連絡のために来ました。」


「えっ!?魔王レクス様ですか!?失礼しました!」


今日も水晶から攻略する映像を眺めようと既に集まっていた冒険者たちは受付の驚いた声に反応し、レクスとアルトの姿を見つけると飛び上がった。


「魔王レクス!本物かよ!?」


「すげー!初めて見たぜ!」


「いやー!アルトちゃん可愛いすぎ!こっち向いてー!」


一瞬で騒ぎになるが他の職員が冒険者達を宥めようと動く。しかし、アルトが笑顔で手を振ると更に歓声が沸き、すぐには落ち着きそうになかった。


「いつの間にか人気者だな。」


「それはもちろんです!ピリンキで最も注目を集めているのは魔王レクス様のダンジョンなのですから!」


ダンジョンの中に篭っていたレクスは地上の状況について疎かった。ここまで注目されていることを受付嬢の話を聞いて初めて知ったのだ。


「ご主人様、たまには地上に出ないと何かあった時対処出来ないかもしれませんね。」


「それもそうだな。それより、今日は街を出歩くつもりなのでダンジョンを封鎖します。ここに来る冒険者には今日は休みだと伝えてください。」


「かしこまりました。それと、街を散策するおつもりならアルト様は変装した方がよろしいかと。」


受付嬢の言葉は一理ある。行く先々でこんな騒ぎを起こしていたらいい迷惑だろう。


「アルト、外に出る時は姿を変えてくれ。」


「かしこまりました!ムムムム。」


レクスの頼みを聞き、姿を変えるために可愛く唸ると、水色の髪はレクスと同じく銀色に変わり、可憐な見た目の少女から美しく色気を放つ大人の女性へと変化した。


「どうでしょうか?」


「まあ悪くないんじゃないか?見た目でアルトだとわかるやつはいないだろう。この場にいるヒトにお願いだが、この姿に変装していることは内密に頼む。それじゃあ行くか。」


今まで騒いでいた冒険者たちが落ち着きを取り戻した矢先のアルトの変装は彼らに熱を取り戻させた。可憐な少女の制服姿は正に王道と言えるが、今のアルトにはそのアンバランスさがより魅力を引き立てる。鼻血を噴出させて倒れる者を出し、職員の手を煩わせる羽目になるがそれは見て見ぬ振りをしてその場を後にした。


「その見た目に制服だとむしろ目立ちすぎるな。まずは服でも見に行くか。」

2章開始!

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