27、お泊まり会ー2ー パート3
パート3で終わりと言ったのですが、華憐ちゃん視点を入れたいので、少し長くなってしまいます。まあ次の回で終わると思います。ってか終わらせます。いや、終わらせたいです。
「凜々ちゃん、やっぱりやめようよ。見つかったらどうするの?」
「大丈夫だって。制服も着てるし。私についてきて。」
そういいながら、中休み真っ最中の幼稚園の遊び場に潜入する。
今から私がすること…それは至ってシンプルで、幼稚園に潜入する。そして、そこでいじめや嫌がらせをしている子供たちがいたら、叱りたいところだが、年齢がさほど変わらないので、注意くらいしかできないかもしれない。まあとにかく、そういう子達を見て、華憐ちゃんの、子供の気配察知能力で雰囲気を感じ取ってもらえれば、と思った。いじめや嫌がらせのようなものがなかったら、平和で良いと思う。(華憐ちゃんの演技の手助けはまた別の機会にすればいいし。)
まあいいや。とりあえず、いじめがどういうものなのか、なぜいじめが起こるのかを華憐ちゃんに教えなくては…。
「凜々ちゃん!ジャングル鬼しよう!」
色々と考えていると、華憐ちゃんがそういいながら走り出した。
「え、待って。ちょっと!そういう目的じゃ…。」
「早くぅ!」
「…ちょっとだけだよ。」
「やった!」
気づいたら園児たちと一緒に遊ぶだけで時間が過ぎていた。あああああ、もう、早くしよう、と華憐ちゃんを納得させることが出来たころには、もう休み時間は終わっていた。
「だから早くしようって言ったのに。」
「ごめーん。あ、でも遊ぶ楽しさは分かったよ!?」
「そういう問題じゃないでしょー。」
グチグチ話しながら幼稚園の坂を下っていると、なにかの物音が聞こえた。華憐ちゃんを静かにさせて耳を澄ませると、右側に位置するコンビニの裏から、女の子たち何人かの声が聞こえた。
「あ。」
いじめだ。しかも小学高学年程の年の子たちだ。悪質にも、一人を取り巻くように何人かが囲っている。
「えっ。」
取り囲んでいる一人が手を上げた。かと思うと暴力が始まった。
こういう時、どうすればいいんだろう。とりあえず止めさせなきゃ。でも止めるには大人の手助けが必要だ。となるとやっぱりコンビニの店員さんが一番か。
動き出そうとした時、華憐ちゃんがいきなり叫んだ。
「お姉ちゃん!」
半ば涙目で、いじめっこ達の方へ走っていく華憐ちゃんをみながら、一瞬頭が動かなかった。相手は小学生。しかも高学年っぽいし、華憐ちゃんが何かされるかもしれない。それにいじめっ子達は逃げる気配がない。
「華憐ちゃん!駄目、待って!」
結局頭より体が先に動いた。華憐ちゃんを追って、いじめっ子達の所まで来てしまった。
「華憐!」
どうやら、いじめられてた子は華憐ちゃんのお姉ちゃんだったようだ。
「何?姉妹?へぇ、おもしろいじゃん。」
リーダー格っぽい子が華憐ちゃんをしげしげと見つめる。華憐ちゃんは怖さのあまり尻餅をついてしまった。いじめっこ達は、そんな華憐ちゃんを罵倒し始めた。
腹が立って仕方なかった。なぜこうも幼稚なんだろう。もともといじめというものは好きじゃないし、小さい子にまでそういう事を言える神経が分からない。
「もう、止めなよ。何がしたいのか分からないけど、小さい子にまでそういう事するの、みっともないよ。」
思わず口から漏れた言葉に、いじめっ子達が振り向いた。
「は?なにこのガキ。」
あ、五歳児なの忘れてた。完全に素が出てしまっていた。
「ムカつくんだけど。」
ずんずん近づいてくるいじめっ子達を前に、頭が真っ白になった。
「分かってるの?あなたたちなら私の骨も簡単に折ることができるんだよ?」
何を言っても怯まずに、何を言っても駄目だろう、今のこの子達には。そう察した。後で問題になろうとかまわない、そんな空気がにじみ出ていた。所詮、小学生なのだ。
いよいよ、一人が私の腕を掴んだ。
「だ、だれか、助けて!!!殺される!誰かー!!早く!」
とりあえず叫んだ。絶対に私だけじゃ対抗できないし。
「だーれーかー!!!たーすーけーてー!!!!」
半分涙目になりながら叫んだ。いじめっ子の女の子に口を隠されてたからほとんど聞こえなかったし、息もできなかったけど、叫んだ。絶対に私と華憐ちゃんと華憐ちゃんのお姉ちゃんだけだったらこの場を切り抜けられない。相手は約6人もいるのだ。
「うっ…。」
その時、1人の黒髪ストレートさらさらロングヘアな女の子にかなりガチ目に蹴られた。息が苦しくなった。
「生意気なんだけど。」
「どうする?こいつ」
私を掴んでる子がにやにやしながら言った。
「え~、どうしよう~、あ、でも、子供だから、まだママと一緒にお風呂入ってるかも知れないもんね?」
「それは可愛いわねぇ」
主犯っぽい黒髪ストレートの女の子が私の周りを囲うように、クルクルと歩き始めた。やばいやばいやばい、こういう時って、後で考えるとバカみたいな考えが浮かんでくるもので、本当に殺されると思った。
「じゃあ、転んだという事にでもして、約束通り骨折でもさせてあげようかなぁ。」
目の前が真っ暗になるような感覚がした。やだ、絶対痛いじゃん!前世でも骨折ったことないんだよ!!!
