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子役もかなり、大変です。  作者: ほっかいろ
第一章~子役、始めました!~
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29、顔合わせ

 はい。初めての顔合わせです。

 「台~本」

 

 ちょっと歌いながら台本を出す。なんか莉緒さんに「覚えてないの?え?マジで?」みたいな反応されたから、もうちょっと練習だけでもしておいた方がいいのかな~と思って。でも、恥ずかしいんだよね。家の中で、両親が聞いてるかもしれないのに、本気で演技するって。公園に行っても、人めっちゃ多いし、近くの山、なんて無い。(田舎にはあった)つまり、もう恥ずかしいから、仕方ないし、頭の中で再生っていうか、イメージだけ作っておくしかない。


 「ここだけは譲れないんだよ~。」


 だってさ、前、いや、昨日勇気を出して本気でやってたら、お母さんが、気まずそうに、「ご飯、出来たわよ」ってさ、もう恥ずかし過ぎて、いや、しかも、シリアスなシーンだったからね!?なんか「お母さん?」とか言ってるところを、(美穂の親が離婚して、引き取られた時に、瑠璃子が大泣きするっていうシーン)実の母親に見られるって、なんか、なんか、取り合えず、顔が真っ赤になるのが分かった。なんかご飯食べ終わるまで気まずかったから、もう絶対やらない、って決めた。


 「にしても、いい場所はないのかな。」


 いくら都会だからと言っても、どこにでも人がいる、っていうわけではなさそうだし…そっか、反対に皆が行かなさそうな所に行けば良いんだ。でも、どこ?しかも私一人で行けるところ。


 「あ、あそこは?」


 思い浮かんだ場所は、家のすぐ前だし多分人も少ない。直ぐにお母さんに許可を取って、ジャンバーを羽織りながら、台本を片手に家を抜けた。マンションのエレベーターを降りて外に出ると、そのままマンションの裏側に行く。


 「やっぱり、全然いない。」

 

 そして私はブランコに腰掛けた。

 そう。ここはマンションが所有している公園だ。でもすぐ近くにもっと大きい公園があるので、皆そっちに行って、2,3歳の子供が初めて遊ぶ時に連れてくるような、小さい公園だ。

 案の定、人はいなかった。


 「よし、じゃあこの滑り台をお父さん役にしよう。」


 滑り台の陰に隠れるようにしながら、涙を溜める、、、。


 「って、可笑しすぎて集中できないや。」


 滑り台に隠れるって、自分で自分の姿を想像しただけでも恥ずかしいし可笑しいしで集中できない。

 っていうか、台詞覚える為に来てるんだから、もう別に動作はいいよね?取り合えず覚えるまで台詞だけでいいや。

 そう思いながら、覚えていないページを開く。


 「お出かけ?

  遊園地って、どこ?

  (頷く)…」


 ふと我に返ると、もう空は暗くなっていた。まあ冬だからそれほど遅い訳では無いんだろうけど、お母さんが心配するかも知れないし、そろそろ帰ろう。

 にしても、いい場所見つけたな。明日は顔合わせだし、早く帰って寝よう。

 













 「今日は寝坊しなかったな。」


 時計を見ながらほっとしたが、まあ、顔合わせは一時からだし、場所も近いから十時に起きても寝坊しなかったって事になるんだけどね。最近朝起きられないことがよくある。前世では朝に強かったから、多分、体質か、またはまだ子供だからなんだと思う。


 とりあえず清潔感のある服に着替えて、身支度を整える。髪の毛は昨日お母さんが気合入れて、端っこにカーブを付けてくれてので、今日は慣れないけど、髪を下す。準備が終わって、リビングに行くと、お母さんが朝ご飯を作っていた。

 

 「お母さん、おはよう。」

 「ああ、凜々花、おはよう。やっぱり髪の毛下すと可愛いわよ。」

 「ありがとう。」


 可愛いわよ、だなんて、前世の母親には言われたこと無かったな~なんて思いながらテーブルに座り、お母さんのスマホを借りて、キャスト一人ひとりの画像検索を始めた。やっぱりちょっとでも知っておいた方がいいよね。それにしても、皆綺麗だな~。芸能人、って感じがする。こんな人たちと共演できるのか。ヤバいな。


