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俺ミニドランゴンに転生す! ~小さな女の子に拾われて旅をします~  作者: 海老川ピコ


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8/21

第8話 アレナの実家と騎士の正体

 王都カルタルタスが地平線に現れた時、俺は自分のちっちゃなドラゴン目ん玉を疑った。

 でかい! でかすぎる!

 石造りの城壁が天を突き、門の上には旗がバタバタはためき、城塔が雲に届きそう。

 ルミエラの喧騒もすごかったけど、ここはもう、異世界の首都って感じだ。

 マジでファンタジー映画のセットじゃん!

 でも、俺、カウル、別名「ピニャ」は、内心ビビりまくり。

 こんな大舞台、俺のキラキラショーだけで乗り切れるかよ!?


 エルちゃんは籠を手に、ツインテールをピョンピョン揺らして興奮気味。

 アレナは剣を腰に、クールな目で城門を観察。

 8歳の女の子、ミニドラゴン、謎の女剣士のパーティ。

 見た目は映えるけど、怪しさMAXだろ、これ!

 俺のキラキラ鱗は陽光でピカピカ、まるで動く看板。くそ、目立つな!


「カウル、王都だよ! ピニャのスター、絶対ここで輝く!」


 エルちゃんのキラキラした瞳に、俺はハート型の尻尾を振る。


「ピニャ! (スターより、まず入城だろ!)」


 アレナがニヤリと笑った。


「エルミン、王都はでかいが、門番は厳しい。変な動きすんなよ」

「ピニャ!? (変な動きって、俺のこと!?)」


 サラリーマン時代、こんなセキュリティチェックなかったぞ!

 内心ツッコミつつ、俺たちは城門に近づいた。


  ◇


 城門は、でっかい鉄の扉と、その両脇に立つ鎧の門番でガチガチに固められてる。

 槍を持った門番二人が、俺たちをジロリと睨んだ。

 おい、なんでそんな疑いの目!?

 エルちゃんが無邪気に笑顔で手を振るけど、門番の態度は硬い。


「ガキと……ドラゴン? それに剣士か。怪しいな。何の用だ?」


 怪しいって、失礼だろ!

 俺はピニャ鳴きで抗議。


「ピニャ! (俺たち、ただの旅人だぞ!)」


 エルちゃんが胸を張って答えた。


「私、エルミン! カウルは私の友達! 王都でキラキラショーやるんだ!」


 門番が眉をひそめ、俺のキラキラ鱗をガン見。

 おい、値踏みすんな!

 もう一人がアレナに目を移し、怪訝そうに言った。


「剣士、お前も連れか? 身分証を見せろ」


 身分証!?

 俺、ドラゴンだから免許もパスポートもねえぞ!

 内心パニックだったが、アレナがクールに一歩踏み出した。

 彼女はポケットからキラッと光る金貨を取り出し、門番の手のひらにスッと滑らせた。


「これは誠意です。旅人だが、トラブルは起こさない」


 金貨!? 賄賂!? 俺の目ん玉が飛び出そうになった。

 マジか、初めて見るぞ、金貨!

 門番の顔がパッと明るくなり、ニヤリと笑う。


「ふむ、誠意は受け取った。よし、通れ!」


 態度一変!? 汚ねえぞ、門番!

 俺は内心ブチ切れだったが、エルちゃんは「やった!」とスキップ。

 アレナがクールに門をくぐり、俺をチラ見。


「ピニャ、何だ、その目は?」

「ピニャ! (お前、賄賂って! 誠実キャラじゃなかったのかよ!)」


 アレナ、意外と世渡り上手!?

 サラリーマン時代、上司に媚びなかった俺とは大違いだ。

 彼女のクールな顔に、なんか新しい一面を見た気がした。

 もっと真面目一辺倒かと思ってたぜ……


  ◇


 王都カルタルタスの中は、ルミエラの十倍のスケールだ。

 石畳の通りには馬車がガタゴト、両脇には色とりどりの看板が並ぶ。

 パン屋、鍛冶屋、魔法道具店、果ては「マナポーション50%オフ!」なんて怪しい店まで。

 異世界の渋谷じゃん!

 商人、冒険者、貴族っぽいローブの奴らがごった返し、活気で溢れてる。

 エルちゃんは籠を手に、目をキラキラさせて市場へ突進。


「カウル、アレナお姉さん! 乾燥薬草と乾燥キノコ、高く売れるかな!?」


 お、お前、商魂全開!

 彼女は星見の森で採ったハーブやキノコを、わざわざ選りすぐって乾燥させ、旅の荷物に詰めてたらしい。

 8歳でこのビジネスセンス!

