71.本質はそこじゃない
村を出て馬車に戻ると、ギルドマスターとエースパーティーの亜人の小人、狩人、全身ローブの性別不明が話し込んでいる。
こちら側の斥候から、報告を受けているわけね。
まもなく、予定通りもっと奥の方へ、移動することになった。また馬車かー
で、馬車の中で。
狩人さんに、斥候お疲れ様、様子はどうでしたと聞いてみたら。
なんで俺に尋ねるんだと言われた。
いやだって、全身ローブは話しかけんなオーラがスゴイし、亜人の小人は、あたしの共通語が通じるか自信がないと、率直に話した。
えーオーク・クイーンが気を使うのかよー
その呼び名はやめて。気―くらい普通に使うよーなんだと思ってんのよー
と言ったら、鼻で笑われた。なによもー
でも、ちょっと打ち解けてくれて、いつも獲物を持ち込む解体職人がお前のことを褒めてたぞ、とか言ってくれた。
褒められるのは、ちょっと嬉しい。
んで、この村の周囲は、オークの気配はないようで、断定は出来ないけど、オラクル自体への侵攻は、考えなくて良さそうみたい。
オークと言えども、道なき道を歩いてくるというのは考えにくいし、無理に通ろうとすれば、その痕跡が残る。
その辺を調査すれば、大体の事は分かるらしい。
一人で全部を見て回るのは無理でも、今回のポーター遠征は比較的優秀なメンバーが揃っているのでありがたいんだそうです。
で、新人で有望株の君らの事は、気にはなっているが、今の所ギルドで大暴れしか聞いていない。
本質はそこじゃない。オークの武人アグフの一隊を討伐したという事だろう、と言われた。
ギルドに居残っている連中なんて、正直大したことは無い。ここにいる前衛職なら、みんな同じことができる。やらないだけだし、やる理由もない。
俺は中衛なのでやらん、と笑われた。
へえ、そうなんだ、と周囲を見ると。
残念剣士は、いまさらそんなこと聞くのか? という顔。
戦斧使いは、フンと鼻を慣らした。
鎖帷子にベスト着用のホントに僧職者? は、自分は無理と手を振った。
ただ。
なんちゃって僧職者さんが、全身ローブにフードも被った性別不明の肩を叩いて、コイツも出来るぞ、とゼスチャーした。
へえ、当てにしていいんだ。
なんか嫌がってるけどね? 全身から話しかけんなオーラがスゴイけどね。
ホント、得物も流儀も、声も体重も、性別さえ分かんない。謎だわぁ。
で、斥候、諜報は、亜人の小人が一番腕が立つらしい。彼がいるので、エースパーティーはB級ライセンスを所持できている、とまで言われている。
あ、そういうことを言われると、照れるんだ小人。なんだ、とっつきにくいとか思ってたけど、結構可愛い奴じゃん。
で、あたしの事も割と認められてんのね。
ちなみに、オーク・アグフの一隊と出会ったらどうなの? と聞いたら。
パーティー戦なら勝てる、とエースパーティー。
出会う前に立ち去り、やり過ごすのが狩人パーティー。
犠牲がでるので出来れば戦いたくない、のが戦斧使いとなんちゃって僧侶、全身ローブにフードのパーティー。
その辺が、B級とC級の差なのかしらん。
ただ、どのパーティーも優秀な斥候がいるので、こちらから先に相手を見つけて判断や対処ができる可能性が高いのだとか。
お前たちもこの先、名を上げるつもりなら、そういう斥候ができる奴をメンバーに加えておいた方がいい、と忠告された。
なるほどね、その辺、あたしは役に立たないかもね。
離れていても、殺気とかは分かるんだけどね。
この格好、目立つし、変える気もないしね。
みーよの法服も、かなりの注目度でもあるしね。
まあ、売り込むというわけではないが、他のパーティーと組んで行動することもできるから、柔軟に考えておけ、だって。
経験者は、元オラクルの大聖女マムちんがいるから、帰ったら聞いてみよう。




