どうしたもんか・・・。
結論からいうと鍛冶屋は居なかった。うん、居なかったんだ。
南側の1番端というので【水の波紋】からはそう遠くなかった。【水の波紋】はオーシャンビューを眺められるだけあって、湖から離れた海側の方にあった。1番端の通りをまっすぐ南側へ行くだけで良かった。
途中工房がいっぱいあったことから、この辺は職人街って感じかな?革や裁縫関係、木工品もあった。帰りに材料はこの辺で買えるかな?
通りを城壁すぐ手前、角に到着しました。石造りの工房の様だが火の気配がない?人の気配もない?
「こんにちは~、誰かいませんか~?」
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「すいませ~ん、ごめんくださ~い・・・」
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「ね~ライム、ちょっと【気配感知】【魔力感知】でこの中に人がいるか調べてくれる?俺のスキルに反応しないだけかもしれないからお願い。」(そんなことがあるのか分からないが、思い込みの事故判断は危ないからな。)
「分かりました。」とライムがスキルを発動させる。
「・・・クモ様、反応は無いです。誰もいないと思います。」
「ありがとう、ライム。」(反応はないか・・・。やっぱり誰もいないいんだな。)
鍛治屋は一件しかないっていってたから、ここでないとなると道具屋を回って探すしかないか?宛が外れてしまったが、職人街で材料だけでも集めていくか。
隣の工房、細工物(金属)をやってるようだ。金属のインゴットを分けてもらえると、道具も自分でも作れるからいいんだけど。
「すいませ~ん、ごめんくださ~い。」と声をかけた。
「は~い、どちらさま?」と奥から30代後半くらいの女性が出てきた。
「お仕事中すいません。ちょっと隣の鍛治屋さんに用があったんですが、今何処にいるか知りません?」
「え~と、そういえばお隣さんならジャイアントベアの討伐前にかなりの仕事が舞い込んで大変そうだったのは覚えてるけど。仕事が終わってから見てないね。」(あれから一週間だけどどこ行ったんだろうね?)
(ジャイアントベアって一週間はたってるってことか?)
「そうですか、ありがとうございます。ところでご相談なんですが、鉄のインゴットお持ちじゃないですか?もしお持ちなら少し分けて欲しいんですが。」
「あ~それはダメなんだ。工房のものは転売とかしちゃいけない規則になっててね。もし欲しければ【生産者ギルド】で聞いてみてください。」(ギルド長にばれるとおっかないからね。)
「そうですか、すいません。ありがとうございました。」
困ったな、生産者ギルドか。今はあんまりいろんなところと関わるのはしたくないんだよな~。材料だけ買えるならいいけど、登録とかして何かしら責任や支出が固定されるのはめんどい。まだ町に来たばっかりだし慌てなくていいかな?
やることないと時間がもったいないと思うのは日本人ならではなのだろうか?今まで(前世界)は仕事して→帰って飯食って→風呂入って寝て→起きて仕事行っての繰り返しだった。休みの日も外出するのは、ご飯食べに行くか立ち読みに行くか位だったからな~。金も時間もなかったあの頃は、やりたいことがあっても出来てなかったらな。
どうしよう、今も働かないと生きていけないのはかわりない。でも、モンスターを狩ることでお金が稼げる。モンスターを狩ってレベルアップすれば、強くなれて理不尽に命を奪われることもなくなる。犯罪に手を染めてお金を稼ぐ必要がない。【リトルワールド】があれば食糧さえどうにかなれば生きていける。
前にもこんなこと考えたことがあったな。そう考えると趣味としてほどほどにやればいいかな?楽しむことが一番だし。ライムと俺のレベル上げと他にもテイムして仲間を増やそう。人間の仲間は・・・そのうちかな?
とりあえず、生産者ギルドで材料買えるか行ってみよう。ダメならダメで帰ればいいしね。今日はとりあえず宿に帰って休んでしまおう。あっ、その前にガントのオッチャンに居なかったって教えて上げよう。だがその前に・・・。
【隠密】【隠蔽】【直感】【観察眼】【五感強化】【並列思考】【同時発動】を使って、「お邪魔しまーす。」と鍛治屋さんに不法侵入。火事場泥棒?違う違う。中でぶっ倒れて死んでんじゃないかって可能性があるからちょっと確認。
侵入の痕跡を残さないように細心の注意を払ってお邪魔しております。といっても、玄関開きっぱで多少中は見えてたのでさらに奥を探す。トイレや寝室には居なかった、残るは鍛冶場か。
鍛冶場に入るとガランとしていた。想像していたように大きな窯?のようなのがある、だがそれだけだ。てっきり大きな金槌や金床等があると思ったけどなにもない。いや、違うか・・・紙切れが一枚落ちていた。
『冒険者の乱暴な態度や傲慢さに嫌気が差しました。故郷へ帰ります。探さないでください。 鍛冶士 トルモ』
え~~~~・・・・どうすんのこれ?




