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首席魔王の召喚獣は最弱の種族  作者: 成れの果て
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前夜

商談から数日が経つ。ダンジョンの外はロバートに任せてあり、放置されていた建物は改築されてヒトが出入りし、いつでも商売を始められるようになっていた。

ダンジョンの内はアルトと共に意見を出し合い、ある程度は楽に進めるがそれ以降は楽には進ませないかなり凶悪な仕上がりになった。


「ロバートさんのおかげでこっちに専念することができました。本当にありがとう!」


「いえいえ、こちらも新しい事業に早期参入させて頂けたのです。むしろお礼を申し上げたいくらいですぞ。たくさん儲けさせてもらいますよ!」


辺りは暗くなり、夕食時。この数日の間に二人が言葉を交わすことは多くなり、それに連れて距離が縮まるのは当然の事だった。


「いよいよ明日からダンジョンの公表ですね!ワクワクしてきましたよ!負けませんよー!」


アルトは既に気合いが入っており、腕をグルグル回している様子にレクスは苦笑し、ロバートはニヤリと笑った。


「張り切るのはいいが暫くアルトの出番はなかなか回ってこないだろうな。」


「ですな。私は中を案内してもらいましたが、知らずに足を踏み入れる駆け出しの冒険者が可哀想ですぞ。」


街に根を張る商人は、その街のダンジョンについて情報を仕入れる。情報の量と質が高ければそれだけ冒険者のニーズに合わせて商売ができるからだ。そのため公表前のダンジョンの情報は商人なら喉から手が出るほど欲しいものだが、それを手に入れたロバートはむしろ何に手を出すか迷うほどであった。


「いやはや、なかなか面白い体験でしたな。それにここ数日は時の流れが早くて濃密でした。」


「今夜はゆっくり休みましょう。明日からが本番ですからね。」


ロバートが手配した夕食に舌鼓を打ち、しばらく談笑した後、解散となった。子馬亭には既に宿泊しておらず、ダンジョン内に魔王権限で守られた特別な部屋を作り、そこに寝泊まりしていた。


「ご主人様、先程は私の出番が来ないと仰いましたが、なかなか攻略されなければ強いヒトが来るのでは無いのですか?」


「そのことだがな、俺たちのランクは最低のEなんだ。そこからしばらく攻略状況に応じて査定が入る仕組みになっているから数日で状況が変わることはないんだよ。」


数日で変わることは無い。しかし、確実に攻略に臨むヒトの質は上がっていくだろうと確信していた。そうならなければレクスは満足などしていられない。


「さあ、散々俺を笑いものにしてきたやつらに見せてやろうじゃないか。」

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