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子役もかなり、大変です。  作者: ほっかいろ
第一章~子役、始めました!~
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28、お泊り会ー華憐ちゃん視点ー

 3月分です!!テストまだ結果分かってないんですけど、まあまあ大丈夫だと思います(洗脳)。平均点は採れてるのを祈るのみですね。華憐ちゃん視点は子供っぽい文章で書いた方が良いかな?と思ったんですけど、文章力が無いので、子供っぽくアレンジすると、意味が伝わらなくなって、止めました。だから華憐ちゃんは天才児みたいな思考を持ってますが、突っ込まないでください。

 「あら?お姉ちゃんと一緒に遊んでたの?」


 家に帰ると、ママが怒るかな?って思ったけど、私達が窓から外に出ていたことには気づいていなかった。

 

 「お昼ごはん出来てるから早く食べなさい。」


 家に入ると、パンのいい香りが広がっていた。お母さんはよくパンやケーキを焼いてくれて、私はケーキのほうがすきだけど、パンもすきなので、楽しみにしつつ居間に行った。


 「うわ~!!」


 そこに用意してあったのは、色々な種類のサンドウィッチだった。ハムが入ってるものや、私が大好きな照り焼きソースの塗られた鶏肉が入ったものがあった。


 「いただきます!」


 そう言って、私の席に座ってサンドウィッチを食べ始めた。正直さっきのことは早く忘れたかったし、たべて忘れようと思う事にした。


 「ところでお姉さんはどうして昨日も今日の朝も不在だったんですか?」


 凜々ちゃんが言った。凜々ちゃんがお姉ちゃんに話すときはなんか大人っぽい雰囲気になって、よくわからないけど、私が子供っぽく見えた。年上なのに…。

 ちなみにお姉ちゃんは学校の旅行があったらしい。さっきは帰りだったんだって。


 「うん!美味しい~。」


 説明を聞き終えた凜々ちゃんは、エッグサンドイッチを食べた。


 それはそうと、ホンモノの「いじめ」は本当に嫌いだ。そんな事する役だって、やりたくない。思い出すだけで体が震える。そう思うと、なんとなく食欲も失せた。この先ずっと撮影中いじめの演技をしないといけないなんて、耐えられない。


 「ごちそうさまでした。」

 「え、もういいの?華憐、いつもは3個位食べるじゃない?」

 「うん。もういい。」


 とりあえず自分の部屋に行きたかった。

 ベッドに横たわると、さっきの事を次々と思い出した。なんで、いじめをする人たちはいじめるんだろう?何が楽しんだろう?何も分からない…。

 

 ガチャっという音に振り向くと、凜々ちゃんがいた。


 「凜々ちゃん、どうしてここに?」

 「だって、さっきのこと気に留めてるんでしょ?」

 「うん。…でも、演技のことも分からなくなっちゃった。」


 凜々ちゃんは、続きを言って、と頷いた。


 「私、悪役って意地悪で酷いものって思ってた。でも、ただ意地悪なんじゃなくて、面白がってるようにも見えたの。怖いよ。そんな複雑な役、私には無理。だって、なんでいじめて面白いのか分からないもん。」


 「…華憐ちゃん、見てて。」


 凜々ちゃんはそう言って立ち上がると、台本を取って、ペラペラとページをめくっていった。


 「凜々ちゃん、何し」

 「葵ちゃん下手くそー!皆見て!葵ちゃん人の描き方も知らないの?ウフフっ。鉛筆の持ち方から直した方がいいよ?」


 凜々ちゃんは、まるで別人のように意地悪な笑いを浮かべていた。それは、見た瞬間あの、黒髪の女の子と似てて、怖かったほどだった。


 「凜々ちゃん、どうしたの?」

 「どうだった?私の演技。」

 「凄かった。」

 「どうやってやるのか教えてあげよっか?」

 「うん。」


 凜々ちゃんは本当に凄かった。というか、これが演技だとは思えなかったし、正直怖かった。


 「まず、気持ち作りだね。といってもここが一番難しいか…。」


 凜々ちゃんは少し考えた。


 「華憐ちゃんは良い子だから分からないと思うんだけど、例えば仲間外れにするとき、仲間外れにした子は、優越感っていうかもっと上に立った感じになるのね。あなたが仲間外れになったから、私はあなたより強い、みたいな。」

 「なんとなく分かる。」

 「あと、華憐ちゃんがどうして面白いのか分からないって言ってたけど、それはその自分が強くなったっていうことへの快感っていうかそれが気持ちよくて、面白くて、みたいな感じ。」

 「なるほど…。」


 あまりよく分からなくなってきたけど、取り合えず何となくわかったのでいいだろう。


 「じゃあやってみて、さっきの台詞。」


 レッスン以外の場所で、友達の前で演技するのは恥ずかしくて、ママの前でもできなかったけど、今は、なんかやってみたかった。凜々ちゃんみたいに演技できるようになりたかった。


 「…葵ちゃん下手くそー!皆見て!葵ちゃん人の描き方も知らないの?ウフフっ。鉛筆の持ち方から直した方がいいよ?」

 「うーん、そうなんだけど、何ていうか、華憐ちゃんは楽しいんだよ。葵が自分よりも弱いって見せつけるのが楽しくて、葵が思い通りに弱いから面白いの。もっと楽しんで。」


 私のなかで何かがバチっとなった。そっか。いじめが楽しいんじゃなくて、相手の反応が面白いんだ。


 「葵ちゃん下っ手くそー!皆見て!葵ちゃん、人の描き方も知らないの?ウフフっ。鉛筆の持ち方から直した方がいいよ?」


 やり終わると、凜々ちゃんが驚いた顔をした。


 「華憐ちゃん、凄い良い。っていうか怖い。」

 「ホントに?嬉しい!」

 「うん。じゃあ、もっとやろう!」

 「うん!」









 凜々ちゃんがお泊りに来てから、二週間が経った。お姉ちゃんとは色々話して、お母さんと話し合いもして、いじめはなくなったらしい。

 そして今日は、待望の初撮影だ。リハーサルと本番どっちも撮る撮影日で、時間は長引く。お母さんに撮影場所までおくってもらって、初めて楽屋に通された後、また初めてメイクをしてもらった。衣装は前も着ていたけど、普通の服だ。


 カメラの外側に待機する。力を出し切れるかどうか、先生には大丈夫だって言われたけど、緊張する。


 葵役の演技が入り、スタッフさんの合図で、セットに足を踏み入れる。その瞬間、明るいライトに照らされ、カメラは私を撮り、世界観は一気に幼稚園の中になった。

 

 「葵ちゃん、一緒に遊ばない?」


 そこからはよく覚えてない。でもカットが入ると、力が抜けていく感じがした。リハーサルだったけど、良かったな。なんていうか、気持ちいい。全部の力を使い終わった感じがする。


 「いやぁ、華憐ちゃん、良かったよ。後は口調をとげとげしい感じにしたら完璧。」

 「ありがとうございます!」


 その後監督にも女優さんにも褒めてもらえて嬉しかった。

 初めてだったけど、楽しかったな。

 帰りの車の中でそう考えながら、もう暗くなった窓の外を見る。

 これも全部凜々ちゃんのおかげだよね、今度お礼言わなきゃ。あ、でも凜々花ちゃんも撮影が始まって忙しいって言ってたな。凜々ちゃんって、ほんと凄いんだな。

 

 華憐がそんな事を考えながら車で眠ろうとしている真っ最中、凜々花は撮影に励んでいた。

 

 なんか書くことが思いつかず、短めになりました。明日はいよいよ凜々花視線にもどるので、長目にします。

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