 俺とアレナは顔を見合わせ、思わず笑顔。


「ピニャ! (エルちゃん、将来大富豪だな!)」


 アレナがニヤリ。


「エルミン、王都の物価は高い。いい値段で売れるぞ」


 エルちゃんは市場の薬草店に飛び込み、店主のおっちゃんと交渉開始。

 彼女のキラキラ笑顔と、乾燥ポルチーニやマナハーブの品質に、おっちゃんが目を丸くする。


「ガキ……いや、お嬢さん、こりゃ上物だ! 銀貨10枚でどうだ?」

「うーん、15枚! カウルのキラキラパワーで採ったんだから!」


 俺の名前使うな!

 でも、エルちゃんの交渉術に店主が折れ、銀貨12枚で取引成立。

 彼女が銀貨をジャラジャラ受け取り、俺を抱き上げた。


「カウル! これで王都でもスターだよ!」

「ピニャ! (スターより商人だろ、お前!)」


 アレナがクスッと笑い、銀貨をチラ見。


「エルミン、商才あるな。ピニャも見習えよ」


 見習うって、俺、ドラゴンだぞ!

 でも、エルちゃんの商人の顔と、アレナの緩い笑顔に、俺もついニヤリ。

 王都の市場は、スパイスの香り、焼きたてパンの匂い、

 楽器の音で溢れ、俺たちの旅は賑やかなスタートを切った。


  ◇


 王都での最初の夜、俺たちは市場近くの宿屋に泊まった。

 木造の三階建て、部屋はルミエラより広くて、ベッドにはふかふかの毛布。

 エルちゃんがベッドで跳ね、俺は枕元で丸まる。

 アレナは窓辺で剣を磨き、街の明かりを眺めてた。

 なんか、絵になるな、このトリオ!

 でも、アレナの雰囲気が気になった。

 彼女は王都に入ってから、時々、遠くを見る目が深くなってる。

 またあの悲しげなモードかよ!

 エルちゃんが寝息を立てる中、俺はアレナにピニャ鳴きで話しかけた。


「ピニャ? (お前、王都で何か用あんのか?)」


 彼女がクスッと笑い、俺の鱗を軽くつついた。


「ピニャ、詮索すんな。だが……ここは、私の過去と繋がる場所だ」


 過去!? やっぱり何かあんじゃん!

 俺がハート型の尻尾を振ると、彼女が小さく呟いた。


「明日、ちょっと寄るところがある。ついてこいよ」


 寄るところ? 怪しいな! 内心ビビりつつ、俺は頷いた。


  ◇


 翌朝、アレナが俺たちを連れて行ったのは、王都の貴族街だった。

 石造りの豪華な屋敷が並び、門には鎧の衛兵が立つ。

 おい、めっちゃ高級エリアじゃん!

 エルちゃんが目をキラキラさせ、俺はキラキラ鱗でさらに目立つ。

 アレナが一軒の屋敷前で立ち止まり、門番に声をかけた。


「レヴァリス家に、アレナが帰ったと伝えろ」


 レヴァリス家!? 何!? 門番が目を丸くし、慌てて屋敷に走る。

 しばらくして、扉が開き、中から優しげな中年夫婦が出てきた。

 貴族っぽいローブに、品のある笑顔。おい、マジで貴族!?


「アレナ! 無事だったのね!」


 女性がアレナを抱きしめ、男性が微笑む。

 エルちゃんと俺はポカン。

 え、親!? アレナがクールに、でも少し照れながら言った。


「父上、母上、しばらくぶりだ。こいつらはエルミンとカウル、旅の仲間だ」


「ピニャ!? (貴族!? アレナ、お前、貴族の娘!?)」


 エルちゃんが跳びはねて叫んだ。


「アレナお姉さん、お嬢様!? めっちゃすごい!」


 レヴァリス夫妻が笑い、俺たちを屋敷に招き入れた。

 おい、豪邸! 大理石の床、シャンデリア、壁には絵画と鎧。

 サラリーマン時代、こんな家、ドラマでしか見たことねえ!

 夫妻はエルちゃんに菓子を出し、俺にキラキラした果物をくれた。

 う、うまい!

 談笑中、夫妻がアレナの正体を明かした。

 彼女は子爵家レヴァリス出身で、王都の騎士団「白狼組」の騎士だった。

 白狼組!? めっちゃカッコいい名前!

 だが、アレナの目が一瞬曇る。

 夫妻が静かに言った。


「アレナ、昔、守れなかったものがある……だから旅に出たのよね」


 守れなかったもの?

 俺のピニャ魂がザワついた。

 やっぱり、過去に何かでかいことあんじゃん!

 エルちゃんが無邪気に手を握り、アレナが小さく微笑む。


「エルミン、ピニャ、ありがとな。旅、続けるぞ」

「ピニャ! (お前、背負ってるな……)」


 レヴァリス夫妻は俺たちを歓迎し、

 王都での滞在をサポートしてくれることに。

 貴族のコネ、最強!

 王都の冒険、アレナの過去、ピニャ魂の運命、どうなるんだ!?



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