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第18話優しき復讐と我儘な娘

綾は茶室の火事で逃げ遅れがないように隊員と一緒に屋敷内の人間を避難させて気づく「お母様は」周りを確認するがいるのは屋敷の使用人や客人ばかりで



「綾様、こちら客人使用人も含め確認が終わりました次の指示をお願いします」

隊員10名綾の指示を整列して待機している「ではお父様と一緒に消化作業お願いします」


「了解しました」綾は母を探すくらい自分一人で出来ると思い隊員を消火作業へ向かわせ母を探しに再び屋敷内へ戻る「お母様どこにおりますかー」寝室や医療室など周りながら、自分の部屋に一度立ち寄り大切な刀だけを手に持ちもう一度母を探したが


何処にも見当たらず焦り始めていたら「綾さん良かったやっと会えた」

「おねぇチャん」久しぶりに会う綾に抱き着く美心



「皆どうして、それよりお母様を」綾の言葉に割り込み

「見つからないのですね今は時間がないので一緒に来て下さい」



「急げですます」訳も分からずに綾は3人と一緒に廊下に進み

「たしかこの辺ですます」菊が廊下で何度かドンドンと床を踏むと

カチャンと小さな音が床から聞こえてきて「どうして隠し部屋を知っているのですか?」菊が黒川家の人間にしか伝えられていない地下室を知っているのを聞くと




「刀慈とは昔からの友達ですますから自慢げに言いやがったですます」

「そうなのですか・・・・お父様が」今は考えている暇はないと地下室へ階段を下り扉を開けようとするが「あれ?開かないですますね」扉には鍵がかかっていて入れない



「誰がそんな事を」綾の声に驚いたらしく、地下室で隠れている者が物音を立ててしまった「誰かいるのですね、ここを開けてください」綾の声に反応がなく仕方ないので



綾が扉を壊す許可をくれたので弟が皆を下がらせて何度か体当たりをして扉を壊す

その先に居た人物に綾は驚き「どうして・・・何をしているのですか!!」


扉の先には綾の母を縛り首元に小刀を突きつける隊長がいた、顔色は真っ青になっていて「どうしてここに、綾様はこの様な場所になど」「何をしているか聞いているのです」



綾が隊長を止めようと近づくと「動かないでください、あなたを傷つけたくない頼むから」どうしたらいいか隊長自身も綾がこんな場所に来てしまうと思っておらず



互いに動けずにいると「綾落ち着いて聞いてね」綾の母が動けずにはいたが

口は塞がれていなかったので綾に話そうとしたが「奥様少し状況をお考えください」


隊長は母を抱きかかえる腕に怒りのまま力を込めるとゲホゲホと苦しんでいるが

動いたら何をするか分からない状況で弟達が動けずにいるが綾は苦しむ母を見て




感情的になり動きづらい白無垢のままで隊長斬りかかる「お母様に、絶対許しません」「私も同じですよ絶対許せはしないのです、綾様!」両手で力を入れ斬りかかる綾に対して母を抱きかかえ、片手で持っている小刀で押し返した




