神隠しは突然に②
連続投稿です。
チェックはしてますが誤字・脱字があったら申し訳ありません。
楽しく読んでいただけますように。
瑞希はその場に崩れ落ちる様に蹲って、泣いた。
「あの!!」
突然、後方から大きな声がかかる。びくり、と身を震わせた瑞希は恐る恐る声のかかった方に
首を回す。そこにはちょうど同じ年頃の女子高生の姿があった。
瑞希とは制服が違ってセーラー服だ。今どきの高校でセーラーはあまり見ない。
どこの学校だろう・・・。私立高校かな?都内は多いからわからない。
「ここどこかわかる?? 気づいたらここにいたんだけど!?」
元気にこちらに走ってきた女子高生はリュックを背から下ろしながら
瑞希に話しかけた。少し陽に焼けた肌は健康そうでハキハキと話す調子に
好感が持てる。 もしかして、泣いてた?と心配そうに瑞希の顔を覗き込んだ。
「もしかしてあなたも突然ここに来ちゃった系?」
半笑いしながら頭を掻いて心配そうに瑞希を見た。
「・・・そう。私、家にいて・・・、学校行こうとしたとこだったの」
あなたは?と女子高生を見上げる。 わたしも!と相槌を打って腕を組んだ。
「今日、朝練あるのに寝坊しちゃって・・・!あわてて走ってたんだけど
いつの間にこんなとこで走ってて!」
「そっか・・・」
「あ、私、透子っていうの! あなたは?」
「瑞希」
簡単に自己紹介して二人で周辺をくるくる見渡す。
こんな深い森、都内にないよね、と透子は首を捻る。
「今どきの小説あるあるじゃないよね? マジ迷惑なんだけど」
瑞希は幼い頃にあった話をしようか迷い黙り込んでしまった。
もしかしたら、透子は巻き込まれたんではないだろうか?
透子が急いで走っていたのは瑞希のマンションの前だ。ちょうど瑞希と
同じ位置に差し掛かったところで一緒に変な場所に飛ばされたのかもしれない。
なんだかその線が濃厚だ。
「どした? 黙り込んじゃって」
心配そうに声を掛けてくれる透子に申し訳なさでいっぱいになる。
でも、隠しておくことはできない。隠しておくのは瑞希の心が無理だから。
この話をしたら透子は怒ってどこかへ一人で行ってしまうかもしれない。
それか、道中ずっと罵られて恐怖心の捌け口にされるかも。
それでも黙っているよりは言った方が絶対いいと瑞希は思った。
「透子ちゃん、あのね・・・。私、多分ここが初めてじゃないの」
「え?」
緊張して声がか細くなっていく。
「小さい頃も一度こんな事があったの。その時の事はほとんど覚えてなくて」
瑞希は顔をゆっくり上げて、透子を見た。驚いて半分口を開けている透子が
いる。
「その時は森の中じゃなかったんだけど・・・。」
怖い。
拒絶されて、罵倒されるのが怖い。
お前のせいだとと罵られて、ぶたれるかも・・・。
そのままだんまりになってしまった瑞希に透子は大きく息を吐いて言った。
「小さい頃っていくつくらい?」
びくりと肩を震わせた瑞希は消え入りそうな声で5歳、と言った。
「じゃ、覚えてないの無理ないじゃん!しかもどうしてそうなったかわかんないんでしょ?」
透子は瑞希の肩を両手でパンパンと軽くたたいて笑った。
その笑顔に泣きそうになる。こんな状況の中でも責めない透子がとても頼もしく、
結局泣いてしまった。
「だったら瑞希ちゃんのせいとかじゃないじゃ~ん!もう、瑞希ちゃんは泣き虫なんだね~!」
「ごめ・・・」
グスグスと鼻を啜りながらちょっと笑った。
「笑うとかわいいじゃん! こういうのって訳わかんなすぎてパニくる事があるけど、
私は一人じゃなかったからまずよかったって思っちゃって!
それに、瑞希ちゃんに巻き込まれたなんて思ってないし。ぶっちゃけそう
だったとしたって意識してやってる訳ないんだからさ」
「でも」
「それよか、この森の危険度が高いような気がするのは私だけかな?」
「・・・私もヤバそうだと思ってる」
「だよね。RPGとかでいう初心者の森とかではないよね。てか日本なのかな?」
―― 絶対、日本じゃないと思う。
最後までお読みいただきありがとうございます!
書き溜めていますので、このまま連続で投稿します!!