 「コト」


 目の前にお皿が置かれた。


 「あれ?今日お父さんいないの?」


 お父さんの席にはお皿が置いてなかった。


 「ああ。休日s…いや、今日も大事なお仕事があるんだって。」


 お父さんが休日出勤とは、なんかあったんだろうか?ちょっと心配だ。まあ、大丈夫か。あんな大手企業なんだから。


 「じゃあ食べましょうか?」

 「うん!いただきます!」


 今日の朝ご飯は目玉焼き、ウィンナー、キャベツの千切り、ご飯、余りものを取り合えずいれたお母さん特製野菜ごろごろ味噌汁だ。キャベツの芯とか、ニンジンとか、ジャガイモとか入ってて、野菜がトロトロなので、残り物でも、とても美味しい。ブロッコリーが入っていた時は流石にえ?って思ったけど、洋風にアレンジされてて、意外と美味しかった。


 ご飯を食べ終わると、出かける準備をして、ちょっと早めに家を出た。こういう時って、かなり早く出ちゃうタイプだ。車の中でお腹痛くなりながら行った。緊張すると、いっつもお腹痛くてちょっと吐き気のするような感じがする。それで、会場に入ると、めちゃくちゃ大きいくて長いテーブルがあった。スタッフさんっぽい人たちはもうそこに座っていて、他の女優さんや、俳優さん達も、半分ぐらい来ていた。


 「君、場緒 凜々ちゃん?」

 「はい。」


 因みに、お母さんも付いてきている。顔合わせだから、まぁ、いいかな、とおもったからだ。


 「じゃあ好きなところに座って良いよ。」

 「ありがとうございます。」


 さっきから喋ってるのは多分監督のなんだっけ?たしか、大竹さんとかいう人だ。好きなところね、なんか誰かの横に座るの恥ずかしいから、画像検索と違いすぎて誰なのか分からないけど、女優さんの二つ横位に座った。すると、


 「おはよう。凜々ちゃん。よろしくね。」


 と声を掛けてくれた。うわ、めっちゃ綺麗だな。


 「あ、よろしくお願いします。」

 

 ……な、なんか気まずいな。なんかもうちょっとなんか話した方が良いのかな?あ、台本読み始めた。うう、気まずい。まあいいや。私もみんな揃うまで…そうだな。肺活量鍛えておこう。っていうか、息を止めるだけなんだけど、肺活量を鍛えないと、歌を歌ってる時に、すごい息継ぎしなきゃいけなくて、苦しいからちょっとやっておこうかな、と思って。よし、じゃあまず息吸う…。よし、ここでストップ……。


 「ふうううううぅぅ」


 ああ、死ぬかと思った。でも、なんか一週間続けると効果が感じられて、嬉しいので続けている。


 

 少しすると、子役の女の子、男の子も入ってきた。そういえば、一話ではまだ出てこないけど、小学校のシーンもあるらしい。にしても最近の子供は、雰囲気が大人というか、貫禄がある。私より少し年上位なんだけどな。

 顔合わせでは、ほぼ全てのスタッフさんが集まるようで、直ぐに部屋は満員になった。


 「よし、じゃあ時間なので、顔合わせを始めます。じゃあ、まあね、ぐるっと自己紹介をしていきましょうか。私は監督の大竹 武蔵 です。じゃあ、台本に書いてある役の順番に合わせて自己紹介していってください。その後はスタッフ適当によろしく。」


 「松浦 朋美 役をやらせていただきます、花坂 莉緒 です。よろしくお願いします。」

 「松浦 和馬 役をやらせていただきます、裕山 裕介 です。よろしくおねがいします。」 

 「柴田 瞳役の沢田 楓です……」


 さあ、いよいよ私の番だ。

 

 「えっと、安田 み」

 「ちょっと皆、名前だけじゃなくて、なんか一言、みたいなの入れていこうよ。はい、じゃあ続けて。」


 タイミング!タイミング悪すぎでしょ!!!はぁ、まあ、いっか。


 「はい。安田 美穂 役の馬場 凜々 です。えっと、私にとって初めての大役なので、全力を出せるように頑張ります。」


 なんか凄いありがちになっちゃったけど、まあいいや。


 「安田 瑠璃子役を演じさせていただきます結崎 実です。シングルマザーの気持ちの変化などを表現できるように頑張りたいと思います。よろしくお願いします。」


 おお、この人(さっき声かけてくれて、途中から台本読み始めた人)が結崎さんか。

 

 その後、一通り自己紹介が終わると、監督がこれからの撮影スケジュールなどの話を始めて、それについての紙が配られたりした。


 「じゃあ、これから色々な困難があるかも知れませんが、楽しんで、撮影を進めていきましょう!」


 という監督の一言で顔合わせが終わった。緊張の割にはあっけなくて、なんか力が抜けた。


 

 


 なんか最近感想やアドバイス多くて嬉しいです。私独り怖い人間なので。苦笑。なので感想、アドバイス等大歓迎です。特にアドバイス貰えたら嬉しいです。

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