「綾いいのです」咳き込む中で母が「隊長さんにはね、殺されてもいいのよ」

母の思いもよらぬ言葉に「お母様何を言っているのですか!」母の穏やかな顔に

綾が少しだけ冷静さを取り戻し「話していいかしら?」母が隊長に伺うと頷き



「綾は覚えているかしらね、刀慈さんが昔小さな国を落とした雨の日を」

綾の母はゆっくりと過去にあった事を教えてくれた。












昔アマテラス連邦が国としてまだ小さく戦争をして国を落とし国を拡大する中で

その力を世界中に轟かせていた時の話、前当主は刀慈の父は好戦的で



自国に従わない国は全て武力を持って従わせその中の一つが隊長の国であった

隊長が暮らしていた国は商売などが盛んで、とても戦争が出来る国はなかったが

前当主に従わず逆らったせいで国は滅び王家や貴族など権力を持っていた者を皆殺しに



それに伴い貧しかったその滅んだ国の民には恩情として手にした富を分け与え

自分に従わせ国力を強めまた隣国を責める、それが前当主の戦略だった



それは民にとってはありがたい話なのかも知れないが貴族の子であった隊長は

前当主とそれを補佐していた刀慈により親を目の前で殺された



その時前当主に見つかる前に刀慈が隊長を見つけ「貴様生きたいか?」と一言聞く

目の前で親の返り血で赤く染まった男そんな奴に問われ落ちていた小刀を手に襲い掛かる「そうか、恨みを糧に生きられるのならそれも良いだろう」刀慈は腹に刺さる小刀を抜いて奪うと「またな、クソガキ」と隊長を強く殴り気絶させて帰って行った、何もかも失い親の仇も取れず目を覚ますと綺麗な朝日と親の死体が並んでいた。








「その後は必死でした、あいつの顔を忘れぬように毎晩思い出し刀を振り

私の両親を殺した国に民を装って入り必死に働き大人になる頃には黒川家に仕えて」



「ですが当主は覚えておりませんでした、そうでしょういくつもの国を滅ぼし何百も人を殺した人間が私の様な者を覚えているはずもない」




綾は国が大きくなり暮らしが安定したアマテラス連邦しか知らず、ましてや父の過去を今初めて知り驚いている「お母様・・・」「ごめんなさい、綾の様にこれからの子供達には隠していたかったと刀慈さんと約束をしていたの」話が長引き茶室の火事も消え落ち着きを取り戻すと「ここにいるのか?」






「お父様!」綾の様子や隊長が妻を縛る姿を見て「そうか今までの悪事のツケが回ったと言う事か」刀慈は何事もないかのように落ち着いているその姿にまるで自分など気にも留める価値すらないと感じた隊長が「馬鹿にしやがって!!」





隊長が母を床に投げそのまま刀慈に襲い掛かるが刀慈は動こうとしなかった、むしろ喜んですら見えたが今なら動けると両手剣を抜き弟が隊長から刀慈を守るが






「ナイト丸殿悪いが止めないでくれ」弟をどかして前へ出る、その理解出来ない行動は今までずっと我慢してきた怒りをとうとう爆発させた「いい加減にしろ!この馬鹿!!」綾の予想外なビンタに刀慈や隊長は固まり




「私はどうして家出したか分かってますか、どうして結婚すると言ったかあなた達両親に分かりますか?ずっとずっーとお父様は私に優しい子だ良い子だそう言いましたが違います、私だって本当はわがままを言いたかった」




刀慈は綾の本当に気持ちを聞いて自分の思っていた事を話す「綾、なら何故そう言ってくれなかった私はずっとお前の事を思って」「ならどうして私に何も教えてくださらないのですか、私は自分の両親の事を一切知りませんでした菊さんの様な友人がいたと思ったら昔は人を殺していたなんて」



「それはお前に悪人の娘と知って欲しく・・・」刀慈は綾の悲しそうに泣き出しそうな目を見て「いや、違うな私は綾に嫌われたくなかったのだ、ずっと親父に従って親父の後を継いで人を殺していたそれが私は嫌だったが綾、お前に同じ苦しみを味あわせていたのだなすまなかった」






「当主!」刀慈の気持ちを初めて聞いたのは隊長も同じで聞き入ってしまっていたが「そうだな私は多くの人を殺し過ぎた」綾を後ろに下げ自ら隊長に近づき「身勝手と思ってくれて構わない私の命だけで悪いが許してはくれまいか」






「構いません、元々は奥様を暗殺し弱った当主様を殺すのが目的でしたのでね」隊長はいざ殺そうと小刀を手にして、刀慈の胸中央にあてるが何故か手が震える綾も綾の母も刀慈が死ぬのは受け入れられないがそれよりも隊長の恨みを作り出してしまった自分達の罪悪感が身体を止めてしまう。












弟もどうすればいいのか全てを聞いてしまうと分からなくなってしまった

「どうしたんだよ止めないと、刀慈っておっさん死ぬぞ?」「兄貴は分からないのか」兄の無責任な質問に「俺らは何も出来ない、刀慈さんも隊長さんだってやった事は酷いし罰せられるべきだでもなんて止めればいいんだよ」