その瞬間、私を掴んでいる子の手が一瞬緩んだ。今だ!そう思った。
「だれかー!…あ」
「おい!黙れ!」
また口元を塞がれた。瞬時に思考をフル回転させる。もう道がないなら、ここは私の演技力を活かすところじゃないか。黒髪ちゃんがまた蹴ろうとした瞬間、私は演技を始めた。気づかれるかどうかは分からない。でもやらないと蹴られる…。殺される…。
体を痙攣させた。徐々に大きく体を揺する。その時点でいじめっ子達はかなり驚いていた。
「フフ、フフフ」
うす気味悪い声で笑う。
上を見上げて、いじめっ子達の顔をみながら目をギラギラさせ、さらに笑い続ける。
「フフフ、ウフフ」
「何よこいつ…。」
怖がってきた。…うん、待って、これ以上考えてないんだけど、じゃあ、大笑いに変えようかな。
「プ、フフフッフ、ハハハ」
あ~、ヤバい。笑うだけだったら場が持たない。
「ねえねえお姉ちゃん、一緒に遊ぼうよ…。」
にんまり笑いつつそう囁く。
「ひっ」
いじめっ子の一人が声を上げた。
「おにごっこしようよ、お姉ちゃん。私、おにごっこだぁい好きだったんだ~。」
よし、この女の子の設定を考えよう。うーん、えっと、ゆうれいみたいな?あ、そうだ。
「ママ、ママ、ママ…。私ね、ママを殺しちゃったの。私が悪い子だったからかな?ねえ、そうなのかな?ママもお姉ちゃんがしたみたいに、痛い事、いっぱいしたんだよ~。」
この台詞は自分でもひいたけど、瞬時に考えたことだから突っ込まないでね!言いたかったのは、次はお前が死ぬぞ~、的な?
「やぁぁぁぁぁ!!!」
いじめっ子達は遂に腰を抜かして逃げて行った。
「凜々ちゃん…?」
華憐ちゃんが半分怖がりつつ近寄ってきた。
「ああ、華憐ちゃん。あぁぁ…。死ぬかと思った。」
そう言ったあと、力が抜けて思わず座り込んでしまった。
「凜々ちゃん…。」
華憐ちゃんが泣きだしてしまった。
「う、うぅ、凜々ちゃん…。」
「え、え、華憐ちゃん、大丈夫だよ、」
待って、子供の泣き止ませ方とかわかんないんだけど…。私の妹には頭を叩いて泣き止ませてたけど、まあ、華憐ちゃんに効くわけないよね…。
「華憐、おいで。」
華憐ちゃんのお姉さんが立ち上がった。華憐ちゃんの所まで歩いて行って、だっこした。おお、子供扱いのに慣れてる感ある~。
「凜々ちゃん、だったっけ?」
「あ、はい。」
「ごめんね。怖い思いさせちゃって。」
「あ、いや、大丈夫です。」
「凜々ちゃんは、華憐のお友達?」
「はい。」
「同じ事務所の子?」
「そうです。」
「へえ、凄かったわよ。まだ小さいのに。」
「ありがとうございます。」
こんな会話を続けつつとりあえずコンビニに入ってドーナツを買ってもらい、ドーナツを食べながら話していると、華憐ちゃんも大分落ち着いてきた。今は横で可愛くほっぺたにチョコを付けながらドーナツを食べている。そんな感じで話していると、
「ところでどうして此処にいるの?」
と訊かれた。その瞬間、自分たちが家を抜け出したことを思い出した。
「えっと、あ…!!!」
「うん?」
「あ、いや、実は…。」
そう言って、まあ、幼稚園を体験してみたかったって嘘をついて、潜入大作戦を話した。なんか信用できる感じがあるから、多分華憐ちゃんのお母さんに告げ口されたりとかされないだろう。
「え…?ちょっとヤバくない?家を出てからどのぐらい経った?」
「1時間ぐらいですかね…。」
「まあ、私が言い訳しておいてあげるから、とにかく早く帰ろう。多分大丈夫だから。それから、絶対話合わせるんだよ!」
華憐ちゃんのお姉さんにかなり目力入れて言われた。やっぱり華憐ちゃんのお姉さんも睨まれたらこっわいな…。と思いつつ、頷いていると、優しい顔に戻った。
「あと、華憐、今日の事はお母さん達には秘密だからね。」
「うん…。」
華憐ちゃんも納得いかないようだけど頷いていた。本当に最強だな。この有無を言わせない感じ。
「じゃあ、帰るか。」
その言葉と共に、私達は家へと歩いて行った。これで、潜入捜査大作戦が幕を下ろした。
とりあえず今日は出来ました!ついでに、水曜日は休まない事にしました。日にち勘違いしてたみたいで、テスト明日でした笑。まあ溜め書きしてたので間に合いました。正直テスト自身無いけど苦笑。でも、テストよりこういう趣味を優先したいです。優先できる時まで休むとか言っときながら何かっこつけてんだよ、って感じですね。因みにこれは1200pt分です。あと5話、頑張ります。




