第20話恩返しと不穏
昨日の疲れか綾におこしてもらい
「おはようございます、今日も頑張りましょう」
元気な綾の挨拶に夢の事など忘れてしまい美心はまだ寝ていた「おはよう」ふと見た窓から陽の光が見えず、何かが飛び回っていてよく目を凝らして見て「枝・・・」「はい、家の中が静かで気づきませんでしたが台風で外は凄いようです」
この家がそんなに頑丈には見えなかったし外からの音も一切聞こえず、見た目ほどじゃないのかと窓を少し開けると雨風が大量に入って来て、慌てて閉めるが「部屋中が木の葉だらけですね・・・」
綾と美心にも手伝ってもらい部屋を掃除してから呪術師に会いに下へ降りると「遅かったねぇ」呪術師が待っていた「おはようございます」と二人の挨拶に続き「ゆうべはお楽しみでした。」と兄が言うと「こいつは何言ってんだい?」「すみません、たまに起きる発作みたいと思ってください」綾の言葉に呪術師から哀れんだ目で見られ食事をした部屋に来るよう促される
綾と美心も行ってしまい、兄が悩みながら「やっぱこのネタは通じないか~」何が言いたかったか、分かった弟が「兄貴それ向こうが言う事だろ」「でも聞いてくれなかったし、一度やりたかったんだよ」馬鹿らしい兄にさっさと二人を追いかけるように促し、先に行っていた3人が昨日と同じ椅子に座っていたので
兄も昨日と同じ椅子に座り、今日は台風が来ていて外に出ない方が良いと菊達も朝早くに台風が酷くなる前に来て、宿にもう一泊すると来たと伝えられどうしようか困っていた所「だから、今日も泊まっていきな」と呪術師からの心遣いに「ありがとうございます!」と息の合った3人の感謝に「そんじゃ、待ってな」
呪術師を見る綾に「手伝いたいなら勝手にしな」「はい、勝手にさせて頂きます」嬉しそうな綾と一緒に美心もついて行ってしまった、部屋に一人、正確には二人なのかと考えながら弟を呼ぶ。
「どうした?てか兄貴も行けよ、今日もお世話になるんだろ」自分の間違いを弟に言われ、すぐに立ち上がるがその前に「呪術師ってどう思う?」
質問の意図を理解出来ず「どうって何がだ?」詳しくはないがカップルから聞いた話だと呪術師はこの村では必要な存在、だが反面性格やこの家も建てさせた様に町の人には色々と我儘を言っている
兄から聞いた説明を聞いても「本当は良い人なんだろ?」弟の答えに「あの時の事も優しいと言えるか?」カップルが呪術師と出くわした時の事を思い出し
「あの時は・・・照れ隠しと・・か?」「照れ隠しのレベルじゃねーだろ」カップルが言っていたのが正しければ、何故自分達にだけ優しくするのか?目的は?
考えても思いつかず、弟が何か思いついたのか「そうだ、綾さんの事が気になってとかじゃないか」昨日の事を言っているみたいだが
「そうなのか?」と弟の答えに納得がいかないみたいで、けれど「出来ました」ドアを開け綾が料理を運んでくる
「兄貴がもたもたしてるから」手伝わなかった事を怒る弟に「分かった分かった、やるから」
慌てて、綾からせめて運んだりするからと残りの準備を任せてもらい急いで済ませる
昨日と違い呪術師は町の事について教えてくれた、雨だけではなく、台風も今日だけの話ではないらしく「最近はね魔物も町付近まで出て」
被害は漁だけではなく「大変な時に」自分達が来るのは町にとって邪魔だったと感じたのか綾が謝るが
「いやいや、呪術師には好都合だよ魔物は材料に最適だからね」嬉しそうな呪術師にうんうんと話を聞いて食べてると「何を呑気に聞いておるんじゃ?」
「え?」食べてる手が止まりなんとなく気づいてはいたが気づかぬふりをして「わたくし、こんな美味しいお食事初めてですわ」うふふと無理矢理話を変えようとしたが
もう呪術師の手には魔物をさばくにはピッタリなナイフに満タンにするには何十匹分必要なのか考えるのも恐ろしい大きめな布袋を持っていた。
弱い魔物も台風の中は大人しくしていて、徘徊する魔物は屈強な台風にも負けない者ばかり
それは逆に考えれば強い魔物の貴重な素材が取り放題なのだ「あぁ、騙されたぁー」愚痴を言うも手は効率的に渡されたメモに書かれた部位を切り取る
「良いではありませんか、一緒に戦えば連携の訓練に加えて、泊めて貰った恩も返せます」
訓練や魔物退治など人助けが好きな綾からすれば最高な環境らしく、いつもに増して台風に負けない勢いだ
「それにこの」綾が体の周りにある半透明なのを触れ「雨避けの加護とやらのおかげで雨だけでなく返り血も気になりません、今日は夜までに目指せ100ですよ‼︎サマー様」
それからの戦いは本当に夜まで続き、たまに危ない時や怪我もするが雨よけの加護のたすけもあったので綾が基本前に出て、兄が支援と闇討ちの連携をしながら
綾が怪我をしてもゾンビ化で魔物を喰らい回復の繰り返し、布袋が8割位になり綾がやっと「ではまだ続けたいですが美心も心配なので帰りましょう」
「美心いなかったらどうなるんだよ」と布袋の口を縛り、呪術師の家に帰る。
その途中に町から出て来る槍やスコップを持つ集団と出くわして「ん?あんたらかこんな時に来たって言う奴らは」息が荒く全員が苛立ってる様子に
「こんな日に何かあるんですか」と兄が聞くが「よそ者は黙ってろ‼︎、行くぞ」集団のリーダーらしき男に肩を押され走って行ってしまった
呪術師の家にやっと戻り「ただいま戻りました」「ただいまっと」背負っていた布袋をドスッと置き、呪術師と美心を探すが見つからず
「どうしましょうか」心配する綾に「俺探して来るから、綾は待っててくれ」玄関のドアに手を掛けるが先にドアが開き、「どこに行くんだい?」
「おねーちゃんお帰りなさい」元気な美心が綾に抱きつき綾も安心した顔をしている「呪術師さん、泊めて貰ったから頼みを聞くのは良いが大切な家族を何も言わずに連れてくんじゃねーよ」
兄の怒りに美心が慌てた様子で呪術師の前に立ち「ちがうよ、わたしがねいけないの、さっちゃんはわるくないもん」さっちゃん?と知らない人の名前に美心が悪いとは意味が分からず、冷静になり事情を聞く事にした。