兄と心の中で会話をしていると「気にするな、お前は悪くない全て父を止めずに従ってしまった私がいけなかったんだ」手を前へ少し押し込みさえすれば、自分の人生全てを捧げて来た復讐が出来る、けれど何故か手が動かない「私は・・・私の全てを・・・」進まない震える手にそっと誰かが手を置いた







「モうね、オカあサンもおとウサンもね」隊長の震える手を握っていたのは美心だった「ワすれてイいよって」何故か美心から死んだ父と母の雰囲気を感じ小刀を落としてしまう「君は・・・」美心が力が抜け座り込む隊長を優しく抱きしめるその温もりはいつの日の母や父を感じさせる





「あぁ母さん父さん、私は、俺は仇をずっと二人のために今だってあの時を思い出すんだよ」美心が喋るとその声は違う女性の声に聞こえ「あなたは優しい子ね私達を忘れないためにこんなにも苦しんで、だからもういいのよあなたの幸せのために生きて」最後に刀慈の方を美心が向くと




今度は男性の声になり「刀慈さん私達はあなたを恨んでなどおりません息子を逃がし生きるチャンスをくれたあなたには感謝をしている」人前で泣く事などなかった刀慈がこの時だけは涙を流しながら「私を許すと言うのかあなた達夫婦を殺し息子を修羅の道へと落としたこの私を」





美心が代わりになのか少し頷くと地下室で起こるはずのない風がスッと過ぎ去って行き地下室に静けさが戻る「私達以外誰も知らない事だ、お前の好きにするといい」


「当主様俺を許して下さるのですか」「許すも何も私はずっとお前だからこそ、この家に居させてたんだ」その言葉で全てが分かった






何故自分の様な素性も知れぬ男が隊に入れ隊長にまでなり、そればかりか跡継ぎの綾と結婚させるなど復讐の事ばかりで今まで考えもしなかったが「覚えていたのですか」刀慈が何年も溜め込んできたであろう思いを教えてくれた




刀慈は隊の入隊試験で気づいていた、その時の彼の目に映る自分には復讐心と悲しみしかなかっただからこれは運命なのだと受け入れ、自分への戒めとして側に居させていたのだったそれがたとえ対価として命を払おうと。






話を聞き終わると「当主様、今度は嘘偽りなく俺を黒川家隊、隊長として居させて頂けないでしょうか」刀慈は立ち上がり笑顔で手を出す




「なら私も自分への戒めとしてではなく、黒川家の当主刀慈としてお前を歓迎する」これで一安心と思ったら美心がふらっと倒れ込んだ「美心!?」




死んだ人間と会話させるなど今考えればまともではないのだから何かあったのではと全員が心配する中「私に診させてもらえるかしら」




綾の母が美心の体を触り何かに気づき「先程の霊との会話で魔力を使い切ってしまったのね」美心の魔力を人から奪ってしまう体質の子にはそれぞれ奇跡を起こせるようで弟が未来予知の様な事をしていた事を話すと



「きっと、運命を変える力を持っているのね、私達の不幸な未来を幸福な未来へと変えてくれたけれど」綾の母が言葉を失う「お母様、美心を助けるにはどうすれば私に出来る事なら」「綾落ち着いて聞いてね」綾の母が言うには




美心を助けるのは簡単ではあるが美心自身に人の魔力を吸わせれば、吸われた人間は急激な魔力消費に体が耐えられないらしく「それならば俺を使って下さい、この子のおかげで俺は救われましたこの少女のためならば悔いはございません」



隊長が美心に近づくと弟のいる扉側が光全員が振り向くと「綾誰も死なせずに助けたいんだよな」何故か兄の姿に変わっていて「貴様誰だ」刀慈が詰め寄る前に「お父様その人は私の仲間です」兄に「私に出来る事があるのですか」と話すと



「誰かを確実に死なせるよりは可能性があるかな、どうする綾がする事になるから綾が決めてくれ」綾は考える事なく「美心は私や家族を救ってくれましたならばそれに報いたいです、それに美心のためなら何でもするつもりです」



