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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移十二日目っ! ~ パレードに報奨金。ついでに自称大聖女との出会い

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97.今日の夕食に、お肉が登場です!

「お話し終わった?」

「お話し終わったの?」

「おわった?」

「おわた?」

 カンタとリコットとちびちゃんたちが、談話室兼食堂で、あたしたちを待っていたらしい。

 年長さん二人(アリとシュラン)がいないね。

 じゃれついてくるちびちゃんたちを抱き上げながら、2人の行方を聞くと。

 台所で、お肉を焼いているらしい。

「イクミねーちゃんがよく食べるから、今日はお肉を仕入れてきたんだよ」

「へー」

 子供たちだけで買い出しなんて大丈夫だったかな、とか思ったけど。

 パレードを観に来る位なんだし、心配することでも無いか。

 少なくとも、スラムではあたしの存在は大きく知られている。

 あたしの教会(シマ)家族(みうち)に手を出したらどうなるか位は、さすがに分かるでしょ?

 で。

 ん-子供にまで、あたしの食欲を心配されてんのか。

「オラクルの街の周囲に、狩場みたいなものはあるの?」

 カンタやリコットに聞いてもしょうがないけど、何となく聞いてみる。

「ん-畑を荒らす害獣を退治して欲しいって話は、聞くことがあるよ」

「なー」

 あーあるんだ。

 街の周辺は、もうぎっしりと小麦や大麦畑が広がってるんだけど、その先は街道沿いに村々が点々としてるだけ。街から離れるにつれ、うっそうとした森や沼地、草原が広がってる。

 当然、野生動物が住んで(いついて)るんだよね。

 たまに里に下りてきて悪さするんだね。うん、旧時代の動画で結構観たよ。

 現代のコロニー生活では、全く考えられないけどね。

 ここでは、街の近くか、そうでないかで、本当に全然違うんだよね。

 って事は、馬車みたいな移動手段があれば、楽に狩りが出来そうなんだけどね。

 冒険者ギルドの狩人パーティーは、そんな感じで獲物を街まで運んでいるのかしらん。

 ん-でも、見つけるのも追いかけるのも、人間の足だと無理があるか。

 専門の狩人は、そういう技術を持ってるんだろうね。

 あたしは、向こうから襲ってきてくれないと、狩りは無理かもしれないね。

 自力でお肉の調達かぁ。うむう、なんとかなんないかなぁ?


挿絵(By みてみん)


 で、今日の夕食に、お肉が登場です!

「今日は、オーク討伐お疲れさまでした会、なので、いいんです!」

 アリちゃんが、そう宣言してるんだから、いいんだよね。

 結構な大きさの塊肉が、大きなお皿にご登場。羊肉らしい。

 こういう時は、集団(コロニー)一番偉い人(トップ)が肉を切り分けるのが習わしらしいね。

 で、マム院長が厳かに肉を切り分けて下さる。

 結構、豪快な切り方で、明日に残すとか、しなくていいのね?

 大きな肉の塊に、男の子も女の子も、みんな大興奮ですな。あたしもだけどね。

「俺、こんなの見たことない!」

「僕も!」

「私も!」

「わたちもー!」

「ぼ、ぼくもー!」

 アリちゃんが、どんなもんだいな(じまんげ)、お顔をしてらっしゃる。 

 あたしとみーよの分も、切り分けられた。

 ちょっと、あたしの分、なんか大きくない? みんなの軽く3倍はありそうなんですけど?

「あなたは、いいのよ、それで」

 にこやかにマム院長が仰る。

 みんなも、それでいいらしい。

 なによーこれじゃあたし、大食いみたいじゃないのさー

 ちがうの?

 そう、みーよの顔に書いてあるけど、口には出さない。

 あれ? みんなそう思ってるの?

 やだなーあたしだってちゃんと空気読むよ?

「さあ、頂きましょう!」

 ちゃんと女神ちゃんにお祈りして。

 みんな、わっとお肉に齧りついた。

 あ、これ、スゴク旨い。岩塩を利かせただけの味だけど、肉自体に旨味が凝縮されている。焼き方が上手なんだね。

「肉市場に行ったら、あんた、あのオーク・キラーのとこの子だね。今夜は戦勝会なんだろ、これ、安くしとくから持って行きなって」

 あらまあ、有名人も悪くないわね。

 それでアリちゃん、ご機嫌なんだね。お安く買えたからねぇ。

「市場の横で、イクミねーちゃんの事、吟遊詩人(バード)が歌ってたぜ」

「ねー」

 う、歌?

異界(セーラー)羽衣(セーフク)を身に(まと)いし 告死天使(アズラエル)イクミ アギト・ナイフを振るいて 死の裁きを告げ 醜悪(しゅうあく)なる豚鬼(オーク)どもを 大いに(ほふ)らん

 ……そんな感じだったよ、スゴクカッコよかった!」

 カンタ、あんたは食べるかしゃべるか、どっちかにしなさい。

 まあ、どっちもやりたいんだろうね。

 異界の羽衣、かぁ。物は言いようだね。共通語理念(コモン)、そんな訳し方をするんだねぇ。

 あ、吟遊詩人(バード)だからか。言葉をよく知っていて、歌にする職業だから、翻訳の自由度が高いのかもね。

 にしても、羽衣(せいふく)、ねえ?

 ま、似たようなもんか。

「イクミ、お代わりですか?」

 あれ、あたし、もう全部食べちゃってる?

 美味すぎて、気付かなかったわ。

「いや、みんなの分があるし……」

「遠慮しなくて良いのですよ」

 いや、あたし、ちゃんと空気を読める人なので……

 遠慮しないで、たくさん食べて!

 そういう空気が、読めちゃった。

「エールのお代わりをどうぞ」

「パンもいっぱい焼いてあるよ」

「ピクルス、お代わりする?」

 な、なんでみんな、そんなに食べさせたがるの?

 でも。

 肉の誘惑には、後から溢れ出てくる食欲には、やっぱり勝てなかった。

 出されたものを、キレイに平らげてしまった。

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