ドルムル
「魔王学園から来たレクスです。ダンジョンをこの街に創るので領主様にご挨拶をしに参りました。」
「レクス様ですね。学園から連絡がありました。どうぞ、待合室までご案内します。」
翌日領主館まで赴き、アルトと待合室で領主を待つ二人。部屋の中は質素だが、だからこそ品があり調和が取れている居心地のいい造りになっていた。
「お待たせしました。ピリンキの領主を務めているドルムルと申します。学園からお話は伺っております。なんでも首席の優秀な生徒さんだそうじゃないですか。一緒にこの街を盛り立てていきましょうね。」
温和そうな人あたりのいい笑みを浮かべながら領主はドルムルと名乗った。
「ご丁寧にありがとうございます。私はレクス、こちらは召喚獣のアルトです。首席とはいえそれは学園の中でのこと。我々は若輩者ですので何かあればお力を貸していただけると幸いです。」
ピリンキは他の街と比べるとダンジョンのランクが低く、活気では負けている。そんな街に首席の生徒がやってきたのだ。少なからず期待はしていたが今の受け答えでドルムルは自らの想像以上の人物がやってきたことを確信した。
「いやいや、優秀な生徒さんなのはハッキリとわかりました。ダンジョンはどのような形状にするおつもりですか?」
「洞窟型にしようと思っています。」
「なるほど。それでは街の中心にある冒険区の空いている好きなところにダンジョンを設置していただいて構いません。こちらからは以上ですが何かありますか?」
「いえ、本日はお時間を頂きありがとうございました。それでは。」
「なにかあればいつでも頼ってくださいね。」
こうして何事もなく顔合わせは終わり、冒険区に向かうレクスとアルト。その二人を領主館から見送るドルムルは独り呟いた。
「今期の生徒さんは立派だね。この街の他の魔王も見習って欲しいものだよ。」