綾は聞くまでもなく決心はついていたようで「なら俺の想像だし上手く出来るか分からないが説明するぞ」兄が言うには綾が美心に魔力を与え失う分を眷属になっている綾に兄が送る事で急激な魔力不足を補うつもりでいるらしい



刀慈達は綾の事情を知らないので「眷属とは何だ私の娘に何かしたのか?」刀慈の気迫に「何でこの人俺に厳しいんだよ」綾に助けを求めると「お父様いくらエルフだからと言っても私の仲間をいじめるなら許しませんから、分かりましたか」綾に初めて怒られた刀慈が「お・・・おう、すまない」




「じゃあ行くぞ綾」「はい」綾が美心を座り抱きかかえ兄が綾の背中に手を当てる「美心聞こえますか?」綾の声に「オねぇ・・チゃん・・・」「いいですか私の魔力を吸って下さい、そしたらすぐに治りますからね」美心は頷くと綾から美心へと魔力が吸われていくがそれに合わせて兄が綾へ魔力を戻す




「綾辛くないか」「はい」と答えるが数分しても魔力の吸収は増す一方で美心を抱きかかえながら綾が倒れ込んでしまい「綾!」と刀慈が近づこうとするが「あなたダメよ邪魔をしたら二人がどうなるか分からないの」




兄が何度か綾に呼び掛けるが返事が返って来る事がなく「綾のお母さん体が強ければ綾は大丈夫なんだよな」兄の問いに「そうだけれど、人の届く限界に至ったとしても無理よ」人ならばと聞き保険として考えていた事を試すか迷っていた



「あんたらは綾がどうなっても嫌わないでくれるか」突然の質問に「当主様と奥様に失礼な!」刀慈が兄の必死な様子に大切な事なのだと思い隊長を止めて「私達は何が起きようと綾を愛している、どんな事があろうとだ」



3人を確認して「それなら」綾の背中に当てている指先をナイフで少し切り血を綾へ垂らすと綾の黒髪は薄紫色に変色し黒い目は透き通るような銀色になり爪が伸び歯も鋭い刃先の様になり体も少し大きくなっているせいか白無垢は無残に破れ




3人は驚いたせいか一切何も言わない「サマー様」綾の声が聞こえそれから数分勢いの増す吸収力に綾の変化した体は見事耐え抜き「おねえちゃん」「苦しい所はありませんか」「うんへーきだよ」二人が抱き合い喜ぶ姿を見て




「綾なのね」こんな姿を見られ受け入れられないと思った綾が「すみませんすぐに去りますので」綾の言葉に「何を言っている黒川家の娘たるもの人前で肌を晒すなと言ってるのだ」隊長含め全員が変わらず綾を人として扱ってくれた




綾が立ち上がりこの変わり果てた姿を何故聞かないのか聞く前に兄が「赤べこが言ってた通りだな」と兄が腰の皮袋から大きな布を出して綾に羽織わせ、赤べこが言っていた言葉を思い出した



「こんな姿になって大変な事もありましたが、今が私一番幸せなんです」両親や隊長は綾がこんなにも嬉しそうな笑顔するのだなと、例え変わり果ててもその嬉しそうな笑顔ははっきりと感じた。














それから元の姿に戻り美心を休ませている間に家を出て行ってからの事を兄弟の体の秘密以外全て綾は話し黒川家や隊長への不満結婚への反対全て綾は赤べこの言う通り逃げずに真っ正面から言ってやった


それを刀慈や隊長は「すみませんでした」と反省して聞いてくれた綾は自分には勇気が足りなかったんだと痛感した、こうして話せば分かり合えるのだと「おねえちゃんおねえちゃん」





「どうしたのですか」菊と一緒に美心が部屋へやって来た「菊とお喋りの練習をしていたのですます」「こえどうおねえちゃん!」「とっても可愛いですよ」魔力を吸ってから美心は何故か声がまともに出せるようになった二人が仲良くしている様子に「まぁまぁ美心ちゃん、はい」



綾の母から苺大福を貰い「すごいおねえちゃんのおかあさん、これね赤いのおいしいよ」美心の無邪気な笑顔に心を打たれ「美心ちゃんおばあちゃんでいいのよ、もう可愛すぎてまだ死ねないわね!」



