第9話 王様との謁見とピニャの芸
王都カルタルタスでの生活は、レヴァリス家の豪邸を拠点に始まった。
大理石の床、シャンデリア、キラキラの果物が並ぶ食卓。
サラリーマン時代、こんなセレブ生活、想像もできなかったぜ!
俺、カウル、別名「ピニャ」は、エルちゃんの肩に乗っかって、貴族街の空気を満喫。
彼女の金髪ツインテールは、朝陽でキラキラ輝いてる。
アレナはクールに剣を磨きつつ、時々、遠くを見る目が曇る。
おい、アレナ、過去の話まだ隠してんのかよ?
ある朝、レヴァリス家の執事がドレッシーな服で現れ、恭しく言った。
「アレナ様、エルミン様、カウル様、王宮から謁見の召喚です」
「ピニャ!?(王宮!? 謁見!? マジかよ!)」
王様に会う!? 俺、ただのキラキラドラゴンだぞ!
エルちゃんが目をキラキラさせて跳びはねた。
「カウル、王様だよ! ピニャのスター、見せつけるチャンス!」
「ピニャ!(スターより、ビビってるんだよ!)」
アレナがニヤリと笑い、剣の柄に手を置いた。
「エルミン、ピニャ、落ち着け。王様は気まぐれだ。変なことすんなよ」
変なことって、俺の存在自体が変だろ!
内心ツッコミつつ、俺たちはレヴァリス家の馬車で王宮へ向かった。
サラリーマン時代、こんなVIP待遇なかったぞ!
◇
王宮は、カルタルタスの中心にそびえる巨大な城だ。
白い石壁、黄金の装飾、尖塔が雲を突く。
門をくぐると、衛兵がズラリと並び、絨毯が敷かれた廊下が続く。
マジでファンタジー映画のラスボス城じゃん!
エルちゃんはキラキラ目を輝かせ、俺はキラキラ鱗でさらに目立つ。
くそ、目立つのやめたい!
謁見の間は、でっかいシャンデリアと、壁に描かれた竜の絵がドーン。
玉座には、でっかい冠をかぶった王様が座ってる。
髭が立派で、目は鋭いけど、なんかニコニコしてる。
おい、意外と親しみやすい?
貴族や騎士たちがズラリと並び、俺たちをジロジロ。値踏みすんな!
アレナが一礼し、俺とエルちゃんを前に出した。
「陛下、アレナ・レヴァリスと、旅の仲間、エルミンとカウルです」
王様が目を細め、俺をガン見。
おい、怖えよ!
エルちゃんが無邪気に手を振った。
「王様、こんにちは! カウルのキラキラショー、見てくれる?」
「ピニャ!?(いきなりショー!? 準備ゼロだぞ!)」
王様が笑い、太い声で言った。
「ほう、ミニドラゴンか! 面白い! 見せてみろ、どんな芸だ!」
芸!? 俺、ペットじゃねえぞ!
だが、エルちゃんのキラキラした瞳に押され、俺は覚悟を決めた。
ピニャ魂、燃やすぜ!
「ピニャ!」
俺は翼をバタバタさせて宙に浮き、クルッと三回転宙返り。
キラキラ鱗がシャンデリアの光を反射し、謁見の間に虹が舞う。
貴族たちが「ほう!」「なんじゃ、あの光!」とざわつく。
調子に乗った俺は、新技「ピニャハート」を披露。
ハート型の尻尾でハートを描くと、貴族の令嬢たちが「キャー! かわいい!」と大騒ぎ。
お、お前ら、俺のファンか!?
エルちゃんが手を叩き、叫んだ。
「カウル、もっとやっちゃえ! お手!」
「ピニャ!?(お手!? 犬じゃねえ!)」
でも、彼女の勢いに負け、俺はエルちゃんの手に前足をチョイと乗せた。
恥ずかしい!
謁見の間が爆笑と拍手に包まれ、王様が腹を抱えて笑った。
「ハハハ! 見事だ、カウル! お前、ただのドラゴンではないな!」
ただのピニャだろ! 内心ツッコミつつ、俺はドヤ顔でピニャ鳴き。
「ピニャ!(従順アピール、成功!)」
貴族たちが拍手喝采、令嬢たちが「ピニャ、素敵!」と目をハートに。
サラリーマン時代、こんなモテ期なかったぞ!
◇
謁見の後、王様が俺たちに旅の話を聞いた。
エルちゃんが村、ルミエラ、星見の森の冒険をキラキラ話すと、王様が頷きながら笑った。
「エルミン、カウル、アレナ、面白い旅だな。カルタルタスに留まるか?」
エルちゃんが拳を握り、目を輝かせた。
「王様、ありがとう! でも、もっとすごい冒険したい! ね、カウル!」
「ピニャ!(また冒険!? 落ち着こうぜ!)」
アレナが一歩進み、静かに言った。
「陛下、旅を続けたい。エルミンとカウルを守り、使命を果たします」
使命!? バルンガの「竜の秘密」か!? 王様がアレナを見て、優しく頷いた。
「アレナ・レヴァリス、過去の傷を背負うお前が言うなら、許可しよう。旅を続けなさい」
過去の傷!? やっぱり何かある!
俺がピニャ鳴きで詮索しようとした瞬間、王様が手を上げ、衛兵に命じた。
「カウルに記念をやろう。黄金の首輪を持ってこい!」
黄金の首輪!?
衛兵がキラキラ輝く首輪を持ってくる。
ちっちゃくて、俺の首にピッタリ。
宝石がチラチラ光る、めっちゃ豪華なやつだ。
マジか、ゴージャス! エルちゃんが跳びはねて大喜び。
「カウル! 黄金の首輪! スターにピッタリ!」
「ピニャ!(これ、俺の年収より高そう!)」
俺も内心ガッツポーズ。
サラリーマン時代、ボーナスでこんなアクセサリー買えなかったぜ!
だが、アレナがなぜか苦笑。おい、なんでその顔!?
「ピニャ?(アレナ、何だよ、その反応?)」
彼女が小さく呟いた。
「ピニャ、目立つ首輪でさらに目立つな。気をつけろよ」
お前、妬いてんのか!?
でも、彼女の苦笑に、なんか深い意味を感じた。
この首輪、ただの飾りじゃねえのか?
王様が笑い、俺たちに言った。
「カウル、エルミン、アレナ、カルタルタスはいつでもお前たちを歓迎する。旅、楽しめよ!」
◇
王宮を後に、レヴァリス家に戻った。
エルちゃんは黄金の首輪を手に、俺の首に着けてニコニコ。
「カウル、めっちゃカッコいい! ピニャ、スターだよ!」
「ピニャ!(スターってか、歩く金庫だろ!)」
アレナが剣を磨きながら、苦笑を浮かべた。
「ピニャ、その首輪、盗賊の標的になるぞ。私の護衛が忙しくなるな」
おい、俺のせいじゃねえ!
だが、彼女の目がまた曇る。
アレナ、お前の過去、そろそろ話せよ!
王都でのスター生活、黄金の首輪、竜の秘密。
俺たちの旅、次はどうなる!?
サラリーマン時代、こんなドラマチックな展開なかったぞ!




