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Sweet Bomb NEXT  ~ 今度は異世界で大暴れっ!  作者: 白河・DG・夜舟
転移十日目っ! ~ いよいよ、オーク軍と大決戦っ!

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80.見透かしてますよ?  表情が、そう語っている

 前方が、慌ただしい。

 戦場が、近い。

 アギト・ナイフをよく拭いて、血糊をぬぐって、油を薄く塗っていたあたしの手が止まる。

 似たようなことをやっていたシュトルムも、手を止めて道具を片付け始めた。

 何で分かるのか、不思議そうなみーよ。

 いや、ワカルよ。空気が変わるって、スグ分かるでしょ?

 とてもハッキリと分かるよ。

 だってあたし、今、スゴク研ぎ澄まされてるもん。

 シュトルムの隣で、女僧職者(なまえおもいだせん)が、彼の行動を見て、自分の支度を始めた。

 彼女も、理由は分からないけど、シュトルムには分かる事を知ってるんだね。

「マクロン、宜しくて?」

「……うむ。着いたか?」

 隣の魔法使いにそっと話しかけると、やや暫くして返事が来た。

「はい。星の動きは?」

「捉えておる。いつでも撃てるぞ」

 星?

 運命みたいなもん?

 いや、撃つって言ってるんだから、違うか。

 と、そこに、斥候に行ってたんだろうね、亜人の小人(あしだけデカい)が帰って来た。

 なんでもないように馬車に飛び乗ってきたけど、この馬車、結構高い位置に荷台があるし、走ってる最中だよ?

 やるねぇ。

「クチュクチュ、どうだった?」

 シュトルムが話しかけると、耳元にコソコソと話しかける。

 しばらく聞いて、頷いた。

「分かった。そのままギルドマスターにも伝えてくれ」

 小人は頷くと、すぐに馬車から飛び降りた。

「オーク本隊は、そのまま陣営を組んで、こちらを迎え撃つつもりらしい。各地に散った偵察部隊も戻ってきている。あと、向こうはオーク・ジェネラルと、オーク・プリーストが一頭づつ。コマンダーが各小隊の指揮をしていて、今は3人いる」

 小人から聞いた内容だと思う、そのままを伝えてくれた。

「奇襲は無理そう?」

「待ち構えているからな」

 さっきの小隊みたいには、いかないのね。

 まあ、こっちが移動中に、相手の陣容まで先に分かるのは、大きいと思う。

 斥候なんて簡単にいうけど、決して楽じゃないと思うよ?

 あの小人、かなりスゴイんだね。

 と、もう一人の斥候、出来る子デンが、帰って来た。

 こっちも、馬車がまるで走ってなんかいないように、乗り込んでくるんだね。

 そのまま、あっちのパーティーじゃなくて、なぜかあたしの方に、来た。

「来て」

 低く、早い声。

 いや、ちょっと待って、いくら速攻即決なあたしでも、反応できない。

 急に言われて、戸惑ったまま、そっちのリーダーは、どっちだ、頭の良い方か、マイアミを見る。

「この子がそういうなら、付いて行って下さい。体制を整え次第、我々で後を追います。あなたの聖女様は、命を掛けてお守り致します」

 分かった。

 みーよをチラリと見て、確認だけして、行こうとすると。

「待て」

 魔法使いマクロン“閣下”? が太い大きな声を上げる。

「どうせ全て燃やす。無意味な事は止せ」

 デンがズカズカと歩み寄っていく。なんか怒っている。

「止せ」

 シュトルムが、その前を塞ぐように立ちはだかる。

 そのまま二人が、ジッと睨み合う。

 揺れる馬車の上で、二人とも微動だにしない。

「構ってくれそうな若く経験のない子なら、来てくれると思ったのですね?」

 その後ろで、何でもない事のように冷静に、女僧侶が指摘する。

 見透かしてますよ?

 表情が、そう語っている。

 デンが、フードを被ったままで、女僧侶を見つめる。

 背中越しで、顔も何も見えないけど、怒っているのは分かる。

「ゴメン、ちょっと何言ってるか分かんない。今、大事な時間だと思うんだけど、説明頼める?」

 あたしも関係者だし。そう言って周囲を見る。

 マイアミ、あんた、行けって言ったよね。なんか知ってる?

「閣下、どれ位時間を頂けますか?」

 あたしに説明、じゃないのか、魔法使いに話しかける。

「30分までは待ってやる。過ぎると、星の拘束が外れる」

「デン、それでいいか?」

 怒りが収まったらしい、デンが頷く。

 感情の切り替え、早いな。

「責任は取れないぞ?」

 シュトルムが念を押すように、マイアミに言う。

「全て、私が取ります。さ、時間がありません」

 よく分からんけど。

 巻き込まれてるけど。

 ま、いっか。

 みーよに一度頷いて、あたしはデンと共に馬車から飛び降りた。

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