「そうだな私もおじいちゃんで」「お父様はダメです」「どうしてだ綾!?」「汗臭いのが付いてしまいますので・・・」どんな強者にも泣かされなかった刀慈が娘からの殺人的な発言に「うぅ、風呂だ!急いで全身を洗うんだー」隊長も慌ててそれに付いて行く




「綾さん凄く幸せそうだな」「そうだな、今まで皆辛かったんだろうなら今からその分幸せにならねーとな」兄弟は菊だけを呼び「俺らもう行くから綾達に言っておいてくれるか?」菊は綾や美心を置き去りにするのかと驚いたがそれも一つの優しさなのだろうと



「菊は知らないですますよ」兄は頷くとひっそりと門を出て行き集落へ歩いて行く「綾さんは兄貴と離れても体は平気なのか?」「ヒーは分かるか?」皮袋からヒーが出て「あなたが死ななければ可能です」



「頑張らないとだな兄貴」「そうだなー」綾を置いて行っても大丈夫それを聞いて安心しているはずがどうしても心が落ち着かずモヤモヤした感じが取れない「おかえりなさい」椿が集落の入口で待っていた



「よく分かったな」「当然です、私が先回りしていたのですから」綾の声がして驚き振り返ると「あなたいつも勝手なのですね」綾と美心の後ろには見た事もない和風な馬車に綾の両親が乗っていて隊長が手綱を握っている



その馬車の影からこっそり菊が覗いていた「何で言うんだよ」「美心ちゃんに聞かれたら菊は我慢できる自信ないですます!」何故か自慢げに言ってくる菊はほっといて「俺はさまだ色々な所に行ってみないと行けないんだ」



綾を危険な目に合わせまいと言ったが「私をこんなお嫁にも行けなくしておいて置き去りですか」綾の言葉にぐうの音も出ず「ごめん・・・それは悪いと思ってるが」言葉の途中不意に綾がそっと体を寄せ耳元で



「ならお二人でちゃんと責任取って下さいね」自分で言って恥ずかしいのか顔を赤らめる綾はとても美しく「兄貴に変わっててよかった・・・」と見ているだけでも隠れたくなる弟に対し「はひ!頑張りまふ!」



綾の意外な言葉で固まってしまった兄「あー、おねえちゃんわたしもだよ」「そうですね皆ずっと一緒ですよ」「うん」聞こえてはいないが綾の表情から察したのか刀慈が慌てて馬車から降り「綾お前まさかそのダークエルフが良いのかそいつは」



父の先の言葉を分かる綾が「お父様どなたを私が愛してもいいではありませんか」「あなた愛とは人それぞれよ、みっともないからやめて下さいね」刀慈もショックだったが結婚式までやっていた隊長も落ち込んでいる



「綾私や刀慈さんの事は気にせず後悔のしないように全力で頑張りなさい」母からの応援に「お母様お父様またいつか帰ってまいります」「またねおばあちゃんおじいちゃん」「またねー美心ちゃん」




刀慈が美心を見て「綾誰と結婚するかは置いといたとする、子供はどうするつもりだ黒川家の血を絶やす訳には」箱入り娘だった綾は何を言っているかあまり分かっておらず「お父様愛し合えば子供は出来るのです安心なさって下さい」



大事に育て過ぎて大切な事を教えていなかった夫婦はここに居たりまさかの自分達が後悔をしてしまい母が少しためらうも「綾あなた子供をね作る方法を知ってるかしら?」綾は質問の意味が分からずにキョトンとしている



兄が少し動揺しながら「もしかしてご両親は教えていない感じですか?」刀慈も母も顔背けてしまい綾が訳が分からないので椿や菊に聞いたが「それはさすがにドン引きですます」「人に聞かず自分で勉強して下さいね」



答えてくれず自分に質問されたら答えれる気がしないので「じゃあそろそろ出発しようか」「うん」逃げるように魔力車の方へと走る兄達にそれを追う綾、両親には綾にとって幸せはあそこにあるのだと感じ暖かく送り出した。












集落で元奴隷の人や子供達にも別れを告げ最後に赤べこに「赤べこさんのおかげで両親と話し合えました」赤べこは「それはあんたが頑張ったからだろ私に言うんじゃないよ、それと」赤べこが働いた給料と別れの餞別代りに




「あんたが掘った石で作った盾ね、本当は結構するんだからね」菊がお金の話に「ぼったくりですますか!」「違うわ、タダであげるって言ってるでしょうが」「タダより怖い物はないとマスター言ってたですますよ」



「そんなの知らないわよ」兄に盾を渡して最後に「なんだかあんた見てるとうちのおやじを思い出すのよねこんな美人とは真逆なのに不思議ね」きっと同じプレイヤーだからそう感じるのだろうと思い「それは案外合ってるんじゃないか」




兄は魔力車に乗り綾も美心も菊椿も乗り込むと「席にはちゃんと座ってシートベルトもするんですますよ」普通に乗ってしまったが外見はあまり変わっていなかったが中がまるで車の様に席やシートベルトもあり「何かしたのか?」




「私がマスターに頼んで改造パーツを送ってもらい作り直しまして魔力車改めまして」「車ですます」とてもシンプルに聞こえるがこの世界で聞くと違和感しか感じない「すごいねくるまはやいよ」



興奮する美心に運転する椿「舌を噛まないように気を付けて下さいね」「そうですよ美心」「ごめんなさい」兄弟と綾達を乗せた車は来た時の二倍程のスピードでアマテラス連邦の領域を出ると「それでは次はどこに行きますか?」






「それならばアマテラス連邦の近くに海があると聞いた事があります」「海行っても仕方なくないか?」「おねえちゃんうみってなに」「とても大きな水たまりの様なのですよ」「おにいちゃんいってみよ」美心の顔を見ると断れず椿から「どうしますか?」と聞かれ「海でお願いします」「やったねおねえちゃん」




一緒に喜ぶ綾に置いて行こうとした自分が馬鹿だったなと思っていると「兄貴手を見ろ」弟の驚く声で手を確認すると手に刻まれていたクエスト「望む物を手にしろ」は徐々に形を変え「過去との決別」と変わった





それはクエストを完了した事を意味しており「聞こえますか貴方達は互いにクエストを完了されましたので次のクエストを与えます、それに伴い」周りに気づかれないためかヒーの声が頭の中に聞こえる





「報酬をお選び下さい、貴方達の選べる報酬はアイテム、スキル魔法、機能を選べますがどれを選びますか」これが防衛の言っていたクエストで貰える報酬なのだろうと思ったがアイテムなど貰うとして好きなのを選べるのかと思ったら




「可能ですがそれはクエストのクリア数に値する物に限ります」頭の中に声を掛けるくらいだから考えている事をそのまま見られて驚かず「じゃあ何があるか見せてもらえるのか」「可能です」




兄としては気になっていた機能と言う物から見せてもらったがまだ解放されていない物があり分からないのもあるが「これはペット機能やらステータスの振り分け機能、スキル振り分け機能今必要ではないな」




他のスキル魔法を見せてもらったが二人の覚えていたスキル魔法が解放できる範囲で頭の中に見える「これは俺のだったら俺の1個になるのか」「いえ貴方達は二人で一人ですゆえにクエストも二人分ですから」



「2個って事か」「はい、ですがスキルを選ぶなら他からは選べませんスキルから2個になります」二人で話し合ったがどうしても決めれず「どうすんだよ!」「分かんねーよ、兄貴が選んでくれよ」と二人が喧嘩を始めてしまい



「迷っているのなら決まり次第にお呼び下さい」ヒーを呼び止めようと思ったが声が聞こえなく「どうしましたか?」と綾が心配そうにこちらを見ていた「あぁ・・・大丈夫ちょっと眠くてな」「それでしたらお休みください、まだ先は長いので」





「ありがとう、そうさせてもらうよ」「サマー様おやすみなさい」「おやすみ」「うん、おやすみ」弟と落ち着いてもう一度話したが決めれずとりあえずは保留として体は疲れを感じなく






不思議な感じだが精神的にはとても疲れて徐々に意識を失いやがて眠りについた。

これにて綾編終了となります次章もぜひよろしくお願い致